Category Archives: ミュージカル・お芝居

劇団☆新感線『髑髏城の七人』


◆日時:2011年10月10日(日)12:30
◆会場:青山劇場
◆作 :中島かずき
◆演出:いのうえひでのり
◆出演:小栗旬 森山未來 早乙女太一 小池栄子 勝地涼 仲里依紗
    高田聖子 粟根まこと 河野まさと 千葉哲也 ほか

これ、キャストが豪華すぎるでしょ。
古田さんや橋本さんが出ないとはいえ、客演がスゴ過ぎ!
sasaのお目当ては『変身』で度肝を抜かれた未來くんですが、
周りの様子も未來くんファン多しと観た。

そして、その未來くんは期待どおりの素晴らしさ☆
今回は悪役のトップ「天魔王」。
動きはもちろんのこと、台詞まわしもよいのよねえ。
目ヂカラも低音での凄みも有無を言わせぬものがある。
ぽわわんとした役とか無機質な役もあうのに、
こんな悪の権化もいけるというのはどういうことでしょう。
殺陣もキレがバツグンで、かっこい〜!
願わくば、『五右衛門ロック』のようなダンスシーンがあると嬉しかったな。

殺陣といえば太一くん。
ゲキシネ『蛮幽鬼』でも拝見しましたが、
闘ってるというより、ありゃあ舞いだもんね。
未來くんとの殺陣シーンは最高の美しさです。
ススススッと歩む所作も美しい。

そして、なんといってもキーになっているのは勝地涼さん。
台詞はイキがいいし、動きが軽やか。
何をやっても巧いなあ。
笑いも取れるし、愛されキャラだから、勝地さんが出てくると
ファンでもそうでなくでも客席の様子が嬉しそうにしてるのがわかる。
舞台に風を呼ぶ感じです。

仲里依紗さん、先日たまたま新作の映画試写も拝見したのですが、
肝の座った若手さんですね。
錚々たるるキャストの中、初参加なのに堂々としたものです。
声が枯れたまま突っ走ってた割りには
台詞もきちんと聞こえました。

後で気づきましたが、この日は前楽だったのね。
立ち見もいっぱいでしたよ。

そして、この熱さが新感線なんだなあと思った。
ゲキシネであれだけのパワーが伝わるのも
生がこれだからなんだ。
全員が全力疾走なの。
これでもかこれでもかと攻めてくる感じ。
日本で一番チケットの取れない劇団、拝見できて良かったです♪

舞台『アントニーとクレオパトラ』


◆日時:2011年10月21日(金)18:30
◆会場:キャナルシティ劇場
◆演出:蜷川幸雄
◆出演:吉田鋼太郎、安蘭けい、池内博之、橋本じゅん、
    中川安奈、熊谷真実、井面猛志 ほか

ダメもとでのぞいた「ぴあ」でラッキーにも良席をみつけ、
お席に座ってきました。
全く予習なく、世界史知らないし、無理かも…。

で、実際・・・・・

眠かった。
シェイクスピアだから台詞劇というのはいいんだけど、
ただただ言葉の応酬で、笑いがないんだも〜ん。
吉田鋼太郎さんは素晴らしいし、初見の安蘭さんもかっこよく、
橋本じゅんさんはシェイクスピアでもあんなに存在感あるのね。
でも、ちらちら安蘭さんが、恋に狂った台詞を責め立てるくらいで
あとはいたってノーマル。
『じゃじゃ馬』の筧さんのような面白さではなかった。

なので、内容はおいといて、
今回の目的は井面さんだったのですが、井面さんは良かったよ〜♪
えりかさんに細かくご指南いただいていたので、
その通りに全ての出演シーンをチェック。
出て来る出て来る〜登場回数がすごい。
その度に違う役だし、セットの移動とか黒子的役もしているので、大忙し。
アンサンブルさんって、あんなにフル出場なのね。
落ち着いてじっくりひとつの役を演じ込むより、
切り替えが早くて器用にいろんな役を演じられることが必要なのかも。

覚え書きの意味もあるので、井面メモつけておきます。
*オープニング:出演者全員でカテコのように並んでご挨拶。井面さんはなぜか紺色のジャージ姿で下手側。出て来てすぐ発見できたよ。

*ローマの将校:占いが行われている周りを冷やかし風にうろつきながら、ワインのピッチャーを持ち、みんなについであげます。ときどき葡萄をほおばる。酒に酔いしれて楽しそう。

*使者:上手側通路を一番後ろからダッシュで駆けてくる。これ、2回あり。

*海賊:ぼさぼさの髪の荒くれ者風。船のオールを大人数でこぐのだけど、下手側一番後ろでよく見えず。その後、前方に移動して、なぜか鎧を脱ぐ。上半身裸で酒を飲んだり、寝そべったり。さすがにアクション俳優さん、引き締まった体がきれいです。

*エジプト人召使い:え?こんなカツラかぶるの?黒の短いドレッドヘアスタイル。う〜ん、似合わない。きれいなお顔が台無し…。アントニーが召使いたち4人に礼を言っている間、センターでずっと手を握られたまま。アントニーの有り難いお言葉に「滅相もございません」風に恐れ入る。

