舞台『ねじまき鳥クロニクル』

■日時:2020年2月15日(土)13:00
1幕/1時間35分 休憩/15分 2幕/1時間15分
■会場:東京芸術劇場 プレイハウス
■演出・美術・振付のインバル・ピント
■出演:
<演じる・歌う・踊る>
成河/渡辺大知:岡田トオル役
門脇麦:笠原メイ役
大貫勇輔:綿谷ノボル役
徳永えり:加納クレタ/マルタ役
松岡広大:赤坂シナモン役
成田亜佑美:岡田クミコ役
さとうこうじ:牛河役
吹越満:間宮中尉役
銀粉蝶:赤坂ナツメグ役
<特に踊る>
大宮大奨、加賀谷一肇、川合ロン、笹本龍史
東海林靖志、鈴木美奈子、西山友貴、皆川まゆむ (50音順)

去年のGW以来の東京遠征。

何がお目当てかというと
ダンサー大貫勇輔君×演出インバル・ピント。
大貫くんが主役ではなかったにせよ
大好きだった『100万回生きたねこ』の組合せ。

そしてこの予感は大正解。
とても刺激的な舞台でした。

正直sasaは村上春樹はよくわからないのです。
どこがそんなに偉大なのか。

そんな訳のわからない村上春樹を
引き寄せ、面白く見せてくれたのはインバルの力です。

インバルの特長なのか
ブルーグレーのシンプルな、
なのにとてもアートな空間で
夫婦が猫について会話をする。
なんだかチグハグ、かみ合わない。
それをインバルは2人の間のテーブルを伸ばす、
2人の距離が遠ざかるという表現に置き換えてくれる。

登場人物のモヤモヤ不明瞭は
ソファの間からダンサーがムニョムニョ出てきたり
絡まり合ったり。

わからない観客に対して視覚的表現に置き換えて
わかりやすく伝えてくれるのです。
なんだかねえ、村上春樹面白いかもって思わせてくれた。
舞台は演出家だとものすごく実感した。

出演者もそれほど全員知ってる方たちではないけど
身体能力が優れているメンバーが揃ってます。
以前インバルのドキュメンタリー番組を見たことがあって
身体で伝えようとする演出が印象的でした。
成河は再演の『100万回生きたねこ』の主演だから
選ばれし主演だったろうし、
門脇麦もとても良かった。

大貫くんはねえ、今回はお芝居がメインで、
ダンス!っていうシーンはないのですが、
ダンサーでないとできない動きでした。
大貫くん、前は演技がぎこちなかったけど
やっぱり才能あるのねえ。
お芝居もしっかりしてきました。

で、圧巻だったのは吹越満さんですなあ。
一番恐ろしいノモンハンの話のシーンで
とつとつと恐怖を畳みかけて行く。
淡々と観客を追い詰めて行くのよ。
そしてここでも結構な身体能力なのです。

繰り返しますが、今回の一番の感想は
舞台は演出家で決まる
です。

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