野見山暁治講演会「なぜ絵を描き続けるのか?」

以前のお仕事でセンスがよくて大好きだったデザイナーさんが
「野見山先生から学べるので九産大にしたんです」
と言ってたことがあって、
注目していた画家さんです。

先述の展覧会に行ったのも
この後援会が目当てでした。

御年98歳。
よろよろしながらも意志のしっかりしたお姿。
さすがに2時間話し続けるのはきついだろうなあと思ったら
学芸員さんとの掛け合いでの講演会でした。

テーマは「なぜ絵を描き続けるのか?」
最初は「どうしてでしょうねえ、特に理由なんかないですよ」
みたいなスルリと逃げられます。

学芸員さんの質問にもゆっくり長い時間かけて
お返事されるのでお話も上手みたい。

東京在住だけど糸島にもアトリエがあって
数年前までスキューバもされていたという。

先生への質問が募集されて
sasaも書いてお渡ししました。

絵を見るのは大好きなのに
まったくもって絵の才能の無いsasa。
物を見たとしても、それを描いてもカタチにならない。

「物をみてササッとカタチの取れる人と
なんとも描けない人との違いはなんでしょう?」

学芸員さんが質問を採用してくれました。

その直前のお話が、画家の名言で
絵の上手な人は物を見ている、下手な人は眺めているだけだ
みたいな言葉からの流れで取り上げてくれた質問でしたが。

先生の答えは
モノを描けばいいというものではない、
モノの力をいかに表現するのかが大事。
絵を描くというのは、持っている力がどうやって出るかの訓練。

う~ん、回答のレベルが違っていました。
sasaにとっては、どうして見たものをうまく描けないんだろう
という素朴な疑問だったのですが、
先生には「カタチが取れない」の意味がわからなかったのかもしれません。
カタチが取れるなんていうのは当たり前のことで、
それが良い絵かそうでないかの違いとは?
に話がレベルアップしていました。

最後はこれからの夢は?
みたいな質問になって、
「絵とは何かという答えをみつけて描き続けている」
というなんとも素晴らしい着地。

前々偉ぶったところがなく
ふわりふわりと交わしているようで、
でもきっと最後はちゃんとテーマの答えを用意してくれているという
先生の頭の良さと優しさを感じました。

講演会前にロビーでいただいた白桃パフェ。
簡易なカフェですが、そこはホテルオークラのお店。
派手さはないけど、ものすごく美味しかった。

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