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『組曲虐殺』

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◆日時:2012年1月12日(土) 12:30
    1幕1時間40分 15分休憩 2幕1時間20分
◆開場:キャナルシティ劇場
◆作:井上ひさし
◆演出:栗山民也
◆出演:井上芳雄 石原さとみ 山本龍二 山崎一 神野三鈴 高畑淳子
◆音楽&演奏:小曽根真

う〜ん、重い、重たい、重たすぎる…。
放送で観ていたとはいえ、生はさらに痛ましくてキツかった。
お仕着せではなく、軽いペーソスで進行するんだけど、
精神的にそうもいかず…。
笑いの部分もいっぱいあり、会場も大笑いしてたけど、
気持ちが沈んであまり笑えなかった。
「ゆるぐねえ…」

でも、こんな痛ましい作品だからこそ、家で録画で観るのではなく、
ちゃんと会場で生で一緒に向き合うべきだと思った。

「後に続く者を信じて走れ」
これ、今はまさにアンジョとダブる。
でも、本当にあったこと、拷問の事実を思うと
さらに痛ましい。
「変わらない、何一つ」だったアンジョたちと違って
多喜二の虐殺は何かを変えたのだろうか。

王子は素晴らしかった。
苦悩させたら若手ナンバーワンだね。
さらっとした和装もいい感じ。
再演だけに、6人の役者さん+小曽根さんのチームワークが固いので、
作品が安定しています。

会場にはお父様らしき姿も見え、
きっと王子の同級生と思われる男子グループもいたり、
こっくり居眠りするおばあちゃんはご親戚かしら?

カテコも内容が内容だけにいつもの爆笑地元トークも全くなく、
お辞儀だけで終了しました。

アカデミー賞ノミネート

日本だと公開が遅かったりして作品名を聞いても???
なことがあり、賞とかには疎いのですが、
マイブームのレミなんてどうなのかなあ?
と、とりあえずチェック。

個人的にはそりゃあ、圧倒的にレミですが、
客観的にはそういう世界ではないのね。
それにミュー映画はもともと失敗しやすいジャンルだそうな。
フーパー監督、『英国王のスピーチ』の後でよくチャレンジしたなあと。

で、最有力は『リンカーン』なのね。
予告編見たけど、ダニエル・デイ=ルイスはやっぱり素敵。
そして、意外だったのは次が「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」。
なんとも奇妙な作品だなあと思って試写会もスルーしたのに、
評価が高いんだ。
アン・リー監督だしね。

そして、ヒュー・ジャックマン、ちゃ〜んと主演男優賞にノミネート。
アンは助演になるのね。

日本のミューファンは昨日の東宝メルマガでショックを受けているはず。
体調を整えるための休憩ならいいんだけど、
