Category Archives: おでかけ・イベント

舞台『真夏の夜の夢』

■日時:2020年10月17日(土)19:00 約2時間
■会場:東京芸術劇場プレイハウス D列24番
■原作:ウィリアム・シェイクスピア
■潤色:野田秀樹
■演出:シルヴィウ・プルカレーテ
■出演:鈴木杏 北乃きい 加治将樹 矢崎広
今井朋彦 加藤諒 長谷川朝晴 山中崇
河内大和 土屋佑壱 浜田学 茂手木桜子
八木光太郎 吉田朋弘 阿南健治
朝倉伸二 手塚とおる 壤晴彦

原作を読んだことがなく、
妖精パックが目を覚まして最初に見た相手を好きになる
「惚れ薬」を塗って、恋人同士がてんやわんやする喜劇
程度の認識。

が、野田秀樹が大幅に潤色して
さらにプルカレーテが演出してるから
あまり気にしなくてよいのかも。

お席は2列目でして、こちらの劇場は
発売時の1席空けのルールを継続して
きっちり左右席空いてました。
この点、発売日購入の観客には、とても嬉しく
劇場へのイメージアップしました。

舞台は老舗割烹に移されていて
全員白メイク。
妖精パックはいたずら好きの可愛いイメージかと思ったら
手塚とおるさん配役という時点で十分怪しい。
そこに「ゲーテ」ファウストが入って来て
ますます話をかきまわす。

主演は実力派・鈴木杏ちゃん。
すっかりテレビやめて舞台の人だよねえ。
下着同然の姿でステージをジャンプしながら駆け抜けていくんだけど
肢体がきれいで伸びやか。
矢崎広くんもジャージーで歌うかと思えばシェイクスピアでもご活躍。

結局全部もっていったのは
メフィストの今井朋彦さん。
最初はパックと一緒に人間を混乱させてると思ったら
パックまで閉じ込めちゃった。
まだらの白塗りのお顔に、
台詞をどこのともわからぬイントネーションでしゃべるので
如何わしさ極まりないのです。
身体の動きもなよなよシナシナ。
人間のダークな部分をあぶりだしてくる。

最後はまとまるのだけど、
いくら夜のお話とはいえ、
暗くて陰惨で、
なんだか嫌なモヤモヤ感が残されたけど
面白かった。
今井さんもっと見たい。

ミュージカル『ビリーエリオット』大阪公演 その3

博多弁について。

ビリーエリオットでは、田舎町を表現するのに
言葉は博多弁が使われています。
これ、博多弁ネイティブのsasaからすると
正直わざとらしい、不自然。
こういうのは普通に標準語でよくない?
気が散って集中力がぶれる。

そんな中、
今回の安蘭キンソン先生と、阿知波おばあちゃんの博多弁
不思議なことに自然なのです。
安蘭さんこれまで何度か舞台拝見したことありますが、
お芝居の上手な方なんだと今ごろ気づく。
それも、sasaが観ただけでも
ひょうたん島、アントニーとクレオパトラ
アリスインワンダーランド、と振れ幅も大きい。

歌も声がクリアで上手。
柚希さんは声がハスキーなので、
安蘭さんのクリアな声が聴きとりやすい。
安蘭キンソン先生好き♪

もう一人阿知波さんの博多弁、
なんでだろう、すごく自然なの。
イントネーションを強くする部分が正しいのかも。
他の方が博多弁を強調しようと強くしてくる部分が
「そこ違う~」って思うことが多いからね。

あちゃ~っと思った博多弁がさとし父ちゃん。
さすがミュージカル俳優さんなので歌声がいいし
歌詞台詞もきちんと伝わる。
が、クリスマスの夜にウィルキンソン先生を訪ねるシーン、
「(ビリーは)ほんまに才能あるんか?」

いやいや、「ほんまに」は関西弁でっしゃろ。

目玉シーンのひとつである
Expressing Yourself
ここ文句なしに楽しいよねえ。
そしてマイケルのダンスの上手さが光る。
ダンス自体はビリーより軽やか。
ダンス、演技、歌の総合力がビリーなのでしょうね。

そして、マイケルのパパが照井さんでした。
ということは、母ちゃんの服をよく着ているのが
テリー父ちゃんってこと?
照井さん、フィナーレで踊りまくってるのが
はしゃいだ少年のようで可愛かった。

再演では慣れてきたおかげで
バレエガールズの様子も見る余裕があった。
奇妙な踊りと変顔のスーザン・パークス、
ぽっちゃりのトレイシー・アトキンソン
どちらも初演と同じキャストさん。
替えの効かない要の役ってことでしょうね。

ラストの旅立ちのシーン
マイケルが見守る中、ビリーはトランクを持って
客席下り。
ビリーは帽子に加えてマスク…

以上、ご視聴ありがとうございました。

ミュージカル『ビリーエリオット』大阪公演 その2

なかなか書けずお待たせしております。
って誰を?
それではつづきを。

sasaのお目当ては当然大貫勇輔くん。
最近はすっかりテレビの常連さんですが、
やっぱり大貫くんは舞台よねえと思う。
舞台上の表情がとてもいいのよ。
お顔が上向きで笑みをたたえ、誇らし気で楽しそう。
とても生き生きしているの。

