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映画『リメンバー・ミー』

話題なので観に行ったのですが
ミュージカル映画ではないのね。
歌満載かと思ってたら
音楽を禁じられた男の子・ミゲルのお話で
待てど暮らせど歌が出てこない。

お話もねえ、現世の人の思い出と死者の国との関係
間に架かる橋などのシステムが面倒で
正直眠くなってしまった。
理解力が落ちているのかしら。

で、後半やっと出て来たミゲル(石橋陽彩)の歌。
これはもうこれまでのダルさを吹き飛ばすほど見事!
台詞とはまた違った声色で、もっと太くしっかりしてて
音程が正確。
完璧です。

もしかしたら『フランケンシュタイン』の時の子ビクターで
見ていたのかもしれない陽彩くん。
注目です。

グレイテスト・ショーマン応援上映

ニュージカルファンにとっては、
拍手どき、手拍子どきに、じーっとしてるのはムズムズ。
こんな人、おそらく山ほどいるわけで、
映画館だけど声援拍手OKの特別上映企画です。
入口でサイリウム渡されたけど、
本来ミュージカルではサイリウム使わないんだけどね。

鑑賞4回目ですからね、暗記に近づいてきましたよ。
ネタバレ結構入ります。

最初のバーナムがポーズを決めるところは
あまりのカッコよさに泣けてきた。

バーナムがチャリティに求婚しにいくシーンは
2人の年齢が結構いってるのでちょっとおかしい。

娘ちゃんたちと屋上でふざけあい、
撃たれてズキューンと倒れるチャリティ超チャーミング。
この後の娘ちゃんたちとの食事シーンで
豆かなにかを投げ合うのも可愛いんだよねえ。
ミシェルウィリアムズほんとに可愛いわ。

フィリップをサーカスの仕事に誘う酒場のシーンは
バーナムとフィリップだけでなく、
バーテンダーとのバランスも素晴らしい。
ここのヒュー・ジャックマンとザック・エフロンの歌声が
バルジャンとジャベのように競り合っててシビれます。
タップが途中から足元アップになるのだけど、
ザックが踊ってるのかなあ。

一緒に歌ってもいいよ~♪ってことで、この企画では
歌詞は英文の字幕が出ます。
日本語訳は意訳してあるから、
原文そのままってのは自分なりの解釈ができる。
フィリップがアンの手を取るタイミングが
ちょうど「take a hand」のところだったことにも気づく。

サーカス小屋が焼け落ちた後の酒場にみんなが集まる
ダンスシーンは圧巻だよねえ。

サイリウム、最初はどう使ってよいかわからなかったけど、
それなりに使って盛り上がりました。
こっちが声援送っても、あちらが応えてくれないんだけどね。

2つ疑問だったことがあって
フィリップの父親が何故アンのことを「メイド」と呼んだのか。
当時は黒人→奴隷→仕える人種であり、アン兄妹はそれを逃れるために
空中ブランコという技を身に付けたのだろうけど、
白人に仕える身分ということで「メイド」と呼んだと思われる。

またヴィクトリア女王謁見の時に
「あんたも棚に手が届かないだろう?」と言ったのは
ビクトリアもかなり背が低かったからみたいですね。

バーナム自体は綺麗に描かれてるけど
ほんとはもっと人種差別や金儲けの人間だったということですが、
バーナムの人生を知りたいわけではなく、
エンタメ作品として楽しみたいわけなので
その辺りは鑑賞には全く問題ないなと思う次第です。

映画『グレイテスト・ショーマン』

公開前からものすごく楽しみにしていた
『クレイテスト・ショーマン』。
実は既に2回目なのです。

オープニングから度肝を抜かれる迫力。
『ラ・ラ・ランド』もだったけど、群舞と歌で始まるのよ。

その中でも一番最初にポーズをとるヒュー・ジャックマンの
キマリ方がすごい。
シルクハットに手をやって横顔のポーズがたまらんっ!
立ち姿もなんて美しいカタチなんだろう。
そしてダンスはキレッキレだし、歌はパワー漲ってるし。

レミより絶対かっこいい。
バルジャンやるには無駄にかっこよかったし、
せっかくの踊りも一切必要無かったし。

ストーリーはねえ、
サーカスを初めてやったバーナム(ヒュー・ジャックマン)のお話。
お金儲けが目的の見世物小屋ってのが
どうも納得いかず、
「This is me」で自分は自分、全て個性
とか言っても、バーナム自体が
それを目指してサーカスを始めたわけではなくて。
そこをきれいごとっぽく無理やりまとめた気がしてねえ。

