Category Archives: ミュージカル・お芝居

サルメカンパニー第十回公演 『サルメ版 黒い十人の女』


■日時:2025年8月12日(火)14:00
       8月13日(水)16:30
■会場:シアター風姿花伝 自由席
■出演:
那須凜(劇団青年座):新劇女優、石ノ下市子
小黒沙耶(サルメカンパニー)
阿岐之将一(ワタナベエンターテインメント):印刷会社の跡継ぎ、三岸三郎
井上百合子(演劇集団円):コマーシャルガール、四村塩
西村優子(サルメカンパニー):テレビ演出家志望のAD、後藤五夜子
投元ひかり:テレビ局事務、虫子
遠藤真結子(サルメカンパニー):テレビ局衣裳部、櫛子
近藤陽子(劇団AUN・劇団晴天):エレベーターガール、八代
鈴木彩葉:テレビ局受付、七重
平佐喜子:脚本家、十糸子
松原もか(オールウェーブ・アソシエツ)
遠藤広太(サルメカンパニー)
丸山輝
柴田元
松戸デイモン(MADカンパニー)
石川湖太朗(サルメカンパニー、クリオネ)

あいしゅん(guitar)
藤川航(sax)
河野梨花(drum)

今回の遠征の目的はこちらです。
以前ドラマで観たことある「黒い十人の女」
その時は船越英一郎さんが10股かけてる夫役を演じてた。

時代は昭和。
華々しいTV業界のプロデューサー松吉風。
「風」という名の通り、ふわりふわり飄々と
女たちの間を渡り歩く。
女たちは風に妻がいることも、
妻は風に9人の愛人がいることも知っている。
中には親しくしている愛人さえいる。

そんな風を石川湖太朗さんは
軽薄で薄っぺらで、でもとにかく優しく
憎たらしくも愛されキャラで演じている。

ヒトラーの卑屈で冷酷なゲッペルスとは真逆だね。

奥様・双葉役の小黒さんがこれまたよくて
和服が似合い、ママ感もあって、
愚かな風を愛している。
二人の姿は本当に夫婦のようでした。
「あの人を完全に自分のものにできる人があるなら、
あげたっていい」
泣かせるねえ。

風も、双葉が死産で埋めなくなった時、自分も産めなくしている。
これを聞いた時ははただの優しさでなく、やはり妻が最愛なんだ
と思ったのだけど、
後から市子を口説く時に
「すぐ治せるって医者が言ってた」って。
な~んだ、その程度の覚悟だったのね。
やっぱり薄っぺらい。
「誰にでも優しいってことはね、誰にも優しくないってことよ」

「テレビは終わるわけないでしょう?」
昭和が終り、平成を過ぎ、令和となって、
なんとも苦笑してしまう。
当時は花形だったエレベーターガールも
ほぼ消滅してるしね。

これから先もどうなるかなんてわからない。

最終的に女たちは風を殺すのではなく
社会から隔絶して生きる目的をなくして抹殺した。
一方、女たちはそれぞれの道を進んでいく。

幕間はダンスと歌で休憩なし

きむすば劇場2025『オートリバース』

■日時:2025年8月12日(火)19:00
会場:こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
■作・演出:小林賢太郎
■出演:木村昴 浅沼晋太郎

遠征のここだけ空いてまして、
なにかないかなあと探してましたら
なんと「小林賢太郎」さんのお名前発見!
活動されてたんだ。

木村昴さん、大河でおみかけしてましたが、
ジャイアンなの?
浅沼さん全く存じ上げませんでしたが
お二人とも人気の声優さんなのですね。

オムニバス形式でミニコントが続き
二人ともずっと出づっぱり。
衣装替えもステージの左右に分かれて
客席から見える状態でおしゃべりしながら進みます。
この合間の会話も面白い。

公演終了までネタバレ禁止なので内容は書けないのですが、
ずっと笑いっぱなしでした。
特にね、あるスポーツ関連のコントが
ご本人も「どうして小林さんがあれをやれと言ったのかわからない」って
言ってたように、意味わからないし、
でも、それをちゃんとカタチにして成立させたのすごいわ。

小林さんの作品もっと見たい。

*会期終了後の追記:
・声優棒
・自由人と会社員
・肖像画と屋敷の執事
・囚人と刑務官
・審判と選手
・弟×兄
・ラジオパーソナリティー×リスナー

ミュージカル 『ダンス オブ ヴァンパイア』2回目

■日時:2025年7月28日(月)13:00
■会場:博多座3階B列サイド
■出演
クロロック伯爵:城田 優
サラ:フランク莉奈
アルフレート:太田基裕
シャガール:芋洗坂係長
レベッカ:明星真由美
ヘルベルト:ジュリアン
マグダ:青野紗穂
クコール:駒田一
ヴァンパイア・ダンサー=伯爵の化身:加賀谷一肇
アブロンシウス教授:武田真治

前回と違うのは伯爵と化身です。
前回の祐様がロングトーンも素晴らしくてよかったですが
城田くんもとってもよかった。

特に抑えがたき欲望が聞きごたえあったわあ。
GQ組の加賀谷さん化身もよい。

やっぱり楽しいヴァンパイア

ミュージカル 『ダンス オブ ヴァンパイア』


■日時:2025年7月25日(金)13:00
■会場:博多座3階C列サイド
■出演
クロロック伯爵:山口祐一郎
サラ:フランク莉奈
アルフレート:太田基裕
シャガール:芋洗坂係長
レベッカ:明星真由美
ヘルベルト:ジュリアン
マグダ:青野紗穂
クコール:駒田一
ヴァンパイア・ダンサー=伯爵の化身:佐藤洋介
アブロンシウス教授:武田真治

