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ミュージカル『カム フロム アウェイ』


■日時:2024年3月13日(水)14:00
上演時間100分
■会場:日生劇場 2階A列
■出演:安蘭けい 石川 禅 浦井健治 加藤和樹
咲妃みゆ シルビア・グラブ 田代万里生
橋本さとし 濱田めぐみ 森 公美子 柚希礼音
吉原光夫

*STORY
9.11の裏にあった実話です。
あの日アメリカの空港は閉鎖され、
着陸できなかった38機の飛行機、7000人の乗客は
カナダ・ニューファンドランド島のガンダー国際空港に降り立つ。
小さな町は突然2倍の人口になり、飛び立つまでの乗客と住民の5日間。
テロと、いつ帰れるかもわからない不安、
突然やってきた見知らぬ乗客たちを受け入れ、
心を通わす地元の人々。

12人のキャストで100人を演じます。

こんな秘話があるとは知らなかったし、
お話自体はとても良いものです。

普通のミュージカルですと
一人で歌い上げるソロ、
しっとり聴かせるソロ、
みんなで歌い踊る群舞、の中で
「ここ拍手です!」のポイントがあって
ワーッと盛り上がってちょっと落ち着き、
の緩急がありますよね。

が、この作品ずっと誰かが歌ってて
それぞれが変わりばんこにクローズアップされる設定なので
観る方も休憩なし。
それもトーンがあんまり変わらない印象。

100人それぞれのストーリーと
12人キャストのキャラ、
歌も踊りもあって情報多すぎ。

全員が主役級のキャストさんたちなので、
みなさん魅力ある方なのに
それが伝わってこない。

万里生くんは少し特徴あるキャラだったものの
正直浦井くんが何やってたかよく覚えてない。
濱めぐさんとか柚希さんとかすごい方々なのに
濃度が薄まってしまう。

かっこよかったのは吉原さん。
歌が上手なのはもちろんだけど、
あんなにダンスもいいのね。
ちょっとした振りでもキマッてた。

でも、椅子の組み換えで飛行機だったり控え室だったりの転換
衣装や帽子でキャラ変更、
それを澱みなく続けられるのはあのプロキャストたちだったからだろうなと思う。
相当練習も多かったようだしね。

そして全員がプリンシパル級だからこそ、
誰か突出せずに、それぞれの人生があることを表現するためには
個性丸出しで前に前に自己アピールすることなく
大事件に巻き込まれた一般人の物語
にしたのかなとも思う。

美しき桜

ここのところ雨風が強かったのですが
なんとか花見間に合いました。
草場川の桜並木

道の駅 筑前みなみの里には梅も

秋月に移動して、桜のアーチを歩き、
行列の「月の峠」さんで天然酵母カレーパンを食べ歩き。

美しき富士


3月に東京遠征しておりました。

行きの飛行機では
快晴でずっと雲がなく
こんなにきれいな富士山。
本当に美しい。

日生劇場観劇前に
近くのレトロな高架下で
列ができていたお店に入りました。
天ぷらとワイン大塩

揚げたての天ぷらをいただけて
この立地でお好み天定食890円。

どうも単品「イクラカナッペ」を頼むのが定番のようだったのに
初心者なので気付かず残念!
今や福岡でも難しいお値段なのに美味しかった。

♯天ぷらとワイン大塩 ♯日比谷ランチ

舞台「インヘリタンス-継承-」

■日時:2023年3月9日(土)
前篇 13:00〜16:05 ※途中休憩15分
後篇 18:00〜21:30 ※途中休憩15分
■会場:北九州芸術劇場 中劇場 J列センター
■出演:福士誠治、田中俊介、新原泰佑、
柾木玲弥、百瀬 朔、野村祐希、佐藤峻輔、久具巨林、
山本直寛、山森大輔、岩瀬 亮 /篠井英介 /山路和弘
麻実れい(後篇のみ)

エリック(福士誠治)と劇作家のトビー(田中俊介)、
初老の不動産王ヘンリー(山路和弘)とウォルター (篠井英介)
の2組のカップルを中心に過去、現在、未来でよいものも悪いものも
つながっていくお話です。

いやあ長かった、前後編で6時間半、正気じゃないね。
登場人物は全員ゲイで、
一番伝えたかったのは愛だと思うのだけど、
そうであれば、あえてゲイにしなくて
市井の人々の方がよかったのでは?と思った。

セクシャルや暴力シーンも多くてなかなかグロイ。

お目当ては福士くんで、
役柄的には『RENT』のマークのよう。
所在なくて優しい。

お相手の田中俊介くん
存じ上げないけどボイメンとやらいうグループの元メンバー。
シャンと立ってる様子が体幹良さそう。
声も良かったし、シス・カンパニー所属ってことは
俳優の道進んでるんだろうね。

山路さんはとんでもなく声がよくて
篠井さんは狂言回しも兼ねてる。
新原泰佑くんというのが期待の新人さんのようですね。

4人を中心とした群像劇が綴られていき、
ラストはエリックがウォルターの遺志を継ぐ。

ラスト少し前から福士さんは涙で、
ここでもまたRENTのカテコ思い出す。
あの時も福士くんは涙涙だった。

お話自体は常に飽きない展開でずっと楽しめたし、
6時間もかけて膨大な台詞で伝えたかったメッセージだったと思うけど、
そしてネットでの評判もみなさん高評価だけど、
sasa個人的にはそこまで受け取れなかった。
すみません。

KERA CROSS第五弾 『骨と軽蔑』


■日時:2024年3月29日(金)14:00
1幕90分 休憩25分 2幕65分
■会場:博多座 G列センター
■作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
■出演:宮沢りえ(長女)、鈴木杏(次女)、
犬山イヌコ(女中)、堀内敬子(長女の編集者)
水川あさみ(社長秘書&愛人)、峯村リエ(社長夫人)、
小池栄子(長女のファン)

この出演者だと唸るよね。
おまけにケラに宮沢りえちゃん?
博多座ってのが少し大きすぎるけれど、
いそいそ出かけました。

*おはなし
東西に分かれて内戦状態の国。爆撃の音が聞こえている。
男たちはもちろん子どもまで徴兵され、女たちももうじき…。
軍需産業を営む社長宅が舞台。
社長は死の床で愛人(水川)のみが世話している。
社長夫人(峯村)はアル中、長女(宮沢)は小説を書きながら、
徴兵から逃げて行方不明の夫を待っている。
次女(鈴木)も実は長女の夫が好きで、姉へ届く手紙を抜きとって読んでいるが、
実はそれは姉の大ファン(小池)が書いた偽手紙だった。

爆撃音が聞こえ、空爆で空の色も変わってるのに、
この事態に無関心な社長家族。
この浮世離れ感、どこかで感じたなあと思ったら
「櫻の園」だね。
事態を理解せず、呑気なお金持ち夫人。

ケムリ研究室はさっぱりわからなかったし、
最近のナイロンはsasaの好きな「くだらなさ」
が少なかったのですが、
久しぶりにナンセンスコメディだった。

姉妹で「私のクッションを取った」いや「もともと私のものだった」や
どちらが先に長女の夫を好きだったかの
エンドレスの応戦、
傍から見てると、どっちもどっちなくだらないやり取りを
延々続ける。
この無駄を面白くするのがsasaの好きなとこなのよ。

宮沢りえちゃんはアンナカレーニナの時とかあまりの熱演に
ちょっと引いてしまったけど、
今回はこのくだらないやり取りを大真面目にやってるのが
おかしくて仕方ない。
本人も楽しんでるように見えた。

もちろんみなさん、ケラ曰く「手練れの女優」さんですが、
中でも堀内さん光ってたなあ。
「虫」と言われても違和感なくすっとぼけてて
それが愛らしいの。
実は歌も上手なのに、間の取り方も冴えてる。

プロジェクションマッピングはいつものケラ作品に比べると少し控えめで
でも、不穏レトロな音楽はセンスいい。

お話自体は、呑気な社長夫人が会社を継いで
だんだん金の亡者、狂気に進む。
爆撃音は最初から最後までなり続け、
最後も…。

今の時代、表現者の方たちは
このテーマを無視するわけにはいかないのだと思う。
そして、紛争があるという重たさを頭の端に感じながらも
呑気に暮らしている私たちは
社長家族と同じか。