
※ネタバレありますので、未見の方はご注意※
■日時:2025年12月13日(土)13:00
1幕1時間10分 15分休憩 2幕1時間20分
■原作:アントン・チェーホフ
■脚色・演出:永井愛
■出演:
溝端淳平 川添野愛 玉置玲央 亀田佳明
大西礼芳 加治将樹 岡田地平 ホリユウキ
水野あや 石井愃一 佐藤誓
♢あらすじ♢
1880年、モスクワのある新聞社に、セルゲイという元予審判事が
「狩場の悲劇」という彼が実人生で遭遇した殺人事件を題材にした小説を持ち込む。
まだ読んでいないと言う編集長に、セルゲイは勝手に小説を語り始める
はじめての二兎社でした。
とても台詞がわかりやすく面白かった。
戯曲ではない小説を台詞で成立する芝居に仕立てる。
見事だなあ。
舞台セットは同じままで、
新聞社の中だったはずが、その横で小説が始まり
観客を引き込んでいく。
「いやいやここでやってもらっちゃ困るよ」みたいなツッコミを
編集長が入れることで、観客と小説の世界の遠さが
なんとなく薄まっていく。
この編集長、いい感じで現実と小説をいったりきたりするんだなあ。
以前『尺には尺を』で拝見しているようですが記憶なし。すみません。
溝端くんが主演ですが、ラストの展開といい、準主役のようでした。
今回のお目当てといえば玉置さんでしたが、
チャランポランな伯爵役で、
まあそれなりに似合ってましたが、
パリッとデキる男役でなかったのが残念。
溝端くんはさすがでしたねえ。
お芝居いいわあ。
役者さんたち皆さん良かったです。
門脇麦ちゃん、降板でしたが、遜色なく。
まあ麦ちゃんだったらもっと愛らしく憎たらしかったかも
というのは残念。
ラストで登場人物たちが全員集合して
「お前がこの話書いたんじゃないか!」と不満を言い出し、
え?って思ったところで
編集長がチェーホフとなり
登場人物たちが遠くなって、チェーホフがクローズアップして
今「桜の園」を書いているんだが…と
作家の苦悩を語る。
最後にこんなもう一周外の縁取り入れてきたかあ
とゾワっとした。
客席みなさん動揺してた。
驚いたわあ
そして感嘆したわ。
小説ではこの設定はないらしいので、
永井さんのオリジナル。
クリエイティブだなあ。

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