ヴァンパイア・シンガー:
川島大典 岡 施孜 桜雪陽子 坂口杏奈

ヴァンパイア・ダンサー:
吉﨑裕哉 酒井 航 渡辺謙典 水島 渓
渡邉春菜 小石川茉莉愛 藤田実里 堂 雪絵 畠中ひかり

アンサンブル:
さけもとあきら 麻田キョウヤ 伊藤俊彦 森山大輔 天野翔太 川口大地
折井理子 千葉由香莉 小林風花 今野晶乃 宮内裕衣 森下結音

SWING:髙田実那

シャオチャンいれば最高だけど
推しがいなくても楽しいのがTDV
お祭りのようなもんですからね。

今回一番良かったのが祐様クロロック。
とても声が出てた。
声量もパワーアップ。
伯爵さまの存在感はやはり祐様ならではだ。

最初の「ガーリック♪ガーリック♪」から楽しいもんねえ。

アルフレートの太田くんは、オドオド感がよく合ってた。
やはりここは東くんのような立派な背格好より
ごく普通の方がいいね。
歌もまずまず。

サラのフランク莉奈は高音出るけど今ひとつ。
個人的にはサラはボリュームのある方がいいなあ。
ちひろちゃんとか沙也加ちゃんとか。

ヘルベルト、なんとまあへんてこりんなキャラ。
パンツ姿も気持ち悪くてよいわ。

Vダンサー好きにはたまらない
2幕「夜を感じろ」
あれ?シンガーはあんなにたくさんいたっけ?
「永遠」墓場がやけにあっさりしてるな。もう少し廃墟感が欲しい。

でその後の「抑えがたい欲望」
ここでの祐様の長いソロ。
あまりに長いから佐藤化身のダンスがあったとしても
途中で退屈しそうなもんなのに
歌だけでも惹きつけられて終始聴き入った。

城田伯爵も見たくて次回は城田くんにしたんだけど
どうなるかなあ。

カテコは振り指導がなくていきなりの会場総出のダンス。
が、3階席は着席限定され残念でした。
1階席には階段下りで見えないシーンも多く、
これがチケットのお値段の差だよなあ。

博多座『二都物語』


■日時:2025年7月11日(金)12:00
■会場:博多座E列
■出演:
シドニー・カートン:井上芳雄
チャールズ・ダーニー:浦井健治
ルーシー・マネット:潤 花
マダム・ドファルジュ:未来優希
エヴレモンド侯爵:岡 幸二郎
バーサッド:福井貴一
ジェリー・クランチャー:宮川 浩
ドファルジュ:橋本さとし
ドクター・マネット:福井晶一
ジャービス・ロリー:原 康義
ミス・プロス:塩田朋子
弁護士ストライバー:原 慎一郎
荒田至法、榎本成志、奥山 寛、河野顕斗、後藤晋彦
砂塚健斗、田中秀哉、常住富大、福永悠二、丸山泰右
山名孝幸、横沢健司、彩花まり、石原絵理、岩﨑亜希子
音道あいり、樺島麻美、北川理恵、島田 彩、原 広実
玲実くれあ

TDVと同時発売で、
即完売のTDVに比べて苦戦してたので心配してました。
今日も満員御礼とはならず。

お話地味だもんなあ。

が、とても良かった。
作品というより、王子の素晴らしさよ。
もう第一声から素晴らしかった。
これが「レベチ」というものだ。

あの包み込むような歌声。

そして、今回は珍しく酔いどれのダメ男設定。

なので、酒場にいるシーンがとても新鮮。
酒場のシーンってよくあるけど、
まあサイゴンではちらっと出たけど、
普段は王子とは関係ないところで進行するシーンなので、
丸ごと入ってることは滅多にないもんなあ。

仕事自体は弁護士という立派な立場だから
相当飲んだくれで不謹慎じゃないと
「俺はルーシーには相応しくない!」にはならないもんね。

そして、浦井くんの若々しさには驚いた。
スーッと爽やかな青年が現れて、いやこれ20歳くらいに見えるわ。
あのキャラだからあんまりカッコいいとかいう感覚はなかったのだけど
浦井くんってかっこいいね。

常套の物語なら、
ルーシーもほんとはシドニーに心惹かれてるのに
流れでチャールズへ、ってことになるわけですが、
今回は若干先着順のようなところもあったものの
チャールズと相思相愛なのは間違いないよう。

それを温かく、さみしげに見守るシドニー。

チャールズについては、
そもそもおじさんの非道とは関係ないのに
親戚ってだけで逮捕されるもんなの?
とかは時代性とかお国がらとかの違いなのかなあ

未来優紀さん、圧がゾフィー
岡さんは、ネタか?と思うほどのピエロメイクなのに
最後はアンジョ体勢だったのがツボだった

チャールズとルーシーの娘をシドニーは我が子のように可愛がり、
寝る時は横に並んでお祈り。
チャールズ、娘、シドニーが並んだシーン
(ここで「今は子どものままで」だっけ?)
はたまらなかった。

で、みなさん同じだと思うけど、
今回演出の変わった青いマフラーね。
入れ替わるためには、マフラーもチャールズにかけようとしたものの
ルーシーからもらったこれだけは手放せない
と思い返すところ。

周りもハンカチ出したりすすり泣きしたり。

こんないい作品だなんて知らなかったわ。
たった1回しか観られなかったのが残念でならない。
みなさん感動してたものの、満席じゃないから
みんなが精一杯拍手してても、音が小さい。
素晴らしい作品なのでみんな見ようよ!
満席じゃないと再再演にならないからさあ。
次回もこの二人で観たい。