NODA・MAP 第26回公演『兎、波を走る』


■日時:2023年8月22日(火)18:00 2時間10分休憩なし
■会場:博多座 2階B列サブセンター
■出演:高橋一生 松たか子 多部未華子
秋山菜津子 大倉孝二 大鶴佐助 山崎一
野田秀樹

いつも難しいNODA・MAP。
どうしようかなあと思っているうちに
結局チケット合戦には歯が立たず、
ギリギリになんとかご縁をいただいたので
不安を抱えつつ行ってきました。
このメンバーですからねえ、行かないのは諦めきれない。

「兎、波を走る」って諺らしいです。
野田さんご自身も最初は知らなかったらしく、
この芝居を書こうとした時に
この諺が向こうから走ってきたらしい。

いつも3階席が定番ですので2階は珍しい。
博多座の2階は見やすくて結構よいです。

前半、高橋さんが走ってなにやら早口で叫びたおし、
こういうのって野田さんが遊眠社のとき
「舞台に風を起こす」と言いながらやってたことですが
あーまたこういう訳わからん内容かあ、と気落ちしてたら
高橋さんの台詞が「何言ってるかわかんないでしょ?」
だったので、そうか、ここはわからなくていいんだ、
と気が楽になった。

兎といえば「不思議の国のアリス」。
ただ、今回は兎(高橋一生)を追いかけるのは
アリス(多部未華子)ではなく
アリスの母(松たか子)。

アリスがいなくなって兎を追えばみつかるかと
走って探し回るのです。
ドタバタやってるうちに
「38度線」って声が。

え?

子どもが行方不明、探す母、38度線…

そしてはっきり「拉致」という言葉が出てきた。

さらに、兎は「アンミョンジン」と名乗る。

ゾーっとした。
そうか、そういうことか。

アリスが袋に入れられて船に積み込まれるシーンまであって
どんどん鮮明になっていく。
嫌な雰囲気が立ち込める。

お話はさらに劇中劇というフレームに囲われてて、
アリスは見つからず、何の解決もしないまま
母の悲しみを残したまま終わる。

拉致問題は何の解決もせず、
今は連日ミサイルを発射されても「遺憾です」しか言えず、
日本人の怒りはどこにもぶつけられず
やるせない気持ちが充満。

いや、拉致問題については
sasa自身も「そういえば…」みたいな気持ちになっているのは事実で
今後どんどん忘れられていくかもしれない。

野田さんのテーマは「不条理」。
うん、伝わった。

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