
■日時:2026年3月28日(土)18:00
■会場:紀伊國屋ホール
■原作:安部公房
■脚本・演出:山西竜矢
■出演:
森田剛、藤間爽子
大石将弘、東野良平、永島敬三、福田転球
宮沢りえ・森田剛夫妻の舞台はできるだけ見るようにしている。
安部公房、怪しくて好き。
教師の仁木順平(森田)が昆虫採集で訪れた奇妙な村。
家が砂の穴の中にあって、まるで蟻地獄。
最終電車がなくなり、老人に紹介された一軒に泊まることにする。
その家の女主人の仕事は、家が砂に埋もれないように砂掻きをすること。
一晩のつもりでいた男が翌朝目を覚ますと、
外に出るためにかけられていた縄梯子が外されていた。
男はなんとか脱出しようと、思いつく限りの方法を試みるのだが…
カフカ『変身』を思わせる。
不条理劇も好き。
とても面白かった。
森田くんはいたって普通の男の役。
どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだ、
納得いかない状況に、そしてそこから逃げられないことに
ジタバタもがく。
こちらも一緒にイライラしたり怒りをおぼえたり。
そんな中、女主人の藤間さんは色香漂う。
夫と子供を砂で失っていて、しばらく男っ気がなく、
楚々としたイメージなのがかえって情欲を掻き立てる。
ほっそりしてるけど、さすがは日本舞踊紫派藤間流の家元、
体幹の強さが合間に見える。
道化のような村人3人衆が合間合間に現れ
滑稽なような怖いような。
そのうち、男は砂の底から水を取り出す方法を発見し、
もともと昆虫探しに来ただけに理系の血が騒ぐようで
その研究に夢中になる。
安部公房なので、抜け出せてハッピー
なんてことはなく、
人というのは時間とともにその環境に順応してしまう生き物なのか?
また、悲しいかな、男は最初「自分が行方不明になったら
知人が探しに来る」と主張したが、
そういうことも特になく、
妻は7年後に死亡届を出す。
人の存在なんてそんなものなのかなあ。
いろいろ思うところあったし、
とにかく面白かったので満足。







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