Category Archives: ミュージカル・お芝居

パラドックス定数第50項 「ズベズダ‐荒野より宙へ‐」


■日時:2025年2月26日(木)第一部14:00 第二部19:00、27日(金)第三部14:00
■会場:@ザ・ポケット
■作・演出:野木萌葱
■出演:植村宏司 神農直隆 酒巻誉洋 大柿友哉
渡辺芳博 松本寛子 前園あかり 鍛治本大樹
岡本篤 谷仲恵輔 今里真

はい、この遠征の目的はこれです。
「骨と十字架」「諜報員」からすっかりハマったパラドックス定数。
1年前から「来年2月にやります」と公表されてたので
1年間ウズウズしてました。

ソビエトの天才ロケット設計士コロリョフと
登場しないけどアメリカNASAに属するドイツ人工学者ブラウン
を中心とした宇宙開発戦争のお話。
各部2時間×3部作=計6時間の大長編。
宇宙への夢でもありつつ、国と国との闘いでもあり、
歴史的背景、技術用語、登場人物、人間関係
頭をフル回転しながら挑む気持ちで観劇しました。

内容書ききれないし、書くほどの知識もないので
感想だけになりますが、
とても面白かった。

事実なので相当研究しないと脚本できないだろうし、
諸説ある中からこれでいこう!と決める決断力も必要。
今回も入場時にお迎えしてくださり、
注意事項もご自身でアナウンスされる野木さん、
普通のおばさまなのに、どこにこんなエネルギーがあるのでしょう。
ずっと緊張感がある作品なのです。

そして役者さんたちも素晴らしい。
パラドックス所属は植村さんだけで、
客演は精鋭人を集めたのでしょう。
植村さんは声をつぶしてコロリョフに臨まれ、
神農さんはもちろん、みなさん声もとてもいい。

コロリョフは仲間に裏切られ、過酷な抑留生活を送り
身体はボロボロだったらしい。
その仲間との関係や、
ガガーリンは戻って来れないと思ってたとか
戻ってからは広告塔に利用されたとか
初めて知ることばかり。

宇宙関連の話題は苦手で
仕事でその分野の時は苦労してますが、
sasaはやはりドラマが好きなのだ。
そこで起きる人の心の動きとか関係性の変化とか
そういうものであれば気持ちがキューっと惹かれていく。

体力いるだろうと思ったので1部ずつ見ましたが、
縦断上映という1日に3部完走する日もありまして、
演者さんもですが、観る方も一緒にゴールを目指すような一日だったようで
その一体感はsasaも感じたかったなあ。

今年は次回作についてのコメントがなかったのですが
次が待ち遠しい。

よしもと「独身ブラザーズ」


■日時:2025年2月25日(月)20:15
■会場:ルミネtheよしもと P列サイド
■出演:アインシュタイン河井、相席スタート山添、トット多田

すみません、他にめぼしい公演がなくてね。
他にないから行った次第。
お笑い好きですが、生ライブは初めて。
(以前、M1ライブビューイングは行ったけどね)
よしもとの劇場ってこんな感じなのね。
でもぎりぎりにチケットとったsasaは最後列で、
ほぼ満席。

このメンバーだと河井さんが先輩で、
こういう世界って上下関係ぴしゃっとしてるのね。
ワイワイ言いながらも先輩後輩関係が表れてくる。
恐らく一番後輩の多田さんは控えめで発言も少ない。

タイトルが「独身」なので話題は、
結婚したい、どうすれば出会いがあるか、
に終始します。
ずっとやっきたシリーズ、
結婚したメンバーは抜けていくらしい。

話題はだいたい言い尽くされたもので
あまり盛り上がるものでもないのを
さすがの先輩河井さんはなんとか成立させてました。

でもこんな有名芸人さんんに彼女いないわけではないだろうから
ちょっと現実味がない。

舞台『しばしとてこそ』


■日時:2025年2月25日(火)14:00
■会場:新国立劇場 小劇場
■作:大歳倫弘(ヨーロッパ企画)
■出演:阿久津仁愛 押田 岳 坪倉康晴 小島梨里杏
富山えり子 中川晴樹 安西慎太郎 池津祥子 大鷹明良

遠征のため朝4時から仕事してたもので
前半寝落ち。
一体なんのために遠征したんだか…
が、作品は内容自体あんまり…
作がヨーロッパ企画だから観たんですけどね。

「卒業するタイミングは自由に自分で決めることができる」
という世界が舞台。
高校生活にやり残したことがある3人組が
〈N学年〉の教室に足を踏み入れると
年齢不詳のクラスメイトたちがいて。
基本的に青春時代のお話なので仕方ないよね。

