Category Archives: おでかけ・イベント

舞台『外の道』

■日時:2021年7月11日(日)14:00 1時間55分
■会場:北九州芸術劇場 中ホール K列サイドブロック
■作・演出:前川知大
■出演:浜田信也、安井順平、盛隆二、森下創、大窪人衛、
池谷のぶえ、薬丸翔、豊田エリー、清水緑

Introduction(公式HPより)
同級生の寺泊満と山鳥芽衣は、偶然同じ町に住んでいることを知り、二十数年ぶりの再会を果たす。
語り合ううちに、お互いに奇妙な問題を抱えていることが分かってくる。
寺泊はある手品師との出会いによって、世界の見え方が変わるようになる。
芽衣は品名に「無」と書かれた荷物を受け取ったことで日常が一変する。
無は光の届かない闇として物理的に芽衣の生活を侵食し、芽衣の過去を改変していく。
二人にとって、この世界は秩序を失いつつあった…。

はじめてのイキウメ、予想通り難解でした。

感じ取ったのは2つ。

手品を見る。
きっとタネはある、
よくわからないけど、
「手品ってそういうもんだ」で納得する。
人はよくわからなくても多くの場合
「そういうもんだ」で済ましている。
突き詰めることってどうなんだろう。
それはメンドクサくてダサいのかもしれない。

芽衣に「無」という荷物が届き、
どんどん生活を侵食していく。
上演中も、かなり長い時間、会場が暗転し、
真っ暗闇になる。
観客も「無」の世界に落とされる。
そこから這い上がるのに必要なのは「想像力」。
芽衣は「あるもの」と思って想像の手すりをつたい、
光ある世界に戻る。
それはこれまで当然だった秩序が崩れ落ちた
今に通じるものかも。
すべてが消え、「無」となった世界からどう進むべきか。
寺泊と芽衣は、怖いねと言いながら無に飛び込み、
ラストは光=希望が見えた。
想像力→想像力で乗り越えられるというメッセージかと。

役者さんたちは、ナイロンでおなじみの池谷のぶえさん以外は初見。
安井順平さんはなんとなく見たことあるなあ、くらい。
まあ、この主役2人がベテランで安定してますからね。

豊田エリーちゃんは柳楽くんの奥様。
やっくんの息子さん薬丸翔さんは、
立派なアラサーなのね。
声が低めでよかったです。

イキウメ前川さんは、舞台好きには人気の演出家で
一度は拝見したいと思っていました。
でも、やはり凡人にはちょっと難しかったな。

ギンギラ太陽’s×劇団ショーマンシップ『PEACE HILL2~東京オリンピック奮闘記~岡部 平太物語』

■日時:2021年6月6日(日)13:00
■会場:西鉄ホール
■出演:仲谷一志 大塚ムネト 生田晃二 杉山英美 上田裕子 宗真樹子
栗野直樹 山口泰弘 福澤究 大城真和 東沙耶香 松尾佳苗 古澤大輔
米倉佳奈 溝田優 久保美月 荒木ロンペー 北田祥一郎 ゴリけん 立川生志

1か月以上経ってしまいました。
久しぶりのギンギラ公演と思って行きましたが、
笑いというより、歴史を紐解く講談のようでした。

「PEACE HILL」
分かりますか?
福岡に住んでても気付かなかった。
「PEACE」→平和
「HILL」→台
そう、平和台です。
福岡での国体の立役者となった岡部平太という人についての
伝記でした。

今でもそうですが、日本人の好きな
「根性論」ではなく、
アメリカ留学で得た知識と技術で優秀な人材を育て上げる。
当時の日本では相当叩かれたようです。

こういう人がいたことさえ、
知らなかったです。

こういう人によって今があることを
オリンピックのこの時期に伝えかったのでしょうね。
カテコの皆さんは晴れやかなお顔でした。

次回は、ギンギラ単独の解体されるイムズがテーマ。
涙と笑いになることでしょう。

舞台 『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男』

■日時:2021年6月13日(日)12:00
■会場:久留米シティプラザ 1階O列サイドブロック
■演出:白井晃
■劇作・脚本:中島かずき
■音楽:三宅純
■出演:稲垣吾郎 中村橋之助 橋本淳 牧島輝 落合モトキ 藤原季節
清水葉月 智順 藤田秀世 有川マコト 松澤一之 田山涼成 榎木孝明 他

お話が面白そうだったけど、
チケット代の高さに諦めていた公演が
ここにきてたたき売り状態になっていました。
遠征を取りやめた方が多かったのかな。

ということで直前に手にしたチケット、
これが大当たり!
素晴らしい作品でした。

まあ、この時代の世界観、もともと好みではありますが、
重厚で濃密なお話に感嘆いたしました。

パリで唯一の死刑執行人サンソン。
冷酷無慈悲に殺していくように思われますが、
人間ですのでそんなことはなく、
いやむしろ、自分が職を失おうとも実は死刑廃止論者なのです。

