Category Archives: ミュージカル・お芝居

博多座『レ・ミゼラブル』マイ初日

■日時:2021年8月8日(土)12:00
■会場:博多座3階R列
■出演:
ジャン・バルジャン:吉原光夫
ジャベール:伊礼彼方
ファンテーヌ:和音美桜
エポニーヌ:生田絵梨花
マリウス:三浦宏規
コゼット:敷村珠夕
アンジョルラス:小野田龍之介
テナルディエ:斎藤司
マダム・テナルディエ:森公美子

この日を選んだのは、
レミ初心者のお友達を連れて行くから。
ハズレなしの吉原さん、生田絵梨花ちゃん、斎藤さん、森久美さん
わかりやすいキャストなので楽しんだいただけるかと。

実際、一番人気の公演だったようで、
速攻完売でした。

今日の収穫はね、
小野田アンジョです!

小野田アンジョ、以前も観たことあります。
その時は残念ながらがっかりでした。
今期はお友達から「小野田くんいいよ」って聞いたものの信じられず。

が、ほんと、小野田くん大躍進!
ちょっと痩せた?
学生たちの真ん中にすくっと立って求心力のあるアンジョ。
うわあ、びっくり。
アンジョって、理生くん以降カリスマキャストがいなくて
個人的に相葉アンジョがあんまり好みじゃないので、
推しアンジョ登場嬉しい~☆

今回のお席は3階R列の一番前。
バルコニー席って見切れができるのですが、
さすがに一番前なので、前方と横の2方向から見晴らしよく、
新たな視点で見ることができた。
特にグランテールとガブの関係性。
二人のつながりがよく見えました。

敷村コゼットは今期からの新キャスト。
「頑張ってます」感が強い。
コゼットというより頑張ってる敷村さんが全面に出るから
感情移入がしづらい。

生田絵梨花ちゃんも今期からエポ。
アイドルだからねえ、なかなか汚れには見えない。
客席には確実に若い男性ファンが多いよね。

そして今日は吉原夫妻共演でしたよ。
大好きな和音ファンテ。
やっぱりいいわあ、おかえりなさ~い♪

何度見ても飽きるどころか
あっという間に終わるレミ。
お連れしたお友達も満足してくれました。

『首切り王子と愚かな女』

■日時:2021年7月17日(土)13:30
1幕1時間15分 20分休憩 2幕1時間10分
■会場:久留米シティプラザ C列
■作・演出:蓬莱竜太
■出演:井上芳雄 伊藤沙莉 若村麻由美
高橋 努 入山法子 太田緑ロランス 石田佳央 和田琢磨
小磯聡一朗 柴田美波 林 大貴 BOW 益田恭平 吉田萌美

◇Story
女王デン(若村真由美)は、
溺愛していた第一王子ナルが病に倒れてからは国政を執らず、
民は貧しさに疲弊し、反乱の気運が高まっていく。
そこで「呪われた子」として離島送りにしていた第二王子トル(井上芳雄)を、
反乱分子の首を落とすために呼び戻す。
谷に住むヴィリ(伊藤沙莉)は生きる理由が見当たらず、
最果ての崖で首切りの処刑を目にする。
トルはヴィリに興味を持ち、召使いとして雇い入れる。

蓬莱竜太さん、王子が大好きな演出家ですよね。
sasaは『トライアングル』が苦手で敬遠してたのですが、
これがまあ、素晴らしい作品でした。
ファンタジーという薄布を纏いながら深淵。

大千秋楽でしたので、ネタバレよいですよね?

オープニングは「生きる意味がない」というヴィリが
崖に向かうシーンからスタート。
いや、ほんとはステージの四方に
楽屋に見立てた透明な部屋が仕立ててあって
その前(開演5分前くらい)から、
役者さんたちは全員そこに座っています。
その後も、はけることはなく出ずっぱり。

物心つかない時から訳もわからないまま島に送られ、
召使と二人だけで暮らしていたトルは
久しぶりに会った母の愛を得ようと必死。
母から命じられた首切りという役目を全うする。

第一王女という美しい妻はいるけど、お互いに愛情ないから
つまらないし、そもそも従者と浮気してる。
そこに現れたヴィリ。
自由だし、面白いこと知ってるし、カードゲームして
一緒にいて楽しい。
初めてできた心許せる相手。
かくしてヴィリは第二王女となる。

