Category Archives: ミュージカル・お芝居

映画『レ・ミゼラブル』3回目

20130101-230236.jpg
3回目の『レ・ミゼ』新発見もあり、新たに疑問も湧く。
だんだんストーカー?小姑?化してるけど、メモ行きまっせ〜!

*ツーロン
あれだけの大きな船を人力で動かすところで
馬車馬のように使われてきた過酷労働の重みがきます。
バルジャンの頬もこけてゲッソリしてます

*仮釈放
山上を歩くシーンが服装といい、杖といい、巡礼の旅のイメージ。
十字架も2回登場します。
きっと宗教観がわかればもっと理解が深まるのだろうなと思う。

*『独白』
バルジャンが自分を恥じ、苛立ち、生まれ変わり宣言までの感情の昂りに
フーパー監督の、歌を別録りではなくライブにした手法が効いてます。

*工場
・ファンテを追い詰める女工さんの中に特に際立った、表情が怖い方が!
 ファンテを追い詰めているけど、自分も全く余裕がなくギリギリなのだろう。
・ファンテがもめた時、マドレーヌがどうして助けなかったかがわかりやすい。
 着任の挨拶に来たジャベールが視界に入ったから。

*波止場
・ファンテが歯を売る時、横から女がすかざす「奥歯におしよ!」と言う
 確かに前歯だと映画的にも困るもんね。
・ファンテがバルジャンに唾を吐いた後、両手でこぶしを握ってガードの姿勢。
 まるで本能のようだけどこれ演技?演出?すごい!

*バルジャンとジャベールの対決
う〜ん!やっぱりバルとジャベの声の尖り方が逆だなあ。

*宿屋
・曲の出だしがフランスを意識して少しシャンソン風アレンジ?
・テナルディエ夫妻(ヘレナとサーシャ)は美男美女過ぎ。
・さらにテナの歌はゲス野郎のキョーレツな個性であって欲しいのに
 いささかフツーのマイルドモード。
・今までテナ夫人は旦那のことを「慰め上手が聞いてあきれる〜♪」で
 うまいこと言うばっかりで愛想尽きてるけど、腐れ縁で一緒にいるのかと思ってたの。
 でも、そんな愚痴を若者の膝で言いながらお金をくすねて旦那に渡し、
 今回は旦那に向かって「愛してる♪」と言うシーンも発見。
 あら、実は旦那のこと好きだったのね。

*Stars
先日のややちゃんの指摘「歌のわりに背景が壮大すぎる」。
確かに、広がる空&眼下に広がる町並みもだし、背景に大きなワシの像を配したりするのよ。
華やかで鋭く高らかに歌い上げてくれれば背景も活きるというもんだけど、
なにせ、あのくぐもった声でマルッと歌われるとなあ。
この歌、ジャベの最大の見せ場だし、ファン多いからハードル高いよねえ。

*エポが好きなのは
・ミュージカルで「その髪好きだわ〜♪」が「話し方が好き」に変わってましたね。
マリウスは憧れの存在であり、髪を触れるほど近しい間柄ではないみたい。
ここ、エポにからかわれてるんだと思って軽くイラッとしてはらいのける
マリウス禅さんが可愛かったのが思いだされる。

*アンジョとマリウスの演説シーン
・おじいちゃんは最初馬車からマリウスの様子を伺い、下りてきて叱る
・インテリ学生マリウスにうっとりするエポ

*マリウスとコゼットのひと目惚れ
声をかけられても、もめ事が起きてても、相手しか見えてない
2人のアンポンタンぶりがいいねえ。
マリウスなんて、口をぽか〜んと半開きのままで
「うわ〜なんて可愛いんだあ!!!」が表情だけで伝わるもんね。
その後「あの娘を探してくれ」と言われて、
大好きなマリウスが喜んでくれるならとソワソワするエポが切ない。

*ABCカフェ
REDとBLACKの認識からはき違えてるマリウスに険しい視線を送りながらも
責め立てたりはしないアンジョ。
アンジョはいろいろ思うところがあるだろうけど、
学生たちそれぞれのいい所を認めてる感じがするね。
さすがはリーダー。
コゼットが去って戻って来たマリウスも嬉しそうに迎える。
グランテールはアンジョ崇拝のためか赤系のジャケットでみつけやすい。
*追記:ここ、ウソ書いてました。グランテールは白シャツにグレーのベスト
とはいえ、先ほどの演説シーンではアンジョのジャケットは紫なのだ。

*ワンデイモア
このシーンについては、映画が上回っていると思う。
バルジャン、コゼットとマリウス、エポ、学生たち、テナ夫妻…
それぞれの大事な明日を迎える様子を立体的に華やかに見せてくれる。
それがこちらにも積み重なって、感情が高まる。

