録画『マディソン郡の橋』

衛星放送で毎日名画やってることを
この自粛期間に初めて知り、録画して観ている。
『マディソン郡の橋』はベストセラーになった当時に本は読んだけど、
あんな若造の頃では意味わからんよね。
というか、明らかに見方が変わっている。

大人のラブストーリーということだけど、
恋愛の部分は正直どうでもよくて
一番考えたのは自分の存在価値のようなところ。

最初のシーンで、メリルストリープ演じるフランチェスカは
家族のためにせっせと食事の支度をし、
「出来たよ~」と夫と息子、娘を呼ぶ。
3人は黙って席に着いてお祈りもそこそこに無言で食べる。
フランチェスカとしては、美味しい料理を作って
「さあどうぞ~」と家族に食べさせ、
「美味しいよ~」のひとこととか、
家族の笑顔とか会話を楽しみたかったのよ。

ここでふ~っとなる。

イタリアからアメリカにお嫁に来て、
最初は教師をやってたけど、夫の希望で専業主婦になり、
家の農園と家事が全ての日々。
小さな町だから、みんな知り合い、なんでもお見通しの狭い社会。

そんな平凡な日常の中、家族が4日間家を空ける。
そこにたまたま現れた、世界を巡るカメラマンの
ロバート(クリントイーストウッド)。
お話は刺激的だし、カッコいい。
それに比べて自分には話すこともない。

そんな憧れの人が自分に好意をもってる様子。
舞い上がる。お互い真剣な大人の恋。
ロバートも一緒に行こうと言ってくれたんだけど、
結局は行かなかった。
ひとときの恋愛だから楽しいのであって、
退屈だけど優しい旦那と愛する子どもたちを捨てることはできなかった。
この選択は正解だと思う。

でも生涯忘れられずに、
それぞれ2人の思い出である橋に散骨してもらう遺言を遺し、
結果的にはハッピーエンド。

この不倫って実際は自宅のベッドで愛人と過ごすという
ゲス不倫ですよ。
どれだけ叩かれても仕方がない。

が、途中フランチェスカが「誰からも必要とされてないの」
と言うシーンがあって、そこで「必要だよ」って言ってくれる人がいるのは
良かったねえと思ってしまう。

ほんと映画の見方なんて年齢や立場で変わるもんだねえ。
そして、正直ベタな話だし、中年男女の色恋話なのに
成立させるのは、やはりイーストウッドの手腕。

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