そして前期は気づかなかったのだけど、
大貫くん冒頭から出演してるのね。
オールダ―ビリーに支障のない部分は最大限登場してる。
炭鉱夫にも警察官にもなる。
もうねえ、これに気づいてしまうと
大貫くん探しに必死になってしまう。
「Solidarity」では、足首を曲げる角度が相変わらず好き。
白鳥の湖でときどき視線をあわせてビリーに気遣いながら
2人で舞う美しいシーン。
ここは太一くんが良かったなあ。

で、今回はダブルキャストが永野さん。
永野さんも「GQ」組だし、ミストフェリーズだから楽しみ。
と言いつつ、お顔をちゃんと認識してなかったの。
が、ダンサー好きのsasaですもの、すぐにわかりましたわ。
sasaが好きなのはソロパートはもちろんですが、
群舞の時に明らかに光を放つ姿を追うことなのです。
その意味で、永野さんも光ってたのですぐみつかりました。
そして、お顔がとても端正なのね。
再演の大貫くんよりは表情が硬いけど、
美しいままのお顔なので後方にいてもわかる。

今回大好きになったシーン
「おばあちゃんの歌」

正直ねえ、前回はおばあちゃんの歌なのに長すぎる~!
と思っていたのです。
が、ここで見るべきは男性陣のダンディなダンス。
おじいちゃん役が大貫くんであることに
前回は気づけてたのかなあ。
ここ見落としてたとしたら勿体なさすぎる!
帽子を斜に被り煙草をくゆらせながら入れ替わっていく。
最後は窓から一人ずつスルリと消えていく様もカッコいい。
とても美しいシーンです。

前回のダブルキャストはバレエ専門の栗山さんだったけど、
今回はやっぱり全シーンに出られる人が選ばれたのではないかな。
素晴らしいダンスは白鳥の湖だけではもったいない。
他のシーンもグンと輝くもん。
永野さんならお芝居もダンスもできるわけだし。

お2人とも白鳥の湖のシーンは、
ビリーちゃんたちがかわいそうになるくらい
圧倒的なパフォーマンス。
ビリーちゃんたちがどれだけ頑張っても
やっぱりプロは違うなあと力量の差を見せつけてくれます。
ちょっと酷だけど、
あんな素晴らしいオールダ―ビリーになることを夢見て。

まだちょこちょこ書きたいのでつづき書きます。

ミュージカル『ビリーエリオット』大阪公演


■日時:2020年10月31日(土)17:30、11月1日(日)12:00、17:30
■会場:梅田芸術劇場
■出演:
ビリー/川口 調 利田太一 中村海琉 渡部出日寿
お父さん/益岡 徹 橋本さとし
ウィルキンソン先生/柚希礼音 安蘭けい
おばあちゃん/根岸季衣 阿知波悟美
トニー/中河内雅貴 中井智彦
ジョージ/星 智也
オールダ―ビリー/大貫勇輔 永野亮比己

森山大輔 家塚敦子 板垣辰治 大竹 尚 大塚たかし 加賀谷真聡 齋藤桐人 佐々木誠 高橋卓士 辰巳智秋 茶谷健太 照井裕隆 丸山泰右 倉澤雅美 小島亜莉沙 竹内晶美 藤咲みどり 井坂泉月 井上花菜 出口稚子

河井慈杏 菊田歩夢 佐野航太郎 日暮誠志朗 小林 桜 森田瑞姫 森田 恵
北村 栞 下司ゆな 咲名美佑 佐藤凛奈 髙畠美野 並木月渚 新里藍那 古矢茉那 増田心春 柳きよら
石井瑠音 高橋琉晟 大熊大貴 豊本燦汰 西山遥都

ビリーズ4人のうち3人観劇。
各回キャストはこちら
◆10月31日(土)17:30

◆11月1日(日)12:00

◆11月1日(日)17:30

まあ、いろいろ思うところはあって何から書くか迷うけど
ど真ん中、ビリー3人について
sasaの勝手なレビューを書かせていただきます。

最初が太一ビリー。
最初の歌い出しから歌はちょっとかなあ。
滑舌もあまりよくない。
初演の航世くんも観てないのでイメージだけですが、
表情が淡泊。
バレエダンサーは感情を内に秘めちゃうのかな。
が、バレエ出身なだけに、全ての動きが綺麗。
ジャンプもダントツ一番高い。ふわりと空に舞う。
白鳥の湖の天空をクルクル舞うシーンは見事だった。
それと、ラストのマイケルに呼ばれてステージに駆け上がり、
マイケルに走り寄るシーン、脚の運びが美しい。
全ての所作にバレエが出るのだねえ。

