映画『海よりもまだ深く』

umiyori

池松壮亮押しのお友達と、王子コンサートの前に映画。

 

是枝裕和監督作品です。

『そして父になる』の時は、仕事一筋で子どもにも厳しい福山父に批判的で、

いい加減で自分にも家族にもユルいリリー父に加担してる気がして、

う~ん…となってたのです。

真面目に頑張ってる人を「あいつは真面目だからなあ」と否定するのは

好きじゃない。

 

で、この映画公開直前にテレビ放映のあった『海街ダイアリー』を観たら、

あ~こういう日常の何でもない描写の監督なのねって知りました。

4人姉妹がそれぞれ魅力的に描かれていてとても素敵でした。

 

今回の映画は、売れない小説家(阿部寛)が、別れた妻と息子にも未練たらたら、

子どもの頃は作文上手だなんて言われて、小説も1作品だけはうまくいったものの、

今はお金に困って養育費も渡せない、

こんなはずじゃなかったのになあ。

今から大逆転も難しいだろうし。

 

子どもの頃は前途洋々、なんでもなれる気がしてても、

誰でもなりたかった大人になれるわけじゃない。

なれなかった大人の方がきっと多い。

 

長男見てて思うのよねえ。

志望校に入れて、これから明るい未来が拓けているはず…と思う。

が、それがいい仕事に就いて、いいお給料もらって

素敵な奥さんもらって、可愛い子どもが生まれて、

と、うまくいくことが確約されているわけではない。

 

そこにはいろんな事情や問題が絡んできて、

順風満帆な人生ってそうそうない。

って、自分自身について思ってしまうのですよ。

 

この日は、この映画を観た後に、王子のコンサートだったわけで

王子は「僕はなりたいと思っていたミュージカル俳優になれました」

と言いました。

小学4年生の時に『キャッツ』を見て、ミュージカルスターを目指し、

そのまま真っすぐ夢を実現した王子。

王子本人も、「実力とか努力とか、そんなものだけで夢が叶うわけじゃないことは

よくわかっている。僕は運が良かった」と言ってました。

 

団地に住む母親(樹木希林)の、何でもないようで、

実は深いような長い台詞も、やけに胸に刺さる。

人生重ねると、これまで考えたこと、感じたことの経験値が高いせいか、

いちいち深入りしてしまいます。

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