Category Archives: ミュージカル・お芝居

小林賢太郎さん引退…

小林賢太郎さん引退…
相当ショックなニュースです。

タイミングがあわなくて
拝見した公演は2回だけ。
でも、これから追う気満々だったのです。

足が悪いことも理由の一つ
だそうで、そういわれれば「うるう」の動きが
ちょっとバランス悪かった気もするけど
そう演じてるのかなあと。

「うるう」の時、じゃあまた4年後ね、
みたいなコメントされたと思うのよねえ。
本気で楽しみにしてました。

勝手に推測すれば
「頭の使い過ぎ?」「考えすぎ?」
尽きることなく常に考えている方なのでは?
それくらい作品は練りに練られ、
常人では手の届かない努力と才能でした。

今となっては「うるう」を1回でも見られたことが
sasaの人生の宝です。

舞台『リチャード二世』


■日時:2020年10月17日(土)13:00
■会場:新国立劇場 3階サイドブロック 1幕90分休憩20分2幕75分
■演出:鵜山 仁
■出演:
岡本健一 浦井健治 中嶋朋子 立川三貴 横田栄司 勝部演之
吉村 直 木下浩之 田代隆秀 一柳みる 大滝 寛 浅野雅博
那須佐代子 小長谷勝彦 下総源太朗 原 嘉孝 櫻井章喜 石橋徹郎 清原達之
鍛治直人 川辺邦弘 ⻲田佳明 松角洋平 内藤裕志 椎名一浩 宮崎隼人

あー観劇から1ヵ月以上経ってしまった。
もはや記憶も薄く…。

そもそもシェイクスピアもイギリスの歴史もちゃんと理解してないし
『ヘンリー六世』三部作も『リチャード三世』も見てない。
それでもお話になんとかついていけたのは
ベン・ウィ・ショーの『ホロウクラウン嘆きの王冠』
を見ていたからだわ。

リチャード二世が岡本健一くん、
ヘンリー・ボリングブルックが浦井くんね。
ここにきてやっとシェイクスピアの面白さが
少しばかりわかってきた気はする。

冒頭はモーブレーとボリングブルックの決闘シーンで、
モーブレーが叔父の暗殺に関与していた
と主張するボリングブルックに対して
モーブレーは否定。
リチャードが白黒は決闘でつけよと言っておきながら
突然中止にする、2人とも国外追放だ
という話になる。

追放されている間にボリングブルックの父親は亡くなり、
リチャードは勝手に一家の財産を没収。

リチャードはボンボンの王様で
タラタラタラと好き勝手に気分で物を言い
暴挙を尽くすので、だんだんと味方はいなくなり、
帰って来たボリングブルックの側につかれてしまう。
ボリングブルックは、特にオーラがあるわけでもなく
凡庸なキャラで、憎きリチャードに報復だ!と叫んでいるわけでもなく
名誉と財産を回復してくれくらいの要求なのに
味方のいなくなったリチャードは焦りまくって
言われてもないのに王位を譲る。

岡本健一くんって、ジャニーズの中でもかっこよかったと思うのよねえ。
それがなんとも情けないリチャードを好演。
ボリングブルックの軍が来た時、
城に立てこもってるんだと思うけど、
なんだか小さなおもちゃみたいなお城に
2、3人の家臣とひっつきもつきしてて
呼ばれたら丁稚かなにかのようにホイホイ出ていくの。
この哀れ感、見事だったわ。

浦井くんは背は高いしカッコいいのに
特に才能もないのにたまたま時の流れでみんなに支持されるようになった
地味なヘンリー。

そして、圧倒的な台詞まわしで、
あれ?これって吉田鋼太郎さん出てたっけ?
と思ったら横田さんでしたね。
発声が似てるよね。

ヘンリー支持者役の原 嘉孝くんという方が若々しく演じてましたが、
ジャニーズらしいです。
この度、伊藤健太郎くんの穴を埋めるようですね。
いきなり主演だけど、シェイクスピア頑張ったんだし
きっとできると思う。

あとね、新国立劇場、3階でも問題なし。
そても見晴らしはよくて、全体がよくわかった。
ここしか取れなかったからだけど、
3300円でこんなにちゃんと楽しめるなら3階で大満足☆

NHK『エール』


前回の戸田恵梨香ちゃんの『スカーレット』から
録画して朝ドラ見るようになりまして
今期の『エール』も引き続いて見ておりました。
次から次へとミュージカル俳優さんたちが登場するので
目が離せず。

本編最終話も気持ちよい終わり方でした。
そして最終回は古関裕而作品を出演者たちが歌うコンサート。

ドラマ内では一度も歌声披露のなかった
馬具職人・岩城さんの歌がネットを騒がせてましたね。

ミュージカルファンのみなさんはきっと
水戸黄門気分だったのではないでしょうか?
「この歌声が耳に及ばぬか~!?」

あの圧倒的な歌声はミューファンにとっては当然のこと。
ジャンバルジャン様ですよ。
大舞台で一人歌い上げて客席を涙させるのですから~。
ほんとは小南満佑子ちゃん(千鶴子さん)はコゼット、
レミゼでは義親子なんですよ~。