当時は、斬首は貴族だけの特権で、
市民は車裂きなどの残酷な刑となり、
それは公開で行われ、鬱憤のたまった市民の娯楽となっていた。
斬首にしても、失敗すれば何度も刀を振り下ろすことになり
処刑者に多大な苦しみを与える。
そのためには日々身体を鍛え、
一気に振り下ろせる力と技術を常に保持しなければならない。

世間が不穏になり、処刑者が増え、
パリでただ一人の死刑執行人サンソンだけでは手に負えない。
そして絶対に失敗はできない。
何より、貴族か市民かという身分によって苦しみが違うのはおかしい、
平等で人道的な執行法を、
ということで
サンソンと協力者たちで
ギロチンを開発する。

その前に伏線がありまして、
サンソンがルイ16世のもとに参じた時、
ルイはオルゴールを作っていて、
もともと物を作ったり物理が好きだという話をする。

サンソンがギロチンの話を最初にした時も、
そこには刃の重さと高さが重要だということを
ルイは即座に理解し、
実際に試作の話の時には、
刃を斜めにした方が確実に切れることを指南する。

自分も制作に関わったルイが
自身もそのギロチンにかけられようとは。

ルイ自身は、処刑者であっても無駄な苦しみを与えるべきではないし、
市民の怒りを荒立てることは避けていた。
サンソンはそんなルイの聡明さを敬愛した。

これまでレミゼの市民・革命家の視点で見てきたことが
ルイの人柄や姿勢が描かれると
全く違う見え方になってくる。

市民の側も興奮し、
スパイ探しに懸命になり
魔女狩りのようなことになってくる。

無実も含め、処刑者の数は加速する。

ここでサンソンは苦悩する。
ギロチンで処刑がしやすくなったことが
処刑者を増やしているのではないか。

確かに時代的に罪人が増えたのはあるが、
果たしてそれだけか?

当時、死刑執行人は世襲制であり、
サンソン家は代々その職を受け継いできた。
サンソンも、法の、国の命令に従って
職務を遂行してきたわけです。
死刑執行人として世間から誹謗されるが、
実際に刑を決めたのはサンソンではなく裁判官です。

敬愛するルイの首も職務として刎ね
その後も3000人の刑を執行します。
戦争が人の心を狂わすように
正気でいられる方が不思議な仕事。

それでも職務を全うし、
これまで自分が執行した人たちの回想のうちに
舞台は幕を閉じました。

sasaがよく書いているように
ストプレはテーマが難しいことが多いので
よく置いていかれます。

でも、この作品では
世界史の知識が曖昧であっても
カタカナの登場人物たちの人間関係も
市民が何に怒っているかも
サンソンの心の動きや葛藤も
ほぼクリアに理解できました。
それぞれの思いにも共感できました。

これはひとえに
演出白井晃氏と脚本中島かずき氏の力だと思います。
衣装も舞台も美しかった。
音楽も深淵だった。
東京公演は途中から、大阪公演はすべて中止になった時でも
お稽古は続けていたそうです。
久留米公演は無事に駆け抜けました。

ほんとにその場にいられてよかったと思う
素晴らしい作品でした。

山田堰~中村医師に想いを馳せる


「山田堰」と聞いておわかりでしょうか?

中村哲医師がアフガニスタンの治水の参考にした
福岡の堰です。

高校の同級生がずっと行きたいと言ってまして、
こんな時期ですが、GWに1日だけ外出しました。
観光地ではないので、人込みは皆無です。

3月にできたばかりの中村医師の記念碑。

速い川の流れをそのまま真横に堰き止めても
流れの強さに押し流されて止まらない、
が、そこを斜めにすることによって、
勢いを緩やかにし、田畑に流れる用水路の道を作る。

ずっと干ばつを飢饉を繰り返してきたこの土地が
山田堰によってできた堀川用水によって、
安定した水が供給されるようになったのです。

山田堰がマルワリード堰に活かされていることは
並べてみればわかりますね。

中村医師が山田堰で参考にしたのは、
この斜交と、もう一つ、
重機がなくても地元民が手作業で堰を補修できる蛇篭。
これの実物も見たかったのですが、
今はコンクリで固められてました。

川の流れを見ながら、同級生3人で
200年以上前の先人の知恵、
遠く離れたアフガニスタン・マルワリード堰、
中村医師、
に想いを馳せました。

茶房わらび野@篠栗でお茶


食後は友達もチェックしていたこちらのカフェ
「茶房わらび野」さんで。

こちらすごい人気で、
到着した時点で駐車場もいっぱい。
警備員さんが順番に受付してくれます。
車の中でそのまま待ちます。

一面ガラス張の窓から見える眺めは圧巻☆

干し柿とブドウのクリームチーズ寄せ(700円)と
ホット抹茶ミルク(700円)

干し柿と
ブドウと
クリームチーズ
斬新な組み合わせでした。

さっきのカレーを友達がごちそうしてくれたので
これはsasaが!と思ったら
トイレに行ってる間に会計済ませていた。

ガソリン代って言うけど、
こんなにしてもらったら満タン分でもらい過ぎだよ~!
無職だから心配してくれてるのかな、
ごめんね。

茶房わらび野
福岡県糟屋郡篠栗町若杉20-1