ミュージカル『スリル・ミー』


■日時:2023年10月11日(火)19:00 休憩なしの100分
■会場:キャナルシティ劇場 K列サイドブロック
■出演:尾上松也、廣瀬友祐

噂には聞いていたこの作品、遂に見ることができました。
福岡に来たのは2組で
大人チームにしてみました。

「私」(尾上)が「彼」(廣瀬)のことが好きすぎて
気に入ってもらおうとなんでも言いなり。
「彼」はサイコパスで、最初は放火くらいだったのが
物足りなくなり殺人へ。
その理由はただ「スリルを味わうため」。
「彼」の方は「私」を好きというより
「私」を振り回すことが好き。
それに快感を覚えている。
冷たくすれば嫉妬にかられ、キスすれば舞い上がる
「私」の様子を楽しむ。

「私」は「彼」を誰にもとられたくない、
なんとかして自分の方を振り向かせたい
だから、そのためならどんなことでもする。

35年前の事件で無期刑になった「私」が
釈放のための審問を受ける
という設定でお話は始まります。
暗転のたびに、審問中の今になったり、
35年前になったり。

この時間の行ったり来たりと
ふりまわす「彼」と
ふりまわされる「私」
で、100分間観客も右に左に揺すぶられ
ずっと緊張が続く。

殺人の犯行現場に眼鏡を落としてきた
と、犯行が発覚することを恐れる「私」。
その恐れを「彼」に語るうちに
「彼」と「私」が共犯者であることで
一体感が深まってくる。
このあたりから、あーこれは「私」の術中にはまったな
ということが分かり始めてきた。

そして、その通り、全ては一緒に投獄されるため
ずっと一緒にいるための
「私」の策略だった。
最後に勝ったのは「私」。

あんなに強気で上位にいた「彼」は
すっかり強さを失い、
牢獄の中で消えていく。

結果、「私」も「彼」も幸せにはなれなかった。

とても面白かった。
二人だけのやりとりで魅せる舞台。
過去でいれば、松下×カッキーペアが伝説だけど、
成河×福士も見たかったなあ。

ペアを変えて何度でも観たくなる。
なんてうまくできた作品なのでしょう。

けど、福岡公演は席が全然埋まってなくて、
地方はこんなだからなかなか来てもらえないのかなあ。
福岡ってがんばってるつもりだけど、
まだまだだなあ。
発売から少し経っての購入だったのに
そこそこいい席があっさり取れたし。

この日はトークショーもありまして、
松也さんが言うには
「廣瀬くんの『彼』の威圧感がすごい。
どうやってぶち破るか」

確かに鋼鉄のような存在感でした。
美形でプリンスっぽいのに、
あんなに強くて冷徹なキャラがあうとは思ってなかった。

トーク自体は松也さんの方が慣れてるから
廣瀬さんはいろいろ振られても反応薄かったのですが、
実はポツリと話すことが無茶苦茶面白い。

鋼の「彼」とのギャップがすごくて魅力的でした。

他のペアでもぜひ観たい。

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