1幕だけでこんなに長くなったので、2幕はまた次回。

是非お願いしたいのは、やっぱりワンデイモアで幕間入れて欲しいよね。
条件反射的に、拍手喝采して、さあトイレ!っていう体になってるんだもん。
それに、中盤からトイレ組続出で、忙しないのです。
それも「オンマイオウン」とか「カフェソング」とかありえない所で席を立つ
のでガックリくるよ〜。
こちとら、1曲も聞き逃せないので、トイレは我慢するのみ!
さらに全身全霊で観ていますので、体力的にも休憩が欲しい。

『スウィーニー・トッド』情報

一昨日、ホリプロメルマガが届いたんですけどね、
『スウィーニー・トッド』でちょっとハテナ?
ソニンはアメリカ行っちゃうから、次のジョアンヌ、誰がやるのかなあというのが
気になっていたんですよ。

プリンシパル部分をざっと見ると
市村正親
大竹しのぶ

芳本美代子
柿澤勇人
安崎求
斉藤暁
武田真治

市村・大竹ラインは不動として、
え?
・・・
他に女性はみっちょんしかいませんけど…。
そもそも、今、「芳本美代子=みっちょん」と認識できる人は
どんだけいるんだ?
アイドルの時も歌は印象にないなあ。

柿澤くんはスター街道まっしぐらですね。
万里生くんのアントニーですから。
確かに身体はしなやかで、お顔もきれいだもんね。
ヨシヒコでDV夫なんてやってる場合じゃないよ。

ソンドハイムの難解なメロディーにのせて
オペラ歌手のように、小鳥のように歌うソニンに感嘆しただけに、
余計なお世話だけど不安を感じる。

映画『レ・ミゼラブル』2回目

20121224-221032.jpg
早くも2回目行ってまいりました。
また新たな発見続出で、今まで理解してたんだかどうだか自信なくなる…。
※今回、前回以上にネタバレありです。ご注意ください。

CDやミュージカルではなんとなく音楽と感情に流されたまま
きっちり抑えてないようです。
それが字幕でしっかり提示されるのでクリアになりますね。
CDはロンドンキャスト版も東宝版も両方しっかり聴き込んでいるにも拘らず、
バルジャンの囚人番号が日本語では「24653」
英語では「two・four・six・o・one(24601)」
であることに初めて気付く。

ジャベールが牢獄で生まれたことについても然り。

原作には書かれているのかしら、
子どもの頃に読んだきりなのでおさらいしなくちゃ。
*ファンテーヌは髪だけでなく歯も売る
*馬車の下敷きから助け出した男が、後にバルジャンを救う
*ガブローシュが住んでいる象の塔
*マリウスのおじいちゃん。
*コゼットの落とすハンカチ

舞台版との違いを認識できたのは
*マリウスの手紙を届けるのがエポではなくガブ
また、パリの貧困の様子、ガブローシュはじめ孤児たちの様子、
『ワンデイモア』の闘い前夜の各人の状況は映画ならではわかりやすさ。
街を駆け抜けるガブローシュの「follow me!」も効いてます。

その他メモ
*司教さまはミュージカルの美しい声よりも、
 少ししゃがれた声も年齢もイメージぴったり。
*バルジャンがコゼットを森から連れ帰る時、コゼットはお店の人形を見やり、
 バルジャン買ってやるのかなあと思いきや素通り。
 どうしてかなあと思っていると、実はバルジャンは事前にちゃんと用意していた
*司教さまの許しを得た時とコゼットを引き取った後の2回
 バルジャンが生まれ変わりを宣言するのはどちらも教会
*コゼットとマリウスの出会いの、お互い相手のことしか目に入らなくなっている、
 ひと目惚れのわかりやすさ
*プリュメ街のコゼットが門の前に姿を現すシーンの美しいこと!
*バリケードは市民たちが家具を落として作る
 →ジャベの言う通り、学生のやることの脆弱さ
*エポは体に晒を巻いて男装する
*闘いに散ったガブの胸にジャベが勲章をつける←ラッセルのアイデアらしい。
*下水道シーンのバルジャン、お祭り?と思うほどの顔に泥。
 イケメンの面影ない汚れ。あっぱれ。
*バルジャンの告白を聞く時、そんな深刻な話だと思わず
 ニッコリして聞き入るマリウスの無邪気さ
*バルジャンは慌てて荷造りする時も最期のシーンも
 司教様にもらった燭台を傍にしている。

やはり今回もマリウスいいわあ。
特にささやき歌がよい。
『プリュメ街』後半と『恵みの雨』の出だし。
エディ・レッドメイン、以前『美しすぎる母』で拝見してましたが、
(実は『ブーリン家の姉妹』でも)こんなに歌がよいとは!
調べてみると、ほんとにいいとこのお坊ちゃまで、
イートン校で学び、ウィリアム王子と同級生なんですって。
品の良さは表れるものね。

舞台ならずとも2回目は感動の波は強く、
『夢破れて』にはさらに感動!
ファンテーヌ、舞台で某演出家さん夫人がされた時、全く泣けず
今まで一番感動したのは岩崎宏美さん。
でもアン・ハサウェイはそれに劣らぬ、いやそれ以上の素晴らしさです。

そしてラストが前を向いて力をもらえるのは
ファンテーヌも群衆の中にいて『民衆の歌』を高らかに歌い上げるからなの。
口をキリッと結んで勇ましく、すっきりと。
その横にはバルジャンもいて、2人とも清々しい表情。
決して幸せだったとは言えないんだけど、
2人が何よりも望んでいたのはコゼットの幸せであり、
それが叶った今は本当の心の平穏を持てたのではないでしょうか。

2回目!

