Category Archives: ミュージカル・お芝居

ミュージカル『モーツァルト!』


■日時:2024年11月5日(火)12:00
■会場:博多座 I列サブセン
■出演:古川雄大、真彩希帆、大塚千弘、涼風真世、山口祐一郎、市村正親
未来優希、遠⼭裕介、松井 ⼯、中⻄勝之
朝隈濯朗 安部誠司 荒木啓佑 奥山 寛 後藤晋彦 木暮真一郎
田中秀哉 西尾郁海 廣瀬孝輔 港 幸樹 山名孝幸 脇 卓史
彩花まり 池谷祐子 伊宮理恵 樺島麻美 久信田敦子
鈴木サアヤ 原 広実 松田未莉亜 安岡千夏 柳本奈都子

久しぶりのモーツァルト。
自分の記憶がなくなってるのか
ほんとに演出が変わってるのかわからない。

ピアノの形のセットが表裏と変わって舞台転換する。

推しがいないし、チケット高騰に手が出ないし
この1回きりです。

京本くん人気なので、なんとなく古川くんにしました。

古川くんあんまり得意じゃないし
今回は作品として楽しもうと思っていましたが、
歌が上手でびっくり。

大好きな「僕こそミュージック」ってあんなに序盤に出るんだっけ?
まあ王子やアッキーと比べたらあれだけど
以前他の作品で古川君の歌を聴いた時よりずっと上手で音程正確。

遠山さんシカネーダーも新鮮でした。
ダンスはもちろんのこと歌もいい感じ。

古川くんはカテコのご挨拶も余裕があって
程よくボケてて面白い。
今の新星トップといえば古川くんか甲斐くん?
王子はもうひとつ上の段階にいったのかもね。

ヨーロッパ企画第43回公演「来てけつかるべき新世界」


■日時:2024年10月25日(金)19:00 130分(休憩なし)
■会場:キャナルシティ劇場 G列センター
■作・演出:上田誠
■出演:石田剛太 酒井善史 角田貴志 諏訪雅
土佐和成 中川晴樹 永野宗典 藤谷理子 /
金丸慎太郎 町田マリー 岡田義徳 板尾創路

2016年初演作品の再演と言われれば期待します。

で、見始めたら、
んん?
これは吉本新喜劇か?

実際それをやってみたくてできた作品らしい。

新世界は大阪の「新世界」でもあり、
きたるべきニューワールド=AI世界
でもある。

8年前の作品なのに、ドローンやらファミレスのロボット店員やら
未来を予見したような設定。
そこに、初演であったかどうかわかりませんが
メタバースやらAIやらが
猥雑な大阪の町を舞台に登場するという
ちぐはぐ感はいいですね。

今回も群像劇ですが、前作のジャックのような
詰め込み過ぎな印象もなく
なにやってんだよ~みたいな温かい感覚で見てました。

そして、主演の藤谷理子ちゃん、素晴らしいなあ。
声が通るのが一番ですが、
若いのにおじちゃんたちを仕切って気持ちいい。

sasaはカテコで役者さんが腰から折り曲げてご挨拶をするのが好き
なのですが(いやそれって王子のことですけど)
理子ちゃんはぺったり頭と脚がくっつく折れ曲がり方で
身体柔らかいなあと思ってたら、バレリーナ目指してたみたいですね。

ヨーロッパ企画は男性だけでいいなあと思ってたけど
理子ちゃんなら仕方ない。
というか、もはや理子ちゃんはリーダー的存在なんだろうな。

映画上映 ギンギラ太陽’s「超時空地下街テンチカ 七隈線で別世界へGO!」

■日時:2024年10月5日(土)14:00
■会場:福岡市立南市民センター

ギンギラの舞台の映像上映会がありまして
情報ゲットして、申込開始日には勇んで申込みました。
無料なのに、結局ぎりぎりまで募集してたので、
なかなか埋まらないもんですねえ。

地下街と天神のデパート、ビルたちのお話です。
いつものように主宰・大塚さんの丁寧な時代考証の上に作られていて
地下街のデザインとか石畳の採用とか
福岡民ならほお~と思う内容。

「福岡にしかわらない演劇を」という通り、
ほんと福岡以外の人が見てもあまり面白くないだろうな。

会場の南区市民センター、初めて行ったのですが、
いつできたのかしら?
新しくてとてもきれい。
快適に鑑賞できました。

舞台『破門フェデリコ ~くたばれ!十字軍~』

■日時:2024年9月21日(日)12:00
1幕70分 休憩20分、2幕70分
■会場:久留米シティプラザ グランドホール H列センター
■作:阿部修英
■演出:東憲司
■出演:佐々木蔵之介 上田竜也 那須凜 栗原英雄 田中穂先 石原由宇
磯部莉菜子 加賀谷奏音 熊野義貴 増山海里 山崎類 渡辺はるか
六角精児