次は調ビリー。
インタビューでは滑舌が悪いって言ってたけど
そんなことないよ。
クリッとした目で表情がとてもいい。
可愛かったのは、おばあちゃんとのシーンで、
歯磨きするんだけど、コップに入れた歯ブラシが飛んだ。
拾うけど床が跳ねやすいのか歯ブラシが跳ねる。
焦る!
急がないとおばあちゃんがカビの生えたパン食べちゃう!
パンを取り上げるために走っていかないといけないのよ。
焦っただろうに、ちゃんとコップに歯ブラシ入れて
間に合った。
ここめちゃ可愛かった。
バトンって見たことないけど、きっとチアのように
表情豊かに演技するんじゃないかな?
演技経験もあるようだし、気持ち伝わるビリーでした。

そして海琉ビリー。
最初の歌い出し、上手い!
声がとても響く。
ボーイソプラノユニットで活動してるのね。
そしてタップも得意だからブギもアングリーダンスも安定してる。
怒りが溢れていてとても良かった。
メインビジュアルは海琉ビリーだから
一番華があったのでしょう。

個人的には調ビリーが一番お気に入り。

3人とも椅子を回しながらの白鳥の湖、
綺麗に回ってました。
自粛期間もいっぱい練習したんだろうね。

正直なところを書きますと、
初演の晴翔くんほどのスターがいなかった気がする。
不運なことに座席数を半分にしてチケットが売り出され、
規制緩和で慌てて追加発売になったものの
まだ警戒する人が多いのか買い足すファンが少ないのか
売れ行きはいま一つのようで
ロビーには割引のリピーターチケットの告知が並んでました。
やはりお客さん少ないと、拍手も少ない。
声が出せないから声援も送れない。
もっと応援してあげたかった。

他にもろもろありますので、また書きます。

ソニン20周年ライブ「Cheers」その2

ちょっと突っ走り過ぎましたが、みなさんついてきてますか?
それではつづきを始めますね。

ソニンのソロアルバムより
*「好きな人だから」
*「ほんとはね。」

ごめんなさい。歌手ソニンの歌は正直馴染みがなく…。

次に、新曲のお話になりました。
良くも悪くもソニンの代表曲である
「カレーライスの女」。
20周年ではそのアンサーソングの歌にしたく
楽曲をつんくさんに依頼。

この時期なのでメールのやり取りで制作を進めて行き
その中で…、

この内容はプライベートなメールでの話なので
つんくさんにも話してよいか確認した上での
公開ということでしたので、
sasaも書かせてもらいますね。

長いメールの中で突然出て来たつんくさんからの言葉…

ここでソニン、言葉に詰まってしまいました。
なんとか気持ちを抑えて絞り出した
つんくさんからのメッセージは

「声を大事するソニンには頑張ってほしい」

衝撃でした。聞いてるだけでグッとこみ上げる。

ソニンが普段バラエティなどで
異常なほど喉のケアに気を遣っている話をしているので
それへの言葉だったそうです。

*カレーライスの女
コンスタンチェのブルーグレーのドレスの衣装のまま
白いギターをかき鳴らす。
カッコいいです。

*シングルベッド
ソニンの気持ちが伝わってくる。

そして、
キンキーの話はあえてしないだろうと思っていたのですが、
きっと何か話すのであればソニンだけのために集まったファンの前で
と決めていたのかな。
ソニンにとって記念すべき20周年の10月18日
そのちょうど3ヵ月前があの日でした。

ソニンの思いはとても他人が想像できることではないので
実際の言葉だけ
「今思うのは、彼の魂が解き放たれてくれていればいいと願う」

そして「春馬へ」と空を見上げて歌いました。
*キンキーブーツ

ソニンの気持ちが溢れていて
こちらはもうずーっと涙が止まらない。
でも見事に歌い切るソニン、プロです。

ここで本編終了。

アンコール
*新曲「ずっとそばにいてね。」

歌手としてデビューしたソニンの
意外なトークがありました。

SPEEDに憧れて入った芸能界、
という話はよく聞いていましたが、
ここでソニンが話したのは
「大きな会場でコンサートをするという夢が果たせていない」
という思い。
そこには歌手ソニンを応援してくれたファンやスタッフに
申し訳ないというニュアンスも感じられました。

え~!大劇場の真ん中に立って、
トップ女優になって
みんなを幸せな気持ちにさせてくれて、
迷いなく突き進んでいるのかと思っていたのです。
そんなこと考えていたなんて驚きでした。
人の胸の中は他人には計れないものなのですね。

でも今に安住することなく
新たな高みを目指していくからこそ
今のソニンがあるのでしょう。

配信があることなどよく調べずに申し込んだのですが
やはり生は違いました。
マスクの上の目しか見えない観客に
ソニンは何度も「楽しんでくれてるかな?」
と呼びかけます。
でもついつい出てしまう笑い声とか
鳴りやまない、ほんとに感動のあまり止められなかった拍手
とかに私たちの気持ちも伝わったと思う。

これからどういう方向に向かうかわからないけど
ついてきてね、
みたいなメッセージで
20周年ライブは締めくくられました。

はい、どこまでも。