自分の意思で決める高校生のお話を見ながら遠い昔を思い出した。
sasaの高校は校則のようなものがなく、
当時からパーマとかカラフルなシューズとか問題なかった。
そんな中、ちょっと考え直そうと全校集会が開かれ、
自律の精神を全員で確かめ合う話し合いがなされた。
自由には責任が伴う、ただ好き勝手やるのではなく
自分で考えることの大切さ、をみんなで確認した。

な~んてことを思い出したよ。

sasaには響かなかったけど、
ネットでは面白かったという声も多いので
若者には通じたのかな。

KERA meets CHEKHOV Vol.4/4 「桜の園」


■日時:2025年1月21日(火)
1幕84分 休憩15分 2幕76分
■会場:キャナルシティ劇場 1階D列
■作:アントン・チェーホフ
■上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
■キャスト
天海祐希 井上芳雄 大原櫻子 緒川たまき 峯村リエ 池谷のぶえ
荒川良々 鈴木浩介 山中崇 藤田秀世 山崎一 浅野和之 ほか

コロナで一度も上演できなかった幻の作品のリベンジ。
メインキャストもかなり入れ替わってますが
王子は引き続き出演。

ラネーフスカヤ夫人が大竹しのぶさんから
天海祐希さんになったのが一番大きいですね。

登場した時には一瞬空気が止まって
拍手が起きました。
それくらい天海さんは女王様の圧がある。

けど、sasa個人的にはシェーンホームズ演出の
原田美枝子さんが好きだった。
美しさはもちろん人生の重みと時代遅れの愚かさ
が人間の憐みを感じさせたんだよなあ。

事前に画像は見ていたものの
王子の薄毛キャラはやはり受け入れられない。
知的で先進的のようでいて
万年学生から脱却できず中身が伴ってない
というのがsasaのトロフィーモフのイメージなのですが、
少なくとも見た目はごく普通の学生の方がよいのでは?
ケラは喜劇に仕立ててますが、
薄毛というビジュアルで面白くする必要はないし
実際面白いわけでもない。

ケラがそんな浅い発想をするとは思えないので、
検討違いなこと言ってのだろう。

に対して、荒川さんのロバーヒンの素晴らしさ。
シェーン演出の八嶋智人さんはやけに知的で農民からの成り上がりには見えなくて
その点、荒川さんはいい人そうな風貌で最初は屋敷を売らずにすむように尽力するけど
諦めてからは厭らしさも垣間見えて魅力的だった。
助演賞は荒川さんだな。

そして重要なのは執事フィールス。
本編では認知症を強調されてるけど、ラストの
みんなに病院に行ったと思われてるけど実は屋敷に残っていた
のところ
みんなが出て行く前に倉庫の戸締りされてて
フィールスはあの中に閉じ込められたのか?と見てたら
横の部屋からひょこひょこ出てきて
「みんな行ってしまったか」「坊ちゃんはまた外套も着ないで…」
と言うのが本人納得の様子で
んん?
認知症じゃないじゃん?
これまで認知症のふりしてたのか?
となったのです。

屋敷に残されたのではなく
自らの意思で屋敷と破滅を共にする主体的な選択
と感じました。

ついついシェーン演出と比べてしまうけど、
内容的にはシェーンの方が好きでした。
チェーホフの原作に忠実なのはケラ演出ですが
シェーンがチェルノブイリを重ねた捻りが憎らしかった。

アフタートーク『天保十二年のシェイクスピア』

■日時:2025年1月11日(土)夜公演終了後
■登壇者:浦井健治 大貫勇輔
■MC:藤田俊太郎(演出)
トークショー目当てでこの公演にしましたからね。

おしゃべりの内容をメモしたままに。

●浦井:博多座はこの作品にぴったりの劇場。
提灯もぴったり。
バンマスも変わってアレンジすごい入ってて面白い。

●浦井くんから大貫くんの印象:
タクシーに乗ると必ずskyのCMに出てる

●大貫くんから大貫くんの印象:
前回の浦井三世次の映像はあえてチェックしなかった。
浦井くんは稽古場に2時間前くらいからいる。

●藤田さんへ質問:司会が上手なのはなぜ?
藤田:20回くらいやってますからね。

●浦井くんより:
1974年の初演から50年経つけど人間って変わらない。
祝祭劇として見てもらえば。