Category Archives: ミュージカル・お芝居

ミュージカル『ある男』

■日時:2025年9月6日(土)12:30
■会場:福岡市民ホール 10列サイド
■原作:平野啓一郎「ある男」
■音楽:ジェイソン・ハウランド
■脚本・演出:瀬戸山美咲
■出演:
浦井健治 小池徹平 濱田めぐみ ソニン
上原理生 上川一哉 知念里奈 鹿賀丈史
碓井菜央 宮河愛一郎 青山瑠里 上條 駿 工藤広夢 小島亜莉沙
咲良 俵 和也 増山航平 安福 毅 植山愛結 大村真佑

面白かったです。
まあ、原作面白いからね。
映画よかった。

突然事故死した夫。
しかしここで、夫が夫でなかった
(戸籍の名前の人物ではなかった)ことを知る。
いったいあの男は誰だったのか?

ただ、原作のテーマはもっと多いから
入りきれない。
名前ってなんだ?戸籍、在日…

息子くんが「戸籍なんかどうでもいいから
お父さんがいてくれればいい」
みたいなところ泣けるわ。

そんな入り切れてないこと多いのに、
刑事が仕事中心で家庭を顧みないことに結構時間割かれてて
う~ん、そんなよくあるテーマは
この作品で重視しなくてよくない?
この作品ならではのテーマを深掘りしてほしかった。

あとねえ、お兄さん(上原)が亡くなった弟の家を訪ねる時
靴のまま上がって座布団に座ったの。
なんだそれ?雑すぎる。

作品いいし、素晴らしい役者さんが揃ってるのに
惜しい!

哀しみを讃えたソニン良かった。
あごのラインがキリっとしてて綺麗。

濱田さんは大阪のおばちゃんっぽかった。

鹿賀さん登場の時は拍手がおきました。
戸籍ブローカーというインチキ臭い役が
なんとも厭らし~くてね。
歩くのも大丈夫なのかとも心配したけど
あの独特な声もしっかり出てて歌もよかったわ。
さすがだね。

ミュージカル『ジャージーボーイズ』

■日時:2025年8月14日13:00 1幕80分 休憩20分 2幕80分
■会場:シアタークリエ 14列サイド
■出演
★チームブラック
フランキー・ヴァリ:中川晃教
トミー・デヴィート:藤岡正明
ボブ・ゴーディオ:東 啓介
ニック・マッシ:大山真志

いやあ、今や超激戦公演ですね。
行けるのがこの日マチネピンポイントだったにもかかわらず
奇跡的に取れました。ありがたい。

人気沸騰も納得の素晴らしさ。
4人の歌があまりに素晴らしくて泣けた。
完璧なんだもの。

それもクリエはちょうどよいサイズ感だよねえ。
福岡は久留米市シティプラザなんていう無駄に広い会場だったから
チケットの売れ行きもいま一つで
盛り上がりにも欠け、
きっともう福岡公演がコリゴリってイメージになってるんだよなあ。

アッキーが素晴らしいのはわかってたことだけど
感動的だったのが東くん。
王子のラジオに出た時にも想定外に上手で驚いたけど
ぐんぐんうまくなってる。
調べてみたら、歌の基礎を独学したり
個人レッスンに通ったりしてたのね。
素晴らしいです。

クズ男トミーの藤岡くんも、やっぱり声がいいよねえ。

花村くん好きだからチームグリーンも見たいし
イエローも見たいけど
そんな欲深いことは言いません。
なにせ安定のブラックだったのですから。

トークショー@『サルメ版 黒い十人の女』

8月12日マチネの後にトークショーがありまして、
登壇者はサルメの
石川湖太朗、小黒沙耶、西村優子、遠藤真結子

それぞれに担当があって
石川:脚本
小黒:音楽
西村:衣装
遠藤:制作

役については
★小黒:
他の9人と違い、妻という圧倒的な立場の違いをどうするかを考えた。
妻としては裏切られ続けているものの、
流産した時に自分も産めない身体にした風には負い目を感じている

★石川:
つかみどころがなく、ある意味道化のような役でもある風。
女たちは自己紹介があるけど、風は自分を語らない。
女たちについては、その他大勢にならないよう、全員をクローズアップさせた。

これについては納得。10人いても、それぞれのキャラがしっかり心に残っている。
三岸三郎:誰よりも風を好きだったよね。
四村塩:憎たらしくて可愛い
後藤五夜子:一番元気に動いてたけどなんだか寂しい
虫子:ずっと口をへの字に曲げていて本当に笑えないのかと思ったほど
櫛子:吃音役なだけに、言葉を大事にしたそう。
八代:強いけど、その分無理するほど頑張ってるんだよね
鈴木彩葉:テレビ局受付だけど風にカレーを運ぶのが支え
平佐喜子:読み聞かせがとてもきれいだった
松原もか:昭和のビミョーにださいアイドル

