Category Archives: ミュージカル・お芝居

ナイロン100℃ 38th SESSION 「百年の秘密」


◆日時:2012年6月2日(土)13:00
◆会場:北九州芸術劇場
◆出演:犬山イヌコ、峯村リエ
みのすけ、大倉孝二、松永玲子、村岡希美、長田奈麻、廣川三憲、安澤千草、
藤田秀世、水野小論、猪俣三四郎、小園茉奈、木乃江祐希、伊与勢我無
〈客演〉萩原聖人、近藤フク、田島ゆみか、山西惇

ここのところ一番のお気に入りのナイロン。
3時間20分の長丁場。
集中力が途切れることも飽きることもありませんでした。

お話はティルダとコナの友情を12歳から孫の代まで描いています。
その中には小さな秘密がたくさん仕掛けられていて、
その時点では小さかったことが、後では大きくなったり全く忘れられていたり。
時間を後戻りしたり、先へ行ったり揺られに揺られながら綴られていきます。

主演のお二人が圧倒的ですからね。
犬山さんはあの通りの個性的なキャラですが、今回はそれを封印して
真面目な役どころ。
それでも、端々におかしみを覗かせています。
峯村さんも一見棒読みのようでありながら揺るぎない存在感。
大倉さんはいつものように反則技で面白い。
村岡さんもエスカレートの度合いが絶品です。

いろんな試みがされていて、
*空間的には、居間と庭が同じ空間に配され、
登場人物がその間を行き来しながらお話がすすみます。
しばらく見ていると観客も頭の中が整理されてきます。
*時間的には、2人が12歳の時から始まり、結婚後になったり、
孫の世代になったり、またまた12歳に戻ったり。
*認識的には、登場人物だけが知っている段階、観客にもだんだんわかってくる段階、
登場人物は知らないけど観客にはわかっている段階も行ったり来たり。
おかげで、一緒に時間と空間を移動させられ、ちょっと頭がクラクラ。
この試み、観客に対しても結構な想像力を強います。

で、結局sasaはナイロンの何が気に入っているのか考えてみると、
センスの良さと繊細さだと思う。
映像の使い方も「予算なくてセット作れないから」という理由ではなくて
セットの上にさらに深みや雰囲気を出すために使用。
オープニングの劇的な使い方も楽しい。
そして
「自分でもイヤになるくらい微妙なラインを狙っています(笑)」
という公演パンフのケラのコメントの通り、
重くもなく軽くもなく、はっきりしているようでぼんやりもしてて
その微妙さがなんともソソラれるのです。

公演チラシのケラからのメッセージ
「覚悟していただきたい。全力を尽くす」。
この複雑でデリケートな作品を、
どんなに心を砕いて作ったのかがよく伝わります。

TEAM NACS『WARRIOR〜唄い続ける侍ロマン』


◆日時:2012年5月25日(金)19:00 ※公演時間2時間20分 休憩なし
◆会場:キャナルシティ劇場
◆出演:森崎博之(柴田勝家)、安田顕(徳川家康)、戸次重幸(織田信長)
    大泉洋(明智光秀)、音尾琢真(豊臣秀吉)

遠征でもないのに、昨日は2公演も観たのである。
SOLD OUTの人気公演のチケットをラッキーにも手に入れることができましたの。
NACS初見でございます。

お話は、公演のリードコピーに
「人々が信じたものだけが『歴史』と呼ばれる」
とあるように、真実が今に伝えられているとは限らない、
一般に知られている史実とは違う展開。
実際のところ、何が真実なのかはわからないしね。
5人の武将の運命が絡み合いながら進みます。

オープニングは5人が並んでキメのポーズ。
ここ、めっちゃかっこいい☆

テレビでよくお見かけする安田さんと洋さんがメインなのかと思ったら、
圧倒的に華があったのは戸次さん。
笑いも封印して、冷酷な信長であり続けました。
一番きらびやかな衣装がよく似合っていて、声も地の底から湧き上がるような重低音。
ラストの本能寺のシーンでは、斬られても斬られても立ち上がる。
美しくて舞台映えしますなあ。
スパマロットではおふざけキャラだったので気付かなかったけど、
実は2枚目さんなのね。

あとは、安田さんがちょっとこみいったキャラクターを
切なく演じられてました。
洋さんは美濃を焼かれて怒りに狂うところが胸が痛い。

ちょっと前に戦国女子というのが流行ったらしいけど、
sasa、日本の歴史や武将たちにあまり興味がなく、
実はあまりテンションの上がらないテーマではありました。
西洋の歴史ものだと違うんだけどね。

ちなみに「WARRIOR」っていうのは、いざ行くぞって時のかけ声?「オリャ〜!!」でした。
カテコの最後にリーダーのかけ声で、会場全員で「3、2、1、オリャ〜!!」と叫び、
明日からも元気出して行こうと心を固めました。

