NODA・MAP 第18回公演 「MIWA」

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■日時:12月7日(土)
■会場:北九州芸術劇場
■出演:宮沢りえ、瑛太、井上真央、小出恵介、浦井健治、青木さやか、
    池田成志、野田秀樹、古田新太

脅威的にチケット激戦だったこの公演、
サブセンとはいえ、3列目という超スペシャルなお席で拝見してきました。
トリのレビューということで、しっかり書きたい気持ちはあれど、
またまたよくわからなかった。
遊民社からして、あまり理解できた試しがないのよ。
かろうじて『THE BEE』がわかったくらいでさ。

もちろん美輪明宏がテーマですが、
人生をそのまま追うのではなく、
野田さんの美輪イメージで作り上げた作品です。

「男?女?」の踏み絵を踏めないまま
この世に生まれ落ちたMIWA。
見た目は美しい(りえちゃん)けど、化け物(古田さん)が取り憑いている。
2人一体でMIWAを表します。

美輪さんはあんな風になったのも仕方ないと思うくらい
壮絶な人生を背負ってらっしゃるのですね。
原爆体験もあって、その後遺症にも苦しめられて。
母マリアも3回変わりました。
それを演じる井上真央ちゃん。
ただの元気がよくて可愛い女優さんかと思ったら、
いやいや根性座ってましたよ。
若いのに肝っ玉母ちゃん風。
救いを求めるものは拒まず長いスカートの中に受け入れる。
声もド〜ンと響いてとても良かったです。

もう1人、まっすぐ演じていたのが瑛太さん。
MIWAの初恋相手で、
MIWAがオドロオドロしくとらえられているのに対して、
瑛太さんの繋一郎はピュアで救いになりました。

あ、浦井くんはいつもの子犬キャラでしたよ。
途中、お尻の部分まで総レースの衣装があって、
それで踊るもんだから、破れないか心配しました。

原爆のシーンは美しく表現されていて、
その美しさがかえって怖さを助長する。
キリスト教を弾圧されて苦しんだ長崎に
キリスト教国の原爆が投下される。
なんという不条理。

りえちゃんは膨大な台詞が完璧で、素晴らしかった。
理解できないと自分の中には取り込めないのだから、
玉砕した『盲導犬』といい、あんな難解なものを理解できるのは
相当頭の良い方なのでしょう。
ヒビノコズエさんのブルーの学生服風衣装をまとい、
美少年を軽やかに演じていました。

でも、一番印象的だったのは、野田さんだなあ。
MIWAを支援するオスカワアイドルという役。
最初に遊民社を見た頃、「役者が舞台を駆け回って風を起こす」
みたいなことをおっしゃてて、
その通りに、狂ったように動き回ります。
奇妙ななりと、背面には額縁を背負い、
あの甲高い声でまくしたてる。
オスカーワイルドといえば、sasaの卒論テーマでしたよ。
同性愛者の象徴的存在です。

今でこそ、確固たる位置にいる美輪さんですが、
ここにくるまでには、普通の人には耐えられない迫害にあったろうに、
それでも自分を貫き通したところがやっぱり化け物ですね。

たくさんのメタファーが散りばめられていて、
美輪さんの歴史、神話、小説、宗教、原爆…などなど
sasaにもっと素地があれば、理解は深まったでしょうに
というのはよく思うことです。

2 Thoughts on “NODA・MAP 第18回公演 「MIWA」

  1. ややや on 2013年12月31日 at 1:05 PM said:

    ご感想、ありがとう。
    いろいろ要素の多い舞台だったのね。
    興味がわいたのは、瑛太と井上真央ちゃん。
    一度生で拝見したい。
    野田さんは『The Bee』でも印象的だったよね。

  2. ★ややちゃん
    テレビでも普通に素敵だけど、舞台がいいと「お〜!」と思うよね。
    特に瑛太は「最高の離婚」のダメダメぶりもよかったしね。
    りえちゃんもテレビに出てるのは勿体無い!

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