「ドクター・ホフマンのサナトリウム ~カフカ第4の長編~」

■日時:2019年12月14日(土)13:00
1幕1時間45分 15分休憩 2幕1時間半
■作・演出:ケラリーノ・サンドロビッチ
■出演:多部未華子、瀬戸康史、音尾琢真、大倉孝二、村川絵梨
谷川昭一朗、武谷公雄、吉増裕二、菊池明明、伊与勢我無
犬山イヌコ、緒川たまき、渡辺いっけい、麻実れい
王下貴司、菅彩美、斉藤悠、仁科幸
■演奏:鈴木光介(Tp) 、向島ゆり子/高橋香織(Vn)、
伏見蛍(Gt)、関根真理(Per)

ケラ天才です!
「キネマの恋人」に続き、最高でした。

カフカお馴染みの『変身』をはじめとした数々の短編小説と、
『失踪者(アメリカ)』、『審判』、『城』の
3本の未完の長編小説
(『審判』は途中が欠落、他の2作は文字通りの未完)
に続いて第4の遺稿がみつかった。
が、これも未完。
というところから始まるケラの挑戦。

その小説のストーリーと、
遺稿を発見して売ろうとする現代の男たちと
サナトリウムで療養するカフカ
の3つの時間と空間、現実と仮想が入り乱れます。
集中しないとわからなくなる。

が、とにかく全てが魅力的なの。
多部未華子ちゃんと瀬戸康史くんは若さの勢いが輝いてて、
初参戦の音尾さん、村川絵梨ちゃんが違う色を加え、
いっけいさんと大倉さんは味わいある笑いで、
イヌ子さんと麻美さんは余裕たっぷりに支え、
大好きな緒川さんは魔女っぽいのもこれまた良し。

役者さんは魅力的だし、
場面転換もわくわくドキドキさせられる。
階段のセットがメインで、それが舞台を動きまわって
驚きと感動。
セットを動かす人たちも黒子さんではなく
みなさん衣装着てるの。

プロジェクションマッピングはケラの得意技でしょ。

そこに今回は生バンド付き。
生の音というのは滋味があるのよ。

お話は交錯するからわからないし、
双子を演じた瀬戸くんは
結局兄だったのか弟だったのか
恋人同士はいつのまにかカフカと恋人に変わっていたり。

そこにはナチスとか戦争とか、
時代的に必須であろう闇も出てくるし、
ラストの恋人たちを阻もうとするのも
何かしらの悪の手。

オープニングとエンディングは同じ列車のシーンでの
瀬戸くんと多部さん。
最初は瀬戸くんが姿を消し離ればなれになったけど、
ラストでは手を携えて魔の手から2人で一緒に逃れて行きました。

このラストのおかげでsasaは救われた気がしたのですが、
この解釈が正しいのかどうかもわからない。

でもとにかく3時間半という長い時間を
観客を置いていくことなくグイグイ引っ張り
楽しませ続けてくれるケラの才能に万歳です。

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