Category Archives: 映画・dvd

DVD『シングルマン』

尊敬するブロガーさんがコリン祭りをやってらっしゃって、
sasaもやけにコリンが観たくなった。

全く予習無しで見たら、
お話としては、結構ショッキングな内容。
同性愛のお話です。

監督トム・フォード自体が27年間連れ添った恋人と
同性婚を果たしているらしい。

愛する恋人ジムを亡くした大学教授のジョージ(コリン)
傷心のまま無力な日々を送っている。
空虚…生きている気力も意味もない。
朝起きると、また一日が始まる。それさえ辛い。
着替えてなんとかジョージの人格を被り、ルーティンをこなす。

でも気持ちは確実に恋人の元へ向かっており、静かに準備が進められる。
「ネクタイはウィンザーノットで」の遺書も遺して。

とはいえ、一度は愛そうとした女性チャーリーとは
今は心許せる親友で、今の唯一の心の拠り所。
この役がジュリアン・ムーアであることが救われる。

いよいよという時に彼を慕う学生ケニーが、
危険を察知して近づき、救おうとするのだが、結末は意外にも…。

ジョージのスーツ姿はもちろん、住む家も、ケニーのカジュアルニットも
映像も全て繊細で美しい。
ジムとの思い出シーンはバラ色だけど、
今の虚しい現実シーンはグレートーンで描かれる。

そして、台詞の絡みも多いので、2回繰り返して見た。

「怖いものは?」
「車」

「週末はどうしてる?」
「ごく静かにしてる」

静かに美しく佇む映画です。

DVD『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 』

アカデミー賞受賞だったから、ずっと見たかったのです。

なんか不思議なお話でした。
現実と妄想が交錯するので、酔ったみたいになります。

かつて人気のキャラクター役者だったという主人公リーガンが
再起をかけて舞台を演出と主演。
共演者の実力に脅かされたり、アシスタントの娘と喧嘩したり、
バードマンが現れて、影の声で囁く。
批評家の声も気がかり。

映画VS舞台、ハリウッドVSブロードウェー、アメリカVSイギリス
たくさんの対立が埋め込まれているようですが、
日本人にはそこまで理解できないかも。

キャラクター役者だったというリーガン役が
バットマンのマイケル・キートンというのはツボです。

テンポが良くて、音楽がスリリングで、カメラワークが鋭い。
訳わからないところも多分にありましたが、
とても刺激的で、面白かった。

ラストの解釈は意見が分かれることろでしょうね。
リーガンにとっては良かったのだと思いたいけど。

DVD『リトル・ミス・サンシャイン』

少し前のDVD鑑賞。
ビデオ屋さんでなんとなく手にしました。
これがとても良かった。

「勝ち組になるには」の講演を仕事にしているお父さん。
「これがうまくいけば」なんて夢みたいなことを言ってるばかり。

兄は口をきかないし、母はヘビースモーカー、じいちゃんはヘロイン中毒。
ダメダメ人間ばかりな家族が、
ぽっちゃり眼鏡で何故か美少女コンに出ることになったオリーブに同行して、
おんぼろ車で会場に向かうロードムービーです。

あれこれハプニングが起こって
やっとのことでたどりついたコンテスト会場は、
きれいなドレスの美人さんばかり。
これはマズいと気づいて、慌ててキャンセルしようとするも、
半ばやけっぱちで出場。

おじいちゃんに言われてたもん
「負け犬っていうのは負けるのが怖くて挑戦しないやつらのことだ」

途中から、何故か家族全員ステージに上がって、
訳のわからないダンスを踊りまくる。
オリーブのため、家族のため。

このダンスシーンが笑って泣けます。

ダメダメだっていいじゃない、
負け組だって問題なし。

思い描いたようになったとはいえない人生でも、
大丈夫って気になる。

映画『教授のおかしな妄想殺人』

はるばる来たのに、長男、クラス会に行っちゃった。

じゃ、sasaもひとり遊びしますよ。

レイトショーを探して、コチラにしました。

 

生きる意欲をなくして赴任してきた哲学科教授エイブが、

レストランでたまたま耳にした悪徳判事の話に勝手に盛り上がり、

本当の話かもわからないし、頼まれてもいないのに、殺人計画を立て、

恋も仕事もやる気全開ゼッコーチョー!

彼に恋する教え子ジルもますます恋心を募らせ…というお話。

 

きっと面白かったはずなのよ、

というのも、朝の飛行機が早かったから、まあ予想はしてたけど、

途中、ちょいちょい意識を無くす。大事なシーンを見てない。

 

ウディ・アレン作品ですから、軽妙。ウィットが散りばめられてる。

sasa、ちょっとこの軽快なタッチがやや苦手ではあるんだけど、

ちょいちょい見落とした割に、お話の流れはとても楽しめた。

 

妄想の進む教授に、んん?おかしいなあ、けど、おかしいと思う自分の方がおかしい?

なんて思ってたら、ジルがモーレツに怒るもんだから、

やっぱりそうよね、この人おかしいわ。

ジルが観客目線の良心でいてくれてホッとする。

 

そして、このジル役のエマ・ストーンの若くピチピチと可愛いこと!

『マジック・イン・ムーンライト』に続く、2作目の出演ということだから、

スカヨハ後のミューズかしら?

DVDになったら再チャレンジします。

DVD『横道世之介』

横道

先日、映画『海よりもなお深く』を見た、池松壮亮くん押しのお友達に勧められて

観てみました。

高良健吾くん、熊本の震災の時にいち早く現地に飛びボランティア。

その気持ちと行動力で、好感度アップしてます。

 

2時間40分というなんとも長い映画。

それも、お話は淡々と進むのです。

日本映画はこういう日常を描く作品が主流になってきているのかな。

 

とにかく人の良い横道世之介くんが、途中で列車事故で亡くなるのですが、

恋人もお友達も、世之介くんのことを泣きながらではなく、

笑顔で思い出す。

もしくは、亡くなったことさえ記憶してない。

 

現実的にはこれが良いことなのかどうなのかわからないけど、

世之介君の人柄であれば、笑って思い出してもらう方が嬉しいはず。

この、とことんお人よしの世之介君を、高良健吾くんが見事に演じてます。

 

そして、世之介くんを大好きだった、恋人・ショウコちゃん(吉高由里子)

が不思議ちゃんのお嬢様キャラから、世之介くん亡き後、成長してる様も

観ていて嬉しくなる。

世之介くんを思い出すシーンがあるのですが、顔のアップが長いこと続き、

昔を思い出し、笑顔になる、表情がとても良かったです。