みんな心に残ってるよ。

サルメカンパニー第十回公演 『サルメ版 黒い十人の女』


■日時:2025年8月12日(火)14:00
       8月13日(水)16:30
■会場:シアター風姿花伝 自由席
■出演:
那須凜(劇団青年座):新劇女優、石ノ下市子
小黒沙耶(サルメカンパニー)
阿岐之将一(ワタナベエンターテインメント):印刷会社の跡継ぎ、三岸三郎
井上百合子(演劇集団円):コマーシャルガール、四村塩
西村優子(サルメカンパニー):テレビ演出家志望のAD、後藤五夜子
投元ひかり:テレビ局事務、虫子
遠藤真結子(サルメカンパニー):テレビ局衣裳部、櫛子
近藤陽子(劇団AUN・劇団晴天):エレベーターガール、八代
鈴木彩葉:テレビ局受付、七重
平佐喜子:脚本家、十糸子
松原もか(オールウェーブ・アソシエツ)
遠藤広太(サルメカンパニー)
丸山輝
柴田元
松戸デイモン(MADカンパニー)
石川湖太朗(サルメカンパニー、クリオネ)

あいしゅん(guitar)
藤川航(sax)
河野梨花(drum)

今回の遠征の目的はこちらです。
以前ドラマで観たことある「黒い十人の女」
その時は船越英一郎さんが10股かけてる夫役を演じてた。

時代は昭和。
華々しいTV業界のプロデューサー松吉風。
「風」という名の通り、ふわりふわり飄々と
女たちの間を渡り歩く。
女たちは風に妻がいることも、
妻は風に9人の愛人がいることも知っている。
中には親しくしている愛人さえいる。

そんな風を石川湖太朗さんは
軽薄で薄っぺらで、でもとにかく優しく
憎たらしくも愛されキャラで演じている。

ヒトラーの卑屈で冷酷なゲッペルスとは真逆だね。

奥様・双葉役の小黒さんがこれまたよくて
和服が似合い、ママ感もあって、
愚かな風を愛している。
二人の姿は本当に夫婦のようでした。
「あの人を完全に自分のものにできる人があるなら、
あげたっていい」
泣かせるねえ。

風も、双葉が死産で埋めなくなった時、自分も産めなくしている。
これを聞いた時ははただの優しさでなく、やはり妻が最愛なんだ
と思ったのだけど、
後から市子を口説く時に
「すぐ治せるって医者が言ってた」って。
な~んだ、その程度の覚悟だったのね。
やっぱり薄っぺらい。
「誰にでも優しいってことはね、誰にも優しくないってことよ」

「テレビは終わるわけないでしょう?」
昭和が終り、平成を過ぎ、令和となって、
なんとも苦笑してしまう。
当時は花形だったエレベーターガールも
ほぼ消滅してるしね。

これから先もどうなるかなんてわからない。

最終的に女たちは風を殺すのではなく
社会から隔絶して生きる目的をなくして抹殺した。
一方、女たちはそれぞれの道を進んでいく。

幕間はダンスと歌で休憩なし

きむすば劇場2025『オートリバース』

■日時:2025年8月12日(火)19:00
会場:こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
■作・演出:小林賢太郎
■出演:木村昴 浅沼晋太郎

遠征のここだけ空いてまして、
なにかないかなあと探してましたら
なんと「小林賢太郎」さんのお名前発見!
活動されてたんだ。

木村昴さん、大河でおみかけしてましたが、
ジャイアンなの?
浅沼さん全く存じ上げませんでしたが
お二人とも人気の声優さんなのですね。

オムニバス形式でミニコントが続き
二人ともずっと出づっぱり。
衣装替えもステージの左右に分かれて
客席から見える状態でおしゃべりしながら進みます。
この合間の会話も面白い。

公演終了までネタバレ禁止なので内容は書けないのですが、
ずっと笑いっぱなしでした。
特にね、あるスポーツ関連のコントが
ご本人も「どうして小林さんがあれをやれと言ったのかわからない」って
言ってたように、意味わからないし、
でも、それをちゃんとカタチにして成立させたのすごいわ。

小林さんの作品もっと見たい。

*会期終了後の追記:
・声優棒
・自由人と会社員
・肖像画と屋敷の執事
・囚人と刑務官
・審判と選手
・弟×兄
・ラジオパーソナリティー×リスナー