■会場:兵庫県立芸術文化劇場
■日時:2013年11月24日(日) 13:00(1幕90分 休憩15分 2幕70分)
■出演:井上芳雄、辻萬長、木野花、大和田美帆、石橋徹郎、松永玲子、
小椋毅、土屋良太、田村勝彦、大久保祥太郎、みのすけ ほか
王子、お見事!立派です。
sasaあまり宮沢賢治のこと知らず、
てっきり貧しい苦労人かと思ってたら
いいとこの坊ちゃんだったのね。
志は高く、気持ちは貴いけど、行動がついてかず、
質屋の家業を嫌だと思いながら、でも最後まで父親の庇護のもと。
自己矛盾の連続。
そんな賢治を王子は切なく愛らしく演じていました。
各シーン、長くじっくり相手と対峙します。
宗教を巡って父親と、
生き物の殺生を巡って商社マンと、
何故か急に近づいてきた伊藤と。
その度に、自己矛盾が露呈します。
そして、山男だの熊男だの人買いだの、
風の又三郎らしき若者だの、思い残し切符を渡す車掌だの
ほんとか嘘かわからない不思議な感覚になってきます。
賢治の話なのか、童話の世界なのか…迷いこむ。
こういうモチーフは、賢治の童話を知っていれば
もっと楽しめたんだろうなあ。
花巻弁も最初はよく聞き取れず、ずっとこれだとキツいよなあ
と思ってたら、だんだん問題なく聞き入ることができるようになります。
なんといっても、王子の花巻弁のかわいいこと!
ベコ(牛)の気持ちになって語るシーンなんて、
一緒に牛の気持ちになってしまいましたよ。
妹との仲の良さも嫉妬したくなるほど。
そしてその花巻弁が賢治の稚拙さとピュアさをアップしています。
ナイロンからみのすけさんと松永さんご出演だったのも嬉しい。
お二人とも、普通にしゃべっても可笑しみがあるのが素敵です。
台詞の量も膨大で、それを全くよどみなく進める王子。
素晴らしい!に尽きます。
しっかり賢治になっていて、だからこちらも落ち着いてお話の世界に入り、
しっくり笑える。
もう1回観たら、もっともっと理解が進んで楽しめたはず。
じっくり味わいたい作品でした。
東京の芳友さんが、最初に観た日は芳雄くんの花巻弁が心地よくてウトウトしてしまったとか・・・笑
3回、4回と観ていくうちにこのお芝居の良さがわかってきたと話してくれました。
もう一度観たいと思っていたところ、1月4日に放送があるみたいですよ。
あの膨大な台詞!1回1回が必死で精一杯。終わればクタクタ・・・ということです。
あと3公演、賢治を駆け抜けてほしいです。
★hiroさん
精一杯感なんか微塵も感じさせない賢治でした。
九州男児とは思えません。
お話自体はほんわりしてるので、睡魔が襲ったのも確か。
放送情報もありがとうございます。
もっと深く楽しめることはわかってても理解不十分。
自分の観劇能力がまだまだだなあと実感します。