20121224-091532.jpg
次男とデート♪

映画『レ・ミゼラブル』

いよいよ公開ですので、いってみよ〜!
ネタばれ大いにあり!なのでご注意を。

まず最初に申し上げますが、
ミュージカルとイメージ違ってガックシ…なんてことはないので、
安心して観てください。
シーンとシーンのつなぎもすごくうまくできていています。

☆キャストさんたち
○バルジャン:ヒュー・ジャックマン
かっこよすぎでしょ~!無駄にかっこよいバルジャン。
でも、映画は顔アップだから目の保養になるわ。
コゼットとも歳の離れた恋人に見えなくもない。
コゼットがマリウスに恋して「グスンっ」としてるところなんて
可愛らしいです。

○ファンティーヌ:アン・ハサウェイ
工場シーンではピンクのドレスなんか着て、どう見ても美しくて浮いてるので
大丈夫か~!?と思いますが、実際、その後の変化ぶりは凄まじいですよ。
この役にかける気迫がみなぎっています。
それだけに『夢やぶれて』が泣けます。
ファンティーヌ、難しい役だと思うのに、アン・ハサウェイすごいです。

○ジャベール:ラッセル・クロウ
シャープさがいまひとつかなあ。
ちょっとぼよよ~んとしてるんだもん。
もっと鋭いナイフのようなジャベールがよいなあ。
名曲『Stars』も弱かった。

○マリウス:エディ・レッドメイン
わたくし、今回はマリウスイチオシ!です。
品の良いいいとこのぼっちゃんイメージぴったりで、
その上、なんといっても歌が良いのですよ。
アンジョたちが「市民のために闘うぞ」と言ってる横で
「コゼット~♪」と浮かれているという、なんとも情けないキャラだけど、
このマリウスはそれでも好感がもててしまう。

○コゼット:アマンダ・セイフライド
『プリュメ街』の高音もきれいなのですが、
『マンマ・ミーア』にも出ていただけに、
ちょっとヤンキーなアメリカン娘のイメージが。
箱入り娘のお嬢様というより明るく元気なギャル?

○マダム・テナルディエ:ヘレナ・ボナム・カーター
『英国王のスピーチ』では久しぶりにヘレナのフツーの姿を見ましたが、
最近はこういうキワモノが違和感なくなってきたから不思議です。
あんなに上品なのにね。
はい、もちろんぴったり全開でやり遂げてました。

○テナルデイエ:サシャ・バロン・コーエン
ミュージカルのテナルデイエはずんぐりむっくりのイメージだったけど、
今回は背高のっぽさんなのが新鮮でした。

○エポニーヌ:サマンサ・バークス
エポニーヌの重要性が舞台よりも薄めでした。
映画ではコゼットの方がメインです。
やはりそちらの方が万人にわかりやすいからかもね。

○アンジョルラス
ハンサムなのですが、少し線が細目。
もう少したくましく頼りがいのあるアンジョだとよかったな。
仲間たちを率いるというより、溶け込んでましたもの。

○ガブローシュ
泣かせます。
弾を拾いに行って打たれ、最期にカバンを投げるシーンはありませんでした。

☆こう来たか~!
○オープニング:壮大なスケールの船のシーンでスタートします。
ミュージカルでは、囚人たちが狭い世界をぐるぐるまわってるイメージだったので、
ここかなり衝撃的。

○バリケード:最初意外に小ちゃいのであれ?
アンジョのあの大事なシーンはどうなるんだ?と見てましたが、
ほ~こうなるのか~。
あのイメージは残しつつ、違う展開なのでお楽しみに。

○ラスト
最後はバルジャンの悲しいシーンから全キャストの『民衆の歌』に移るわけですが、
ここもうま〜い具合に移行します。

☆新曲
バルジャンがパリに馬車で向かうシーンで聞いたことのない曲が…。
まさかsasaの知らない曲?と心配になるも、
いえいえ新曲『Suddenly』でした。

☆舞台じゃないよ、映画だよ。
どうしても『宿屋の歌』のところとか『ワンデイモア』とか
終わったタイミングでいつものように拍手喝采したくなってしまうので、大注意!

いちファンの素人が心配しなくても、その道のプロがちゃ~んとアイデア出して
ファンの期待を裏切らない、納得のいく設定にしてくれているものです。
それにあれだけの名曲の数々があれば、感動しないわけがない!
音楽の力の強さを実感しました。