*衛兵:アントニーの亡骸を担架のようなものに乗せ、担いで客席通路を歩く。すぐ横を通ったよー。悲しみの台詞を言いながら。

*カテコ:パートごとでのご挨拶はど真ん中!全員の時は下手側。
全員が横一列で並ぶ時、他の方に気を遣いながら自分の立ち位置を決められます。
そして、そうですそうです、『じゃじゃ馬』の時もこの時のお顔がとても好きだったんだ。
お辞儀をする時に客席を見渡し、何度も「ありがとうございます」と小さく口を動かされるのです。少し微笑み、温かく優しい表情なのよ。

アントニーの従者になったり、シーザーの従者になったり、海賊になったり、
エジプト人になったり・・・ほんとめまぐるしい展開です。
おかげで台詞が眠たくても、寝ることはなく、井面さんに集中できました。
台詞も結構あって、お声も聞けたし。

抜けなくチェックできたと思ってたら
えりかさんからのメールで「殺陣かっこ良かったでしょ?」
え、殺陣?・・・
全く覚えてないぞ、殺陣なら忘れるはずはない。
まさか見落とした?
元JACさんですからね、殺陣を見逃すとは残念無念…。
さぞや美しかったことでしょう。

次回作はね、なんと☆宮沢りえさん、藤原竜也さん主演の
『下谷万年町物語』なのです。すごいよね。
遠征には行けないけど、福岡の空からご活躍期待しています♪

中島周さん@西日本新聞

地方ネタは地方の人間しか知らないからね。
公演がなくっても、遠征できなくても、たまにはいいことがある。
昨日の西日本新聞(本社:福岡)の夕刊に中島周さんの記事がのってたの。
福岡県久留米市出身なのですもの。
思わず飛びついた!

内容はロミジュリで「主役を脅かすような存在感」と絶賛の記事。

3歳からバレエを始めたというのも、
おばあさまがバレエ教室をされてたのね。
「東京バレエ団退団後は、故郷で指導者の道を進むことも考えた」と。
そんなのもったいなすぎます!
スポットライトを浴びていてください!

実際、教室のHPをチェックしたら、
特別講師としてお名前と写真が掲載されてるのよ。
発表会にも普通に出演されている模様。

『GQ』出待ちの時に、ファンとお話されているのを横でじーっと見てましたが、
物腰穏やかで、お顔もお姿も、とにかく美しい。
あんなに都会っぽいのに、久留米弁しゃべってくれたりしたら
そりゃあもう、勝手に親近感☆

余計な心配してしまうのは、
公演もない福岡で、この記事の価値を感じる読者がどれだけいるのか。
大人気公演の注目ダンサー、これって貴重なお宝記事だと思うのよ。
ああ、もったいないもったいない!

結びはね「中島に、多くのショービジネス関係者が注目している」。
背もお高いので、トートダンサーも素敵だと思うわ。
小池先生だし、いかがかしら?

舞台『オーデュボンの祈り』

◆日時:2011年10月8日(土)18:00
◆会場;世田谷パブリックシアター
◆原作:伊坂幸太郎
◆演出:ラサール石井
◆出演:吉沢悠 河原雅彦 石井正則 小林隆 武藤晃子
    小泉深雪 寺地美穂 町田マリー 春海四方
    玉置玲央 陰山泰 筒井道隆

この演目を選んだ訳は、伊坂幸太郎作品というのと、
吉沢悠くん、筒井道隆さんという出演者に惹かれて。

吉沢悠くんは、しっかり者も、優しい彼氏もいい感じに演じるし、
テレビドラマ『JIN』での女形も艶っぽくてとても良かった。
舞台だとどんな感じなのかなあ。

で、感想は・・・
吉沢悠くん自体に問題があるわけじゃないんだけど、
その周りの共演者たちが芸達者すぎますね。
おかげで、主演オーラは弱かった。

まず河原雅彦さん演じる日比野のキャラがかなり強烈なの。
原作は、もっと普通の進行役っぽいのに、
河原日比野は、結構なチャラ男くん。
悪い人じゃなさそうだけど、信用してよいのかよくないのか?
河原さん演出作品はいくつか観たし、
嘉穂劇場『印獣』の時は、会場にいらしてた姿もおみかけし、
すらりと長身のイケメンさんだったけど、
河原さんにしかできない日比野像を作っていてスゴイわあ。

そして、筒井道隆さんね。
カカシの役なのよ。
最初はカカシ人形の後方でしゃべっていて、途中から生の筒井さんに代わります。
未来を予知できるカカシ。予知はできても、それを教えることはない。
誰かが不幸になることを知りつつ、助けてあげられない。
「わたしは、カカシですから…」の力の抜けた、諦めというか無力感の台詞が
はまりすぎてます。
そして、静かにしゃべるのに、とても聞き取りやすい。

他にも、石井正則さん、小林隆さん、存じ上げないけどきっと舞台の世界では強い女優陣?
そして、玉置玲央さんもタダモノじゃないな。

演出は、あんまりお金がなかったのかなあ?
セットは少なめで、映像を「活用」しているというより、
ちょっと安易かなあと思う部分もありました。

島に「カケテイルモノ」がそれ?っていうのも、
いまひとつ納得できていない。
「祈り」に込められた意味も理解不十分。
原作、最後まで読まなきゃ。

でも、この摩訶不思議な伊坂ワールドは好き♪
何より役者さんたちの力で楽しませていただきました。

帰りま~す。

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終演後、カテコはあきらめてダッシュし、
夜行バスに乗り込みました。
今回ははじめての「ロイヤルエクスプレスバス」。
3列分離シートで、お隣との間はカーテンで仕切られます。

いつもの西鉄バスは天井も足下もギッチギチだからね。

間もなく消灯。
おやすみなさ~い。