Monthly Archives: 10月 2023

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ケムリ研究室no.3「眠くなっちゃった」


■2023年10月22日(土)12:30 
1幕1時間50分 休憩15分 2幕1時間20分
■会場:北九州芸術劇場 L列
■出演:緒川たまき、北村有起哉、音尾琢真、奈緒、水野美紀
近藤公園、松永玲子、福田転球、平田敦子、永田崇人
小野寺修二、斉藤悠、藤田桃子、依田朋子/
山内圭哉、野間口徹、犬山イヌコ、篠井英介、木野花

大好きな緒川さんとケラが主宰するユニット作品。
互いに尊敬し感謝しながら共に歩んでいる
憧れのご夫妻です。

が、今回はなんともわからなかったし、
セクシャルな表現が多かったし
笑いは封印され、痛みと苦みが残る。

近未来の管理統制された世界、
ロボットの夫、記憶を吸い取る音楽家、
不気味な人たちが次々登場。
あまりにわからなかったのでパンフレットを買うと
以前、王子で見た「1984」に影響を受けたらしい。

ケムリ「研究室」というくらいだから
通常のナイロンではしないような
様々な実験や試みをするユニットなのでしょう。

テーマを受け取れない中、
終わって記憶に残るのは
北村有起哉さんかっこいい。
罪を犯し、ノーラ(緒川)を監察する立場にありながら
次第に惹かれてしまい、職務を放り出して一緒に逃げる。
ずっと眠れないと言っていたノーラが、最後に
「眠くなっちゃった」と少しだけ安らげたのが救いかな。

カテコではケラが登場してくれましたよ。

藤田真央 ピアノ・リサイタル


■日時:2023年10月18日(水)19:00
■会場:アクロス福岡
■曲目:
ショパン
ポロネーズ 第1番 嬰ハ短調 Op.26-1
ポロネーズ 第2番 変ホ短調 Op.26-2
ポロネーズ 第3番 イ長調「軍隊」Op.40-1
ポロネーズ 第4番 ハ短調 Op.40-2
ポロネーズ 第5番 嬰へ短調 Op.44
ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」Op.53
ポロネーズ 第7番 変イ長調「幻想」Op.61

リスト
ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178

クラシック詳しくないけど
真央くんには行くようにしている。
なんといっても愛らしい。

それも今回はショパンというから楽しみ。
真央くんの「英雄」が聴けるだなんて!

客席はやはりおばちゃん層が多くて
登場した瞬間から「可愛い」の声。
いつもの感じでヘロヘロっと現れて
着席するといきなり弾き始めた。

ショパンですのでドラマティックで聴きやすく
いよいよ「英雄」!
長男が受験ぎりぎりに挑んでたけど
そう簡単に弾けるわけではなく
間に合わなかったのよ。

真央くんは、来るぞ来るぞ~!の
あの有名なフレーズをジャジャーンと勇ましく弾くかと思ったら
そこさえもとてもきれいな音で弾いたのだった。

各曲ほとんど間を空けることなく連続して弾く
これって「アタッカ」というのだね。

そして、一番美しかったのがアンコールの
チャイコフスキー「遠い音」。
真央君の魅力全開のキラキラした音でした。

ヨーロッパ企画「切り裂かないけど攫いはするジャック」


■2023年10月14日(土)13:00 2時間休憩なし
■会場:キャナルシティ劇場
■出演:石田剛太 酒井善史 角田貴志 諏訪雅
土佐和成 中川晴樹 永野宗典 藤谷理子 /
金丸慎太郎 早織 藤松祥子 内田倭史 岡嶋秀昭

大好きなヨーロッパ企画。
古いロンドンの街並みのセットが魅力的で
そこにちょこりんと現れる永野オルソップ警部は
いつものように愛らしい。

事件を調べるために町の人に話を聞くのだけど、
みんな素人探偵気どりで自分勝手な推理を始める。
いやいや、推理が聞きたいのではなくて
事実が知りたいだけなんだ
と何度言ってもみんな暴走気味。
それに振り回される永野さんがいかにもコメディで好きだった。
藤谷さんのもっともらしく滑舌のよい推理を述べる夫人も
なんとも滑稽でよい。

舞台上には登場人物ほとんど全員がいるから雑踏感がある。
そこから一人ずつ、腰の曲がった老人(実は怪力)
が家の中に攫っていき、人が減っていく。

これが人攫いのようだけど、
実はもっと危険な目に遭わないように匿っていた
ような話になり、
そこから切り裂きジャックとか危険はジャックの名前がたくさん挙げられ、
結局、それが何なんだ、というのがわからないまま終わってしまった。