が、2回目見た時に、
彼らはちゃんと「最初は金もうけが目的だったかもしれないけど
ひと目を忍んで生きて来た私たちを認め、表に出してくれた」
と納得した上での出演だったことがわかったので
少し落ち着いた。

と、1回目はただただヒューのカッコよさに心奪われてたんだけど、
2回目ではそれを支える奥様チャリティ役のミシェル・ウィリアムズの
儚さと楽しさと可愛らしさがグッとくる。
こんな素敵な奥様に愛されるだけの魅力のあるバーナムということです。

それにしてもヒューの驚くべき素晴らしさよ。
最後にサーカスの座長をザック・エフロンに譲るのだけど、
ミュージカル専門のザックであっても
華がぜ~んぜん違うのよ。
ヒューがセンターにいる時の求心力と華やかさが凄まじい。

ザックはヒューと比べてしまうので可哀そうだけど、
女性陣、空中ブランコのゼンデイヤと
オペラ歌手のレベッカ・ファーガソンの美しいこと。
キャスティング素晴らしいと思うわ。

チケットもう1枚あります。
少なくとももう1回は見ますわよ。

映画『ロング,ロングバケーション』

三連休ですので、1日は街に出てみましょう。
映画館も久しぶり。

ヘレン・ミレンお目当てで行ったら、
確かに今日は11日(KBCシネマのいい映画の日)で
観覧料が1100円というのもあったけど、
きっと通常日でもシニア料金でいけるであろう年齢高めのお客さんたちが
列を作ってました。
やっぱりヘレン・ミレンの人気でしょう。

アルツハイマーの元教師ジョン(ドナルド・サザーランド)と
末期患者の妻エラ(ヘレン・ミレン)。
終わりの見えてきた2人がキャンピングカーで、
ジョンの敬愛するヘミングウェイの家を目指す。

あーもう内容が痛すぎる。
自分の老後だったり、親の介護だったり、他人ごとじゃない。
アルツハイマーってこんなにも相手を悲しくさせるのね。
最初はコミカルに始まるんだけど、
老夫婦のおかれた状況が次第にわかってきて。

このままいくと先にいなくなるのはエラ、
悪化する一方の夫ひとりを残していけない。

息子や娘にも迷惑はかけたくない。
エラはキャンピングカーに乗り込む時から何やら準備してたから
覚悟の旅だったのだと思う。
「絶対に離れない」ことを確かめあいながら旅は進む。
ネットのレビューを見ても
「あの結末は賛否両論」って言いながら
誰も否定してない。

お話自体は間延びするくらいダラっと進むんだけど、
2人の状況がなんとな~く、かつしっかりわかるように巧く作られてるのと、
なんといってもヘレンとドナルドを見るための映画だね。
それにヘレンの美しいこと!
ダラッとしたおばあちゃんを演じていながら、
キリッとしたときに垣間見せてしまう美しさ。
さすがは「クイーン」様だわ。

若い方は見ても意味わからないと思うので、
50歳以上限定で。

映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』


ビリーに浮かれる日々なので、美しいバレエが見られる
くらいの気持ちで行ったのですよ。
が、予想外に重たい映画でした。

ウクライナの裕福とはいえない家庭に生まれた天才。
一流の教育を受けさせるにはお金がかかり、
お父さんもおばあちゃんも海外に出稼ぎに行き、
家族はバラバラに。

そんな家族をひとつにするためには、自分が早く一流のダンサーになるしかないと
セルゲイは人一倍練習に励む。

が、結局両親は離婚。
セルゲイのモティベーションはなくなり、薬や酒に溺れ、
史上最年少でプリンシパルになったロイヤル・バレエ団も
電撃退団。

お母さんの決めたレールを走らされた、
お父さんは海外に放り出された、
子どもの頃は訳もわからず、言われた道を走ってきたが、
大人になるにつれて、母親への反発が生じてくる。

家族をバラバラにしたのは自分、
結局元に戻せなかったのも自分、
バレエダンサーとしての重圧、
母親との葛藤、
など、凡人にはない苦悩がセルゲイを壊してしまう。

そしてダンサー引退を決めて撮影した作品だったが

2000万回を超える再生回数という反響に支えられ
「踊ることが好き」という気持ちを取り戻し、
今も踊り、さらには夢だった映画出演も「オリエント急行殺人事件」他で
決定しているようです。

やらされてるという気持ちだと消化できないけど、
これからは自分の意志で表現を楽しめるといいなと思うのでした。