𠮷原さん、これまで控えていただけに
最後にしっかり爪痕残しましたね。
でも、誰かさんみたいにテレビ界に行ってしまわないでね~。

舞台『真夏の夜の夢』

■日時:2020年10月17日(土)19:00 約2時間
■会場:東京芸術劇場プレイハウス D列24番
■原作:ウィリアム・シェイクスピア
■潤色:野田秀樹
■演出:シルヴィウ・プルカレーテ
■出演:鈴木杏 北乃きい 加治将樹 矢崎広
今井朋彦 加藤諒 長谷川朝晴 山中崇
河内大和 土屋佑壱 浜田学 茂手木桜子
八木光太郎 吉田朋弘 阿南健治
朝倉伸二 手塚とおる 壤晴彦

原作を読んだことがなく、
妖精パックが目を覚まして最初に見た相手を好きになる
「惚れ薬」を塗って、恋人同士がてんやわんやする喜劇
程度の認識。

が、野田秀樹が大幅に潤色して
さらにプルカレーテが演出してるから
あまり気にしなくてよいのかも。

お席は2列目でして、こちらの劇場は
発売時の1席空けのルールを継続して
きっちり左右席空いてました。
この点、発売日購入の観客には、とても嬉しく
劇場へのイメージアップしました。

舞台は老舗割烹に移されていて
全員白メイク。
妖精パックはいたずら好きの可愛いイメージかと思ったら
手塚とおるさん配役という時点で十分怪しい。
そこに「ゲーテ」ファウストが入って来て
ますます話をかきまわす。

主演は実力派・鈴木杏ちゃん。
すっかりテレビやめて舞台の人だよねえ。
下着同然の姿でステージをジャンプしながら駆け抜けていくんだけど
肢体がきれいで伸びやか。
矢崎広くんもジャージーで歌うかと思えばシェイクスピアでもご活躍。

結局全部もっていったのは
メフィストの今井朋彦さん。
最初はパックと一緒に人間を混乱させてると思ったら
パックまで閉じ込めちゃった。
まだらの白塗りのお顔に、
台詞をどこのともわからぬイントネーションでしゃべるので
如何わしさ極まりないのです。
身体の動きもなよなよシナシナ。
人間のダークな部分をあぶりだしてくる。

最後はまとまるのだけど、
いくら夜のお話とはいえ、
暗くて陰惨で、
なんだか嫌なモヤモヤ感が残されたけど
面白かった。
今井さんもっと見たい。

ミュージカル『ビリーエリオット』大阪公演 その3

博多弁について。

ビリーエリオットでは、田舎町を表現するのに
言葉は博多弁が使われています。
これ、博多弁ネイティブのsasaからすると
正直わざとらしい、不自然。
こういうのは普通に標準語でよくない?
気が散って集中力がぶれる。

そんな中、
今回の安蘭キンソン先生と、阿知波おばあちゃんの博多弁
不思議なことに自然なのです。
安蘭さんこれまで何度か舞台拝見したことありますが、
お芝居の上手な方なんだと今ごろ気づく。
それも、sasaが観ただけでも
ひょうたん島、アントニーとクレオパトラ
アリスインワンダーランド、と振れ幅も大きい。

歌も声がクリアで上手。
柚希さんは声がハスキーなので、
安蘭さんのクリアな声が聴きとりやすい。
安蘭キンソン先生好き♪

もう一人阿知波さんの博多弁、
なんでだろう、すごく自然なの。
イントネーションを強くする部分が正しいのかも。
他の方が博多弁を強調しようと強くしてくる部分が
「そこ違う~」って思うことが多いからね。

あちゃ~っと思った博多弁がさとし父ちゃん。
さすがミュージカル俳優さんなので歌声がいいし
歌詞台詞もきちんと伝わる。
が、クリスマスの夜にウィルキンソン先生を訪ねるシーン、
「(ビリーは)ほんまに才能あるんか?」

いやいや、「ほんまに」は関西弁でっしゃろ。

目玉シーンのひとつである
Expressing Yourself
ここ文句なしに楽しいよねえ。
そしてマイケルのダンスの上手さが光る。
ダンス自体はビリーより軽やか。
ダンス、演技、歌の総合力がビリーなのでしょうね。

そして、マイケルのパパが照井さんでした。
ということは、母ちゃんの服をよく着ているのが
テリー父ちゃんってこと?
照井さん、フィナーレで踊りまくってるのが
はしゃいだ少年のようで可愛かった。

再演では慣れてきたおかげで
バレエガールズの様子も見る余裕があった。
奇妙な踊りと変顔のスーザン・パークス、
ぽっちゃりのトレイシー・アトキンソン
どちらも初演と同じキャストさん。
替えの効かない要の役ってことでしょうね。

ラストの旅立ちのシーン
マイケルが見守る中、ビリーはトランクを持って
客席下り。
ビリーは帽子に加えてマスク…

以上、ご視聴ありがとうございました。