ざっくり言うと、キリスト教とイスラムの戦争を、
一滴の血も流さず「エルサレム無血開城」で終わらせたリーダーのお話です。
血を流すくらいなら金とか物で解決。
ローマ教皇から十字軍を率いよと言われても
のらりくらりとかわし、
いやそういう無駄な時間も計算づくだった。

チラシを観た時は、暴君かと思っていたら、
いやいやとてもクレバーで命を大事にする君主ではないか。
頭が良すぎて、息子にはついていけず親子の溝は深まり、
互いの思いがやっと通じた時には既に遅し。

戦争をやめさせるためにはなにをされても報復しないこと!
を説き続けるけど、
報復せずにぐっと我慢していると攻撃は続くというのがやるせないところ。

世界史と宗教という、sasaにとってのいつもの鬼門でしたが、
今回はとてもわかりやすく面白かった。
そして佐々木蔵之介さんのかっこいいこと!
話自体は重たいものなので、
場を和ますためかときどきおやじギャグが挟み込まれていて
それもとてもチャーミング。
凄みもあるし、狂気もあるし、テレビより舞台の役者さんだ。

「言葉」が大きなカギにはなっていて、
もし赤ちゃんが言葉を学ぶことないままだったら
新しい言葉が生まれるのか?
0と1だけでコミュニケーションが成立するのか?
貴重な書物を守るため中身をすべて頭の中で記憶する、
世界は共通言語(宗教)であるべきなのか?
などいろいろ提起はされたけど、全てが回収されたのかは
確認できなかった。

イスラム君主の栗原さんは立派な人格者がはまってたし
女官役の那須凜さんはとってもしっかりした芝居をされるし、
田中穂先さんというのは、「劇団柿喰う客」の方なのね。

客席はおそらくかなりの人数が上田くんファンで埋まってたと思われ、
そうでない者にとってはチャラいイメージの上田くんにしては
かなり真面目なハインリヒとはキャラ違う気がしましたが、
鼻が高い西洋風なお顔立ちは金髪カツラも含めてとてもよく似合う。
マントもねえ、翻しが多くてちょっとウザってなったけど
お芝居自体は台詞もよく聞こえたし、動きがいい。

アンサンブルさんたちはほぼダンサーだったのかしら。
ステージングに平原慎太郎さんが入ってたし、
ダンサーさんたちの役割が大きかった。

わからなかったのは、
息子ハインリッヒが今際の際で、
自分が殺されたからと言って決して報復はしないでくれ
と父フェデリコにお願いをしている時に、
(ここ、上田くんの行き絶え絶えの演技がちょっとうるさかった)
瀕死の息子を腕にかかえたフェデリコが
全く動揺せずに淡々としてたところ。
愛する息子の最期になんであんなに他人事のようなお芝居だったんだろう。
ハインリヒの大事なシーンだから華もたせたのかなあ。
それにしても、あの無関心ぶりは違和感あった。
どういう意図なのか知りたい。

テーマとしては「友愛」、
息子との愛、イスラム君主との友情、人類への愛、
というありがちなものでしたが
これがしっかり伝わって、
帰り道はすっきりした気持ちと多幸感に包まれました。

こういうのが観劇の醍醐味ですな。

万能グローブガラパゴスダイナモス第33回公演『月ろけっと』


■日時:2024年9月13日(金)19:00
■会場:西鉄ホール E列 20番
■演出・作:川口大樹
■出演:椎木樹人 / 横山祐香里 / 山崎瑞穂 / 石井実可子 / 野間銀智 / 澤柳省吾 /
つじむらかほ/ 千代田佑季 / 田中琴子 / 青野大輔 / 富永真由 / 樅山幸音 / 杉山英美

sasaのガラパ初参戦だった作品の再演です。
これで一気にガラパファンになりました。
以前のアンケートで好きな作品の欄に書いたことがあって
再演してくれて嬉しい。

欲望に憑りつかれた人間の恐ろしさで笑いながらゾッとするブラックコメディ。
寿命と引き換えに様々な欲望の実現との交換を持ちかける悪魔
真面目な人間だったはずの主人公・カモメが、最初は全否定してたのに、
どんどん欲望のタガが外れて転がり落ちて行きます。
これを横山さんが全身で演じています。
その暴走ぶりはあっぱれ。

初演とメンバーは入れ替わってるし、
時代にあわせて細々と改変があってます。
悪魔たちは悪魔アイドルグループ化してて、
ピーピーきゃあきゃあ、
それをリーダーの山崎さんが絶妙な間でピリッとまとめる。

欲望メニューも結構変わってたよね。

オチはわかってるので、杉山さんの動きと台詞も
注意深くチェックしました。

知ってても全く問題なく面白かった。
確実にパワーアップしてたし。

このところ、あんまり当たり!と思うことがなかったけど、
これと「ナイスコントロール」は傑作だと思う。