前半面白かったのになあ。
なんかいろいろあり過ぎて煙に巻かれてしまった。

ミュージカル『スリル・ミー』


■日時:2023年10月11日(火)19:00 休憩なしの100分
■会場:キャナルシティ劇場 K列サイドブロック
■出演:尾上松也、廣瀬友祐

噂には聞いていたこの作品、遂に見ることができました。
福岡に来たのは2組で
大人チームにしてみました。

「私」(尾上)が「彼」(廣瀬)のことが好きすぎて
気に入ってもらおうとなんでも言いなり。
「彼」はサイコパスで、最初は放火くらいだったのが
物足りなくなり殺人へ。
その理由はただ「スリルを味わうため」。
「彼」の方は「私」を好きというより
「私」を振り回すことが好き。
それに快感を覚えている。
冷たくすれば嫉妬にかられ、キスすれば舞い上がる
「私」の様子を楽しむ。

「私」は「彼」を誰にもとられたくない、
なんとかして自分の方を振り向かせたい
だから、そのためならどんなことでもする。

35年前の事件で無期刑になった「私」が
釈放のための審問を受ける
という設定でお話は始まります。
暗転のたびに、審問中の今になったり、
35年前になったり。

この時間の行ったり来たりと
ふりまわす「彼」と
ふりまわされる「私」
で、100分間観客も右に左に揺すぶられ
ずっと緊張が続く。

殺人の犯行現場に眼鏡を落としてきた
と、犯行が発覚することを恐れる「私」。
その恐れを「彼」に語るうちに
「彼」と「私」が共犯者であることで
一体感が深まってくる。
このあたりから、あーこれは「私」の術中にはまったな
ということが分かり始めてきた。

そして、その通り、全ては一緒に投獄されるため
ずっと一緒にいるための
「私」の策略だった。
最後に勝ったのは「私」。

あんなに強気で上位にいた「彼」は
すっかり強さを失い、
牢獄の中で消えていく。

結果、「私」も「彼」も幸せにはなれなかった。

とても面白かった。
二人だけのやりとりで魅せる舞台。
過去でいれば、松下×カッキーペアが伝説だけど、
成河×福士も見たかったなあ。

ペアを変えて何度でも観たくなる。
なんてうまくできた作品なのでしょう。

けど、福岡公演は席が全然埋まってなくて、
地方はこんなだからなかなか来てもらえないのかなあ。
福岡ってがんばってるつもりだけど、
まだまだだなあ。
発売から少し経っての購入だったのに
そこそこいい席があっさり取れたし。

この日はトークショーもありまして、
松也さんが言うには
「廣瀬くんの『彼』の威圧感がすごい。
どうやってぶち破るか」

確かに鋼鉄のような存在感でした。
美形でプリンスっぽいのに、
あんなに強くて冷徹なキャラがあうとは思ってなかった。

トーク自体は松也さんの方が慣れてるから
廣瀬さんはいろいろ振られても反応薄かったのですが、
実はポツリと話すことが無茶苦茶面白い。

鋼の「彼」とのギャップがすごくて魅力的でした。

他のペアでもぜひ観たい。

飛鳥寺

飛鳥駅から「赤かめ」周遊バスというのが出てまして
といっても1時間に1本くらいなので使い方が難しいのですが
なんとか利用して飛鳥寺へ。

推古天皇に創建された日本最初のお寺。
お客さん全然いなくてね、
門をくぐって

お堂に入るとすぐにご本尊飛鳥大仏!

大火災で痛手を受けているものの
609年止利仏師の手による日本最古の仏像。
その佇まいは静かに慈愛に満ちていて、
ちょっと泣きそうになった。
一人でしばらくずーっと見上げていました。

住職さまはお着物ではなく普段着でいらっしゃるので最初気付かず、
でも来観者には解説をしてくださいます。

蘇我入鹿首塚。
記憶が小学校とか中学校にワープしますね。

飛鳥宮跡
長い期間宮殿が営まれた場所です。

ぐるりと歩いて当時をイメージ。

そしてこれも教科書で見た石舞台古墳。
蘇我馬子の墓と言われています。

中に入れて

こんな感じ。

この巨石を一体どうやって運んだのだろう?

なにせバスがあまりないので急いでまわって駅に着くと
少し時間があったので
再び岩屋山古墳へ。

ここがゆっくり見られるし、飛鳥石がきれいだし、
一番好きかも。

隣駅にちょっと立ち寄って電車から見えてた橿原神宮をぶらり。

充実の古墳ツアーでした。