サルメカンパニー&クリオネプロデュース 『12人のヒトラーの側近』


■日時:2025年4月12日(土)13:00、14日(月)14:00
1幕90分、7分休憩、2幕90分
■会場:吉祥寺シアター (東京都)
■作・演出:石川湖太朗
■出演:國島直希 / 正木郁 / 石川湖太朗 / 松村優 / 近藤隼 /
浅井浩介 / 大西遵 / 柴田元 / 小島久人 / 遠藤広太 /
小黒沙耶 / 遠藤真結子 / 神農直隆 /
藤川航(sax) / Tomo Idei(drum)

パラドックス定数に続き、またお気に入り劇団をみつけてしまった。
それも福岡公演があるとは思えない(失礼か?)
今のところ小さめ劇団。
知ってる人は少数でも、才能ある人っているんだなあと思う。

ヒトラーを支え、そのうち止められなくなり、服従し
一緒に破滅の道を進んだ側近たち。
史実を調べて緻密に作り上げるお話がゾクゾクするくらい好き。
自分がこういうのが好みだってことに気付いたわ。

もちろん、神農さん出演というのも大きくて
最初はジャーナリストのエッカート(神農)がヒトラーをコマのように使うかのように
シンボルとして担ぎ上げる。
演説は得意だけど原稿は下手だからとゲッペルスが原稿準備。
これを主宰の石川湖太朗さんが演じている。

脚が悪く卑屈で、一癖ありそうなゲッペルス。
終盤でもう勝ち目がない時に「国民を見捨てるのか?」と問われると
「国民が選んだんだ」と平然と言ってのける。

ヒトラー自体はトルソーの偶像で表現されていて、
全員で肩を組んで前進するシーンは見事だった。
地下室に籠って指令だけ出すようになった時も
あの階段の下にいるんだと想像力がふくらむ。

群像劇だけど主演のヘスを演じた國島直希さんと
後半登場シーンの多かった正木郁さんが
どうやら人気俳優さんみたいね。
ブロマイドとか売ってたし。

宣伝面、軍事面、外交面、さまざまな方向から側近たちがヒトラーを盛り立て、
といっても、本人たちにも十分に策略や目的があって
自分の得のために集まってきている。
ヒトラーの独裁力が上がっていくにつれ、
反抗すると切り落とされる。

結局破滅するわけですが、
最後に場転換があって
いきなり明るい会議室でみんなでワイワイ理想を語り合っている。
???
みんな最初は国のため国民のために良かれと思って
高い志をもってたんだよ。
いつの間に狂気の道にズレてしまったのかな
みたいなちょっとありがちな筋書き?

う~ん、これだけの作品を書く人が
そんな安易なエンディングのはずないよなあ。

史実の知識が乏しいので、最初から2公演チケット買っていて
予想通り難しくて、2回観ても、完全な理解には及ばなかった。
1回目で台本を買って、2回目の時は売り切れてたから
買っておいたよかったわあ。

サルメカンパニーが素晴らしいことがわかったし
とにかく面白かった。

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