やっと集中して観ることができました、王子の『組曲虐殺』。
壮絶な人生を歩み、拷問で殺された多喜二を
その強烈な部分だけに焦点を当てるのではなく、
笑いも涙もある普段の日常を温かい気持ちで描いてありました。
教えていただいた三浦綾子作『母』を読んでいただけに
登場人物やストーリーはすんなり理解できました。
『母』にも何度も書かれていたように
とてもとても心優しかった多喜二。
王子自身もインタビューで答えていましたが
「どうしてあんなに優しい人が命を落とすまでの拷問に耐えたのかわからない」。
多喜二がユーモアが好きで、優しいのはもちろん、
多喜二を追う警官2人組も人間的に悪い人ではなく、
登場人物6人に誰も悪人はいません。
昔懐かしくおだやかな世界の中で、
石原さとみちゃんのはにかんだような笑顔も
小曽根さんのピアノ楽曲も、
全体が優しいからこそ、
冷酷な現実をどこまで受け取るかは
観客に任せたような気がします。
井上ひさしさんは人が大好きで観客を信頼してたのでしょう。
王子の歌はいつもと少し違いましたね。
圧倒的な歌唱力をみせるときっと浮きそうなので、
普通の役者さんっぽく歌っていたような…。
ミュージカルスターのきらびやかさを抑えて、
多喜二になりきることに集中していたというか…。
牢獄シーンでのあの熱唱では、喉大丈夫なのかしらと心配しましたが、
千秋楽まで無事につとめあげたわけですから、
そこはさすがはプロ10年目。
歴史で習った時点では、小林多喜二→赤→危険人物
のようなイメージを勝手に持っていて、
でも、社会を悪くしようとして活動をする人もいないはずだし、
悪意に満ちた思想に人がついてくるわけないし、
物事に対して先入観や偏見なく向かわなければなりませんね。
やはりテレビ画面ではなく、実際の舞台で、
役者さんと他のお客様と一緒にこの世界を共有したかったです…。
sasaさん、こんにちは!
ようやくご覧になったのですね!
あの歌い方は小曽根さんから「きれいに歌わないで!」と言われていたようです。
本当に喉は大丈夫なのかしら?と思っていました。
あの時代のことを何となく知っていたつもりでしたが、実際は想像以上に自由に意見も言えない悲惨な時代だったのだなぁと改めて知りました。しかもそんなに昔のことではなく、70年前くらいにあったことですよね。多喜二の恋人、田口タキさんは昨年の12月に亡くなったんですもの。
多喜二のことをもっと知りたいと思いました。
『「知る」ことにこそ意味がある
多喜二のことを知らなかった人の心にも深くつきささるように演じたい』
と芳雄くんのパンフレットの言葉でした。
牢獄シーンでの熱唱も、ちょっと抑えた歌唱も
王子の幅の広さを感じさせる舞台だったかな、と。
小曽根さんのピアノも含めて、まとまり感があるよね。
出演者全員の作品に対する愛情が感じられるような。
小曽根さんのピアノは、一度、ソロのライブに
行ってみたいなあ。
★hiroさん
喉を痛めそうな歌い方なので心配になりますよね。
この作品のおかげで、近づくことのなかったであろう小林多喜二のこと、
その時代背景や社会状況について知ることになりました。
私ももう少し理解を深めたくて「蟹工船」にチャレンジしたのですが撃沈。
小説は無理そうなので、SABU監督の映画で助けてもらおうかと
思っているところです。
★ややちゃんへ
最初に登場した時は少年のように無邪気でかわいく、
地下活動が本格的になると顔つきも変わってたね。
王子の歌はもちろん上手なんだけど、
こういう作品って歌が上手かどうかは関係ない気がする。
たどたどしい歌でも思いが伝わってくればいいもんね。
小曽根さんは響ホールでコンサートあるよね。
それもショパン。
長男、この1年くらいショパン続きだから聞いてみたいけど、
遊び過ぎの10月末です…。
小曽根さん、響ホールでコンサートやるんだ、知らなかった…。
ここは見ないふりかなあ、10月は既にいろいろ予定組んじゃったもんね。
小曽根さんのショパン、私もすごく気になるんだけど。
そうよお、響ホールっていう
「ちょっと離れてるけど行けないこともないところ」
ってのがまた問題なのよねえ。
でも、遠征の翌週の、落語の前日だもん。
さすがに遊び過ぎよねえ。