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KERA・MAP #010「しびれ雲」

■日時:2022年12月17日(土)
■会場:北九州芸術劇場 中劇場 H列
■脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
■出演:
井上芳雄、緒川たまき、ともさかりえ、松尾諭、安澤千草、
菅原永二、清水葉月、富田望生、尾方宣久、森準人、
石住昭彦、三宅弘城、三上市朗、萩原聖人

大好きなケラ作品に王子が出るのはほんとに嬉しい。
まあ以前も『陥没』出演したけどね。
会場も小ぶりで見やすい中劇場。

作品の舞台は『キネマと恋人』と同じく
架空の島である梟島(ふくろうじま)。
お話自体は全く別物ですが、
ともさかさんと緒川さんが同じく姉妹役です。

全員知り合いのような小さな島に
記憶をなくした不死身のフジオさんが流れつく。
ケラ作品でお馴染みのキャストさんの中に客演の王子ですので、
この時点で、都会からやってきた人間
という浮いた感じがうまいこと出てます。

でも、よそものを冷遇する空気は全くなく、
さっさと家に入れるし仕事も紹介する。

思うのですが、
まだレビュー書けてない『世界は笑う』にしても
ケラの作風がノスタルジックというか昭和になってきた?

そして、以前は人間のツボを突くテーマがあったし
政治的な考えとか説教臭いことは自分にはあわない
という姿勢だったのが、
Twitterでは政治的批判のツイートもよくするようになり、
逆に舞台は郷愁ある優しいものになってきた気がする。

しびれ雲にしても、
特にテーマがあるわけでもなく
それぞれの人が泣いたり笑ったりしながら
自分の人生を歩んでいく様子を優劣つけることなく描いていく。
なので、確かにフジオさんは大きなポイントではあるけれど、
大なり小なり、どの役の人生にも焦点を当てる。

なので、終盤、フジオさんはすごい人ってことがわかって
その調査報告が手渡されるわけだけど、
人には「すごい」とか「すごくない」とかないわけだから
フジオさんが報告書を破り捨てたのは当然だよね。
ここで今ある自分で生きていくのです。

『キネマと恋人』同様、
「ばりんこありがとさん」「ごめんちゃい」
「ほんだら」…のどこのかわからない方言は
緒川さんが話すとばりんこ愛らしい。
ベルトのあるパンプスにソックスのファッションも
ゾクッとする可愛さだわ。

王子の出番は主演なのに出づっぱりというわけではなく、
ケラさんが忙しい王子の負担を少なくしてくれたのかなとは思いました。
そしてストプレの時は、いつも王子もったいないなあと思うのだけど
今回はラストに生歌「ああ幸せの波はそよいでる」が待っていた。

これが今年の最後の観劇でした。
お話と歌であったかい気持ちになって
ご褒美いただいて気分です。

舞台『BLACK BIRD』

black-bird

日時:2009.8.29(土) 13:00
場所:北九州芸術劇場 中劇場
出演:内野聖陽、伊藤歩

今日は小倉まで足をのばして舞台『BLACK BIRD』観てきました。
ローレンス・オリビエ賞 最優秀作品賞受賞作品、
2回の公演のチケットは即日完売、追加公演も即完売。
ぎりぎりのタイミングでなんとか昨日手に入れたチケットです。

「LONDON、NYを震わせた問題作!
15年前の少女誘拐事件に端を発する
男女の愛憎と、驚くべき結末を描き出す。」
とあります。

レイ(内野さん)とウーナ(伊藤さん)が出ずっぱりの二人芝居。
内野さんはさすがのベテランさん、
伊藤さん一人でしゃべり続けるシーンもあり、
二人ともすごい力量です。
それに伊藤さんの足って、惚れ惚れする美しさ♪

でもさぁ‥‥‥
ササ、ち~っともわかりませんでしたぁ。
確かに事件の真相が15年前の認識とは違っていたことはわかります。
かなりの誤解はあったようです。
でも、「震え」もしないし「驚き」もないの。

そして、この作品のテーマは一体なんだったのでしょう?
ササは何か観る時、その作品からのメッセージを受け取りたい!と願いながら観ています。
「ハッピーになろうぜ!」でも、「継続は力なり!」でも何でもいいんだけど、
共感できるかどうかは別にして、
モノを作る人って、必ずその作品を通じて伝えたいメッセージがあると思うから。
それがキャッチできないと、ムズムズムズムズ‥落ち着かない。

後半、少女が出てくるシーンも???だったよ。
レイは「違う!絶対違う!」って断固として否定したけど、ほんとに違ったの?
タイトルの「BLACK BIRD」って何?
最後なんか、観客おいてけぼり状態で、
会場全体から「え~っ!!!???」ってドヨメキが聞こえたような気がするんだけど‥。

どなたかおわかりの方いらしたら
教えてくださいな。