ミュージカル「ラ・マンチャの男」2回目

◆日時:2012年5月25日(金)13:00 ※上演時間2時間10分
◆会場:博多座
◆出演:松本幸四郎、松たか子
    駒田一、松本紀保、石鍋多加史、荒井洸子、祖父江進
    福井貴一、上條恒彦

さて、2回目のお席は同じ3階席ながら、サイドに並んだR列。
それも、一段上がったところなので、ガラスに遮られることなく、
舞台がクリアに見えます。
ただ、体を少しねじってみる形なので、2時間半同じ姿勢は骨盤歪みそう。

2回目で一番感じたのは、この作品、音楽素晴らしいね。
全体的に暗いムードが漂う中、おかしみと哀愁がある。
sasa、もともと変拍子好きなんだけど、
この作品はほとんどの曲がすっきりまとまらない拍子を取ります。
先日のトークショーでの塩田先生の解説によると、
この変拍子は登場人物それぞれのぎくしゃくした心を伝えているらしい。
松たか子さんは、今日も高音美しく、
みなさん、こんな難しい曲を素敵に歌うのよねえ。

そして、このリズムの要となっているのが
これまた先日トークショーにゲスト出演された
パーカッションの長谷川友紀さん。
今回のお席が右サイドだったので、下手側に位置する長谷川さんの演奏が
とても良く見えたのはラッキー。
なんだかねえ、オープニング前からオケピの中で目立つ方がいるなあと思っていたら
長谷川さんだったのですよ。
なので、幸四郎さんを堪能しようと思いつつも、
ついつい長谷川さんの演奏に目がいってしまう。

これがカッコいいの。
あんなに正確にリズムを取れるのって見ていて感動。
体全体で打った後、さっと手を触れて音を消す所作もきれい。
男前(女性だけど)でありながら、繊細というか…。
新しく嬉しい収穫でありました。

そして、見どころと言われていた、ラストの
セルバンテスがサンチョに声をかけるシーンね。
ここよりもsasaは、階段を上る途中に泣きながらも笑顔で
大好きなセルバンテスに向かって胸をポポーんと叩くサンチョの姿に
グッときましたよ。

ミュージカル「ラ・マンチャの男」


◆日時:2012年5月11日(金)13:00 ※上演時間2時間10分
◆会場:博多座
◆出演:松本幸四郎、松たか子
    駒田一、松本紀保、石鍋多加史、荒井洸子、祖父江進
    福井貴一、上條恒彦

レビュー書けるほど理解できてないんだけど、
とりあえず感想だけでも。

『カエサル』と歌舞伎でsasaが睡魔に撃沈した松本幸四郎さん、
43年演じているというドン・キホーテはさすがに違いました。
人生の深み、厚み、円熟味。
大事な台詞ばかりなので、ひとことひとこと「聞き逃せない!」
という気で耳を立てました。
残念ながらちょっと台詞が聴きづらかったのは3階席だったからかなあ。

そして、以前王子が歌った『見果てぬ夢』。
王子本人が「(僕が歌うのは)松本幸四郎さんに申し訳ない」
みたいなことを言っていたように、
歌の上手さではなく、心へのしみ入り方が違いますね。
王子の言葉の意味もよくわかった。

そして、松たか子さんはいつもと違う汚れ役。
過激なシーンもあってびっくり。
歌もミュージカル女優のような美しさではなく、
大竹しのぶさんのような役になりきった上手さです。
このアルドンザの役を10年前も演じたとのこと。
う〜ん、今だから成立しているとして、10年前では
年齢的にも懐の深さもちょっと無理があったんじゃないかなあ。

きっとsasaがたった1回の観劇で感じたよりも、もっともっと素晴らしい作品のはず
ということだけがわかりました。
とにかく、幸四郎さんを見るための作品。
幸四郎さんの表情、台詞、動きを見逃さず、聞き逃さす、堪能しないとね♪
3階席からではちと厳しいけど、チケットもう1枚あるので、
次回はもっと深めたいな。

ソニンのモーリーン

前回の『RENT』で激やせと言われ、どうするのかなあと思っていたら、
今回はミミではなく、モーリーンですって。
ミミのオーディションを受けに行ったら、モーリーンのオファーがあったらしい。
ソニンのミミ良かったのになあ。
モーリーン、キャラクターがよくわからないんだもん。
でも、ソニンが演じれば愛らしくなるかも。

マークは賀来賢人くんなんだ。
スパマロットではなかなかいい味出してたけど、
マークってことは歌もダンスもいけるのね。

その『RENT』ですが、わお☆ちょうど11月公演中だわ。
『Delicious』再演はなんとしてもリベンジする予定なので、
一緒に観劇できそうですのよ♪