演劇『1984』

■日時:2018年5月3日(木・祝)17:30 上演約2時間
■会場:新国立劇場 小劇場
■出演:井上芳雄 ともさかりえ 森下能幸 宮地雅子 山口翔悟 
神農直隆 武子太郎 曽我部洋士 堀元宗一朗青沼くるみ 下澤実礼 本多明鈴日

楽しいメリポピの後で、こちら。
う~ん重たかった。

党によって規制され、家には監視カメラが設置された世界。
それに反逆すると、特別室に連れて行かれて拷問。
ちょっと組曲思い出しますね。
この拷問シーン結構きつい。
悶絶するウィンストン(王子)。こういうの上手だもんね。

「2+2は?」

「4」

違う!→拷問

「2+2は?」

「4」

違う→拷問

こうなってくると、だんだん何が正解かわからなくなる。
もう拷問さえなくなればなんでもいい。
正しい判断が出来なくなる。

ウィンストンは結局、その政党に改心し、
そこに落ち着き、最後には「ありがとう」とさえ言う。

最近ねえ、街中に監視カメラ多いよねえ。
エレベーターで鏡とか見てる時、
「あ、これってカメラで見られてる?」って思うし、
街歩いてる時も、どこにカメラあるかなあって確認したりして。

難しかったので、パンフを買って読んだんだけど、
興味深かったのは
「統制されたこの1984の世界は幸せか」
を議論すると、必ず「幸せ」の方が勝つらしい。

監視されること、プライバシーのないことは精神的に嫌でも、
それが犯罪がなくなる、とか、統制が取れる
とかいう理論には負けてしまうらしい。

こういうことっていかにも起きそうよね。
犯罪者にはGPSを埋め込もうとか、
それって倫理的にいいの?
山手線の車両にも監視カメラ設置って。

犯罪はトイレで仕込まれるとかいうデータが出たら、
もしかして、駅のトイレ内にはカメラ設置とか?

最近の事件がカメラのおかげで解決してるのは事実だけど、
狂気の世界にはいかないようにしないと。

お芝居セットの模型。
途中、王子とともさかりえちゃんが、
「ここは監視カメラないから」という部屋に移動して
舞台から消えてしまい、映像だけが映る。

観客はここで、なあんだ、映像映して王子たち少し休憩ね、
って思うんだけど、
最後に奥のカーテンがあって、
王子たちはそこで演じてたことがわかる。
それを観客たちはカメラで監視してたってこと。
ゾッとしたよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Post Navigation