■日時:2020年2月15日(土)17:30
■会場:日生劇場 2列11番
■原作:太宰治
■脚本:ケラリーノ・サンドロビッチ
■演出:生瀬勝久
■出演:
藤木 直人 : 田島周二 役(文芸誌「オベリスク」編集長)
ソニン : 永井キヌ子 役(闇市のかつぎ屋)
真飛聖 : 田島静江 役(田島周二の妻)
朴璐美 : 大櫛加代 役(内科医、田島の愛人)
長井短 : 水原ケイ子 役(挿絵画家、田島の愛人)
能條愛未 : 青木保子 役(美容師、田島の愛人)
田中真琴 : 草壁よし 役(百姓の娘、田島の愛人)
MIO : 田島幸子 役(田島周二の娘)
YAE : 田島福子 役(田島周二の娘)
入野自由 : 清川 役(文芸誌「オベリスク」編集部員)
小松和重 : 水原健一 役(水原ケイ子の兄)
生瀬勝久 : 連行 役(小説家)
ケラの作品をケラ以外の人が演出する
ケラクロスシリーズ。
初演のケラ自身の演出も観ております。
仲村トオル×小池栄子が
今回は
藤木直人×ソニン。
小池さんが怪力大食い女キヌ子を見事に演じたので
あれは超えられないかなあと思ってたら
さすがはソニン、遙かに超えて行きましたよ。
モンペ姿で足広げて大食いしながら登場。
品のないダミ声、金にうるさい。
可愛いソニンがここまでやるか!っていう突き抜け方。
そういえば『ペテン師と詐欺師』の時の
ぶっちぎりの豹変ぶりもカッコよかったもんなあ。
そんなキヌ子だけに、田島への不器用な恋心が
なんとも愛らしい。
いつも裏切らないなあソニン。
と、ソニンに大満足は良かったのですが、
演出がなあ。
アイデアが凝らされているのはわかるけど
上下2階で場転換するのが、見えにくい。
プロジェクションマッピングも道具たちも
繊細な美しさが足りない。
ケラがどんなに緻密に計算して作り上げてたか
その差は歴然なのよ。
役者さんとしての生瀬は、我が物顔で舞台を行き来し、
俺の舞台だと言わんばかりの演技には
主役でもないのにどっしりした存在感で
安定させてくれてたのだけど…。
昼の『ねじまき鳥』で
村上春樹の原作をインバル演出が昇華させたことを考えると
これまた
舞台は演出家で決まる
ということを改めて感じた1日だったのです。
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