映画『のぼうの城』

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元旦はファーストデイ、今日はレディースデイということで、
2日で3本も映画観ちゃいました。

まずは評判が良くて観たかった『のぼうの城』。
「のぼう」というのは「でくのぼう」のことで、
武士だというのに武術にも戦術にも長けず、呑気で
でもここぞ!という時には才を現し、周りから慕われる
成田長親(野村萬斎)のお話です。

闘いものは基本的に好きではなく、
敵が撃たれて倒れたからといって「やった〜!」と喜ぶ気にもなれないので、
最初は「あ〜、やっぱ苦手かも…」と思いながら観ておりました。

でも、その中で、人の心を読んだり、どういう人材を配置するか
心理戦が大きな鍵となっているところが面白い。

豊臣秀吉2万の軍に攻め込まれれば、500人では到底無理だと
降伏を決め込んでいた城主。
「一戦もせずに開場せよ」とのぼうに命じて、北条氏の元へ。
のぼうも納得して、豊臣からの使者・長束正家を迎え入れるが、
正家の傲慢な態度に、思わず「闘いまする」と言ってしまうのです。

これね、石田三成が使者を正家に決めた時、大谷吉継(山田孝之)が
「正家は強きものには弱く、弱きものには強い男ぞ(別の者の方がよい)」
と箴言するのだけど、
三成は「だから正家にしたのだ」と言うの。
圧倒的な勢力だから勝つのは間違いなしで、
手柄を立てたい三成は戦にならないと困る。
そこを狙って敢えて正家を送り込んだということ。

あと最大のクライマックスの、のぼうの舞いのシーン。
ここも、ウツケのように振る舞っていながら、
実はどういう結果になり、それが領民たちにどう作用するかを計算した上での
命がけの大勝負。

他にも、強い武士が百姓たちに「闘うぞ!」と言っても士気はあがらないのに
のぼうが言うと「仕方ないなあ、手伝ってやらねえとな」
という感じに立ち上がる。
結局はのぼうの人柄で領民が集まり、団結し、城を守り通したということ。

ぶっきらぼうな丹波(佐藤浩市)は馬を駆る姿が勇ましく、
戦好きの和泉守(山口智充)は太い声と大槍使いが見事!
策士・三成(上地雄輔)、演技素晴らしいじゃないの!
甲斐姫の榮倉奈々ちゃん、sasaは苦手です。

公開が遅れた理由である水攻めのシーン。
きっと日本全土があの日のことを思わずにはいられません。
1年経ったからといってあまり状況は変わっていませんが、
実はあの直後にあった『ガリバー旅行記』に同じような水のシーンがあり、
その配慮の無さに失望したので、こちらはさすがに邦画だなと思いました。

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