日時:2010年7月31日(土) 18:00開演
場所:北九州芸術劇場 中劇場
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:犬山イヌコ みのすけ 三宅弘城 峯村リエ 大倉孝二
松永玲子 村岡希美 藤田秀世 長田奈麻 喜安浩平
白石 遥 伊与顕二 斉木茉奈
客演/小出恵介 谷村美月 緒川たまき マギー
はじめてのナイロン、4列目センターという良席をお譲りいただき、
ケラワールド楽しませていただきました。
開演時間となって照明が落ち、ボンッと明るくなった舞台には
3人の登場人物。
この時点で、セットも衣装も照明もすっごくきれい。
ササが好きな世界が広がりそうな予感。
廃墟となった町を救おうとやってきた上流階級風の5人。
彼らの町も同様に廃墟なのだけど、
「この町の方がひどい。この町の方がかわいそう」
と思う事で自分が優位に立とうとする。
でも、意外に元気で楽しそうなこの町の住人。
出ないと期待してひねった水道からも、普通に水が出る。
「持って来てあげた」「きっと喜ぶはずの」フランスパンは
カビだらけで誰も受け取ってくれず、
逆にモグラやおかしな虫の料理でもてなされて、
悲しいかな、こっちの方がずっと美味しく豊か。
最悪ではない、「2番目、或いは3番目」であることで、
なんとか持ちこたえようと思って、ここまでやって来たんだけどね。
まずは、ナイロンって役者さんがすごいのね。
客演含めて17人の役者さんが入れ替わり立ち替わり登場するんだけど、
どの役者さんも、その演じるキャラクターも見応え十分。
それぞれに個性が強くて楽しめるから、全く見飽きない。
この作品、
1幕 1時間45分
(休憩 15分)
2幕 1時間20分
で、計3時間20分もあるわけですよ。
こんなに長いってこと、会場ではじめて知って、
え?ストレートプレイでこの長さは無理かも…と思いながら
客席についたのですが、全く問題なし。
大倉さんと犬山さんは、一体何なの?と聞きたくなるくらい
強烈なキャラクター。
あんまりわけわかんないから、台本どおりなのかアドリブなのかも不明。
そして緒川たまきさん、素晴らしい。
立ち姿には華があるし、恐ろしく滑舌が良くて台詞がとてもきれい。
動じることなく、しっかりどっしり演じてくれるので、
観る方も、安心してお話に入っていけます。
お話の方もね、阿佐ヶ谷スパイダースには玉砕したけど、
ナイロンは台詞が楽しく、テンポがよく、笑いも多く、
しっかりついていけました。
白いニョロニョロとか、小出くんの豹変ぶりとか、
モロモロの伏線がおさまらないままに終わり、謎は謎のまま…。
ケラ自身が「私ゃ社会派とかそういうあれではないし」と書いているので、
テーマも受け取れるだけ受け取ればいいのかな…と。
とにかく、面白かったからいいや。
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