でも、ある日突然、ヴィリが冷たくなるの。
遊んでくれない、相手してくれない。
この変化の理由がちょっと不明でして…。
お友達と話してみて
「あわよくば利用してやろうと思っていた野心家のヴィリに
トルへの情が湧いて、距離を置こうとした」
「子供のできない第一王女が哀れになった」
など。

この時のトルが切ないのよ。
初めてできた心許せる相手に突然見捨てられる。
またしても愛がもらえない。
そしてここで、自分がこれまで同様のことをして
第一王女を傷つけていたことに気付く。

でも、本当につらいのはここからで、
トルは結局、病気のナルの身代わり要員だった。
女王は、トルの元気な身体にナルの魂を入れて
ナルを蘇らせることが目的だったの。
そのために、毎日、呪いの毒薬をトルに飲ませる。
女王からの贈り物だと喜んで飲むトル。

トルの身体をトル。
ナルの身体にナル。

いよいよ身体に変化が現れ、
苦痛に倒れるトル。
3日後にナルに変わることが確定する。

ちょうどそのころ反乱軍が城に迫り、
ヴィリは嫌がるトルの手を引っ張って逃げる。
しかし、逃げる途中で撃たれてトルの身体も終わりを告げる。
これは同時にナルの復活も消えることを意味する。

トルは崩れ落ちる前に
「託す!」とヴィリを前方に押し出す。
ヴィリはトルの意思を受け止め進む。

生まれてすぐに親に捨てられ、
呪われた子として島送り、
戻されたと思えば首切りの毎日、
初めて心を許したヴィリには冷たくされ
最後は兄の身代わり。

自分の人生に意味があったのかなあ、
自分って無駄な人間だったのか?
救いのない人生。

そこでヴァリが言うの。
「無駄なんてない!」

これが全てだと思う。

オープニングの
「生きる意味がない」からの
ラストの
「無駄な人間なんていない」。

人は全て価値がある。

そして、全員に認められなくていい、
認めてくれる人は1人いればいい、
とも思った。
ヴィリは全力でトルを助けようとしたし、
トルの最後の思いを受け止めた。
それでいいと思う。

蓬莱さんは他にもたくさんのメッセージを織り込んでいた
ことはわかるのだけど、1回の観劇で理解するのは無理でした。

途中トルが歌う聖なる歌。
がなり立てる台詞が多い中、
いきなり歌い出してもさすがの清らかさ。
歌のシーンはほんの一瞬だけど心に響きます。
王子が出演なのに歌一個もなしとか
蓬莱さんも諦めきれませんよね。

若村さんは演技派だし、
伊藤沙莉さんはすばしっこい少女がぴったりで
軽やかで愛らしかった。

でも、ファンのひいき目なしでも王子の実力が圧巻。
ストプレでもこんなに素晴らしいってどいうこと?
最大の武器である歌を使わなくても
こんなに感動させる力がある。

蓬莱さんと王子とみんなで
大事なメッセージを時間をかけて
読み聞かせしてもらっているような作品でした。

舞台『外の道』

■日時:2021年7月11日(日)14:00 1時間55分
■会場:北九州芸術劇場 中ホール K列サイドブロック
■作・演出:前川知大
■出演:浜田信也、安井順平、盛隆二、森下創、大窪人衛、
池谷のぶえ、薬丸翔、豊田エリー、清水緑

Introduction(公式HPより)
同級生の寺泊満と山鳥芽衣は、偶然同じ町に住んでいることを知り、二十数年ぶりの再会を果たす。
語り合ううちに、お互いに奇妙な問題を抱えていることが分かってくる。
寺泊はある手品師との出会いによって、世界の見え方が変わるようになる。
芽衣は品名に「無」と書かれた荷物を受け取ったことで日常が一変する。
無は光の届かない闇として物理的に芽衣の生活を侵食し、芽衣の過去を改変していく。
二人にとって、この世界は秩序を失いつつあった…。

はじめてのイキウメ、予想通り難解でした。

感じ取ったのは2つ。

手品を見る。
きっとタネはある、
よくわからないけど、
「手品ってそういうもんだ」で納得する。
人はよくわからなくても多くの場合
「そういうもんだ」で済ましている。
突き詰めることってどうなんだろう。
それはメンドクサくてダサいのかもしれない。

