阿佐ヶ谷スパイダース『はたらくおとこ』


■日時:2016年11月23日(水・祝)18:00 1時間20分休憩なし
■会場:キャナルシティ劇場
■作:長塚圭史
■出演:中村まこと、池田成志、中山祐一朗、伊達暁、松村武、
池田鉄洋、北浦愛、富岡晃一郎、長塚圭史

これまでことごとく玉砕している長塚作品。
いつもエグくてグロくて気分が悪くなる…と言いながら
レビューはいいし、今回こそはと期待してしまう。
特に今回は、みなさんが「笑いの渦」とか書いてるし
もしかしてもっとすっきり明るく楽しめるのかもしれない。

が、いくらか軽かったとはいえ、気持ちの良いものではなかった。

2004年の初演と同じメンバーで12年ぶりに再演。

どうも、当時はフィクションだったものが、
今や現実を超えてしまったらしい。

以下ネタバレです。

前半こそ、仕事のないのんびりしたリンゴ園でのやりとりなものの、
中盤から、毒性の強い農薬、それを誤飲して血だらけになるおとこ。
何やら運ぶだけで大金をもらえるトラックの荷物。
その荷台は決して開けてはならない。

など、とにかく不穏。

農薬にしても、バケツの中身にしても、もともと人間が作りだしたもので、
作った人間がそれに報復されるという辺りが、現実世界・震災を超えたということか。

最後に残った2人がそのバケツの中身を捨てず、残さず、「食べる」という行為に出る。
人間が作りだした悪魔の始末を自分がつける。
アメーバのような液体をべちゃべちゃむさぼる姿はとにかく気持ち悪い。
そして、その中にリンゴをみつけ、これこそが探していた味だと言う。

舞台上がもうぐちゃぐちゃな状態なところで突然暗転し、
どうも夢オチだったらしい。
大罪を犯した夏目(池田)を茅ヶ崎(山本)が「赦す」と言い、
またみんなでリンゴを作ろうという前向きのようなハッピーエンドのような
よくわからないエンディングにポカン。

ネットでは称賛レビューが多いから、sasaの理解力が足りないのかなあ。
何度トライしてもわからない。
役者陣はみなさん渋くてカッコよかった。

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