Category Archives: ミュージカル・お芝居

舞台『鱈鱈』


■日時:2016年11月26日(土)12:30
■会場:キャナルシティ劇場
■作 :李康白(イ・ガンペク)
■演出:栗山民也
■出演:藤原竜也、山本裕典、中村ゆり、木場勝己

倉庫の中に住み、毎日箱を運ぶ2人の男。
指示通り間違えずに箱を運び出し、運び入れる。
決して間違えてはいけない。何度も確認して、真心を込めて。
間違えれば誰かに迷惑がかかる。大変なことが起きるかもしれない。

とにかく実直に箱を運ぶジャーン(藤原)。

がね、この仕事に飽き飽きのキーム(山本)がわざと箱をすり替え、
そのまま出荷されてしまっても、
何も起きなかったのよ。

誰からも褒められるわけでもなく、怒られるわけでもなく、
でも、そうすることがジャーンの存在意義だったのに、
そうしなくても何ら変わりはなくて、
そうなると、これまでやってきたことは一体なんなの?

昔は「じゃがいも」とか「人参」という箱だったのも、
今では箱に振られたナンバーのみで識別。
中身がなんであるかに意味はない。

2人が暮らす倉庫にしたって、外からすれば「●●番倉庫」というだけで、
その中に誰がいて、何が行われているかは問題ではない。

仕事に真心を込め、キームを母親のように愛してきたジャーンだったが、
「今よりはまし」なトラック運転手になり結婚するキームが出ていく時には
「行かないでくれ」とすがる。

大事にしてきたものがわからなくなる。
この先、何を頼りに生きていけばよいのか。

あーやるせない。

藤原竜也くん、闇のある役が多いし、
こんなにピュアな青年役は珍しい気がするけど、
とても繊細でした。
そして、山本くんもテレビでへチヤラっとしてるけど、
前回『じゃじゃ馬ならし』で見た時よりもずぅ~っと良かったです。

阿佐ヶ谷スパイダース『はたらくおとこ』


■日時:2016年11月23日(水・祝)18:00 1時間20分休憩なし
■会場:キャナルシティ劇場
■作:長塚圭史
■出演:中村まこと、池田成志、中山祐一朗、伊達暁、松村武、
池田鉄洋、北浦愛、富岡晃一郎、長塚圭史

これまでことごとく玉砕している長塚作品。
いつもエグくてグロくて気分が悪くなる…と言いながら
レビューはいいし、今回こそはと期待してしまう。
特に今回は、みなさんが「笑いの渦」とか書いてるし
もしかしてもっとすっきり明るく楽しめるのかもしれない。

が、いくらか軽かったとはいえ、気持ちの良いものではなかった。

2004年の初演と同じメンバーで12年ぶりに再演。

どうも、当時はフィクションだったものが、
今や現実を超えてしまったらしい。

以下ネタバレです。

前半こそ、仕事のないのんびりしたリンゴ園でのやりとりなものの、
中盤から、毒性の強い農薬、それを誤飲して血だらけになるおとこ。
何やら運ぶだけで大金をもらえるトラックの荷物。
その荷台は決して開けてはならない。

など、とにかく不穏。

農薬にしても、バケツの中身にしても、もともと人間が作りだしたもので、
作った人間がそれに報復されるという辺りが、現実世界・震災を超えたということか。

最後に残った2人がそのバケツの中身を捨てず、残さず、「食べる」という行為に出る。
人間が作りだした悪魔の始末を自分がつける。
アメーバのような液体をべちゃべちゃむさぼる姿はとにかく気持ち悪い。
そして、その中にリンゴをみつけ、これこそが探していた味だと言う。

舞台上がもうぐちゃぐちゃな状態なところで突然暗転し、
どうも夢オチだったらしい。
大罪を犯した夏目(池田)を茅ヶ崎(山本)が「赦す」と言い、
またみんなでリンゴを作ろうという前向きのようなハッピーエンドのような
よくわからないエンディングにポカン。

ネットでは称賛レビューが多いから、sasaの理解力が足りないのかなあ。
何度トライしてもわからない。
役者陣はみなさん渋くてカッコよかった。

ミューファン乱舞の勇者ヨシヒコ

ミュージカルの情報はいつもお友達頼み。
なので、まったく事前情報はなかったのだけど、
いつものように楽しみにしていたヨシヒコを見始めると…。

今回、ヨシヒコ一行が訪れるのが「ミュジコの村」。
そして、ヨシヒコが突然フランスパンを盗み、逮捕される。

この時点で、ええ~??ってなるよね。

これ、バルジャンじゃん。

そして、牢屋につながれたヨシヒコの前に歌いながら現れるのが
ええ~?健ちゃん!

健ちゃんの歌に対してヨシヒコも歌で応戦。

そしてそんなヨシヒコを救う神父さまが、
やけに歌の尺は長いし、本格派感漂う。
誰だ?

これは後からわかりましたが、今拓哉さん。

続いて新妻聖子ちゃん登場。
こちらはドレスアップしてるけど…
『美女と野獣』でした。
カツラがぼさぼさのチープなところがやはりヨシヒコ。

宝塚系のベルサイユのばらが続き、

で、そうこうするうちにね、
登場したのは、なんと大地真央さん!
ええ~!!!!!

ノリノリで歌って踊ります。

なんですか、この無駄にゴージャスな今回のゲスト陣。

そして、こうしたトップのミュージカル俳優陣に対して、
山田孝之、まったくひけを取らない。
歌も踊りもバッチリ!
なんでもできるよねえ。

キャストもネタもミューファンたちが狂喜乱舞していたと想像できる。

ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」来日版


これでもかと詰め込んだ関西旅行。
まずはオリックス劇場。

拝見したのはコチラ。

三浦春馬くん×ソニンの日本版が観られなくて残念。
これはニューヨークキャストの来日版です。

■日時:2016年11月3日(木・祝)13:30
■会場:オリックス劇場 3階席
■音楽:シンディ・ローパー
■キャスト:

イギリスの田舎町、昔は華やかだったけど今や倒産寸前の靴屋
という、イギリス独特の哀愁を帯びた設定ですが、
ドラッグクイーンをはじめ、日本人でも全く手の出ない背景ではない。
『RENT』よりは文化の壁は低いかな。

曲がねえ、シンディ・ローパーらしいポップでキュート☆
ドラッグクイーンのローラもがっしりした背格好に
脚は細く長く、男装もそれはそれでお似合い。
あの役を春馬くんがどう演じたのかには興味があるわ。

テーマも、自分を受け入れ生きていこうというわかりやすさで
さすがはトニー賞の作品だったの。

問題は、sasaの眠気。
遠征の時はよくこうなるんだけど、朝早い飛行機とか
夜行バスで眠れなかったとかで、猛烈な睡魔に襲われる。
そして、来日版だから、ステージの左右に日本語訳の電光掲示板が出るの。
それを読んでるうちにさらに…。

歌もダンスもひっきりなしに盛り上がるし、
賑やかなステージなので、さすがに眠りに落ちるってことはなかったけど、
じっくり堪能には程遠く。

ソニンの演じた役もとてもチャーミングな女の子で
ソニンならどんなに愛らしく演じたことかと思う。

素晴らしい作品だったであろうことは確か。
つくづく残念。

ちなみに、余談ですが、オリックス劇場にはクロークがなく、
コインロッカーは有料。
これはイマドキ冷たすぎないか?

王子登場@アウトデラックス

ぬぁんと王子がアウトデラックスにまで出ちゃいましたよ。
いいんですかね、こんなに調子に乗って。

いつものようにリップサービス炸裂で、
本人も途中で「これ言ってると逆から見たらマズイ」と思い、
慌ててフォローも入れてましたけどね。

矢部さんには「バラエティ狙ってるでしょ?」とまで言われる始末。

舞台は生の反応という意味で格別だけど、
テレビは一般的な訴求力は段違いですからねえ。
一部での圧倒的人気が、浅く広く知れ渡ることになる。

それもねえ、あんな黒王子してるけど、
トークショーで誰よりも気を使って盛り上げてるのは
よくわかってますからね。
同じようにテレビでも番組を盛り上げるために話を面白くしようと、
自分を必要以上に悪く見せている。

出てくれるのはホントに嬉しいんだけど、
身体も心配だし、舞台に影響出ないようにほどほどにしてくださいな。