芽衣に「無」という荷物が届き、
どんどん生活を侵食していく。
上演中も、かなり長い時間、会場が暗転し、
真っ暗闇になる。
観客も「無」の世界に落とされる。
そこから這い上がるのに必要なのは「想像力」。
芽衣は「あるもの」と思って想像の手すりをつたい、
光ある世界に戻る。
それはこれまで当然だった秩序が崩れ落ちた
今に通じるものかも。
すべてが消え、「無」となった世界からどう進むべきか。
寺泊と芽衣は、怖いねと言いながら無に飛び込み、
ラストは光=希望が見えた。
想像力→想像力で乗り越えられるというメッセージかと。

役者さんたちは、ナイロンでおなじみの池谷のぶえさん以外は初見。
安井順平さんはなんとなく見たことあるなあ、くらい。
まあ、この主役2人がベテランで安定してますからね。

豊田エリーちゃんは柳楽くんの奥様。
やっくんの息子さん薬丸翔さんは、
立派なアラサーなのね。
声が低めでよかったです。

イキウメ前川さんは、舞台好きには人気の演出家で
一度は拝見したいと思っていました。
でも、やはり凡人にはちょっと難しかったな。

映画『アメリカン・ユートピア』


話題になってるのでレディースデイの仕事後に
観てきました。

ボラプ同様、トーキングヘッズのファンでもなんでもありませんが、
ミュージカル映画って聞いてたの。

ミュージカル映画ではなかったですね。
トーキングヘッズのライブ?
でも、バンドではないしなあ、
ストーリーはあって曲が流れていく、
デヴィッドバーン曰く「ショー」。
確かに劇場でやってたステージの実写です。

最初に脳みそ(もちろんレプリカ)をもったデヴィッドが登場し、
人の脳みそは赤ん坊の時がピークで
成長するにつれ、失われていく、
つまり大人の方が赤ん坊より脳レベルは低い
とかなんとか…。

それから歌とダンスが始まります。
ステージと衣装はすべてグレー。
そこにライティングで濃淡が生まれたり、
カメラが俯瞰で映したり。
画面の色味が抑えてあるからダンスが映える。

そして、デヴィッドバーンかっこよいです。
とにかくセンスがいい。
かなりのお歳と思うけど、声量に衰えなし。
こんなにかっこよかったのねえ。

選挙啓発に尽力してるらしく
大統領選挙もだし、地方選の選挙率の低さを痛烈に批判。
政治的無関心は日本だけなのかと思ったら、
アメリカもそうなのね。

最後はまた脳みその話になり、
人の脳はどんどん退化するけれども
歳を経れば人と人とのつながりという大事なものは深められる
みたいなことで終わりました。

アルバム『アメリカン・ユートピア』を聴いたこともなく、
全盛期のファンでもなかったけど、
ときどき知ってる曲が出てきたし、
知らない曲も心地よかった。

ギンギラ太陽’s×劇団ショーマンシップ『PEACE HILL2~東京オリンピック奮闘記~岡部 平太物語』

■日時:2021年6月6日(日)13:00
■会場:西鉄ホール
■出演:仲谷一志 大塚ムネト 生田晃二 杉山英美 上田裕子 宗真樹子
栗野直樹 山口泰弘 福澤究 大城真和 東沙耶香 松尾佳苗 古澤大輔
米倉佳奈 溝田優 久保美月 荒木ロンペー 北田祥一郎 ゴリけん 立川生志

1か月以上経ってしまいました。
久しぶりのギンギラ公演と思って行きましたが、
笑いというより、歴史を紐解く講談のようでした。

「PEACE HILL」
分かりますか?
福岡に住んでても気付かなかった。
「PEACE」→平和
「HILL」→台
そう、平和台です。
福岡での国体の立役者となった岡部平太という人についての
伝記でした。

今でもそうですが、日本人の好きな
「根性論」ではなく、
アメリカ留学で得た知識と技術で優秀な人材を育て上げる。
当時の日本では相当叩かれたようです。

こういう人がいたことさえ、
知らなかったです。

こういう人によって今があることを
オリンピックのこの時期に伝えかったのでしょうね。
カテコの皆さんは晴れやかなお顔でした。

次回は、ギンギラ単独の解体されるイムズがテーマ。
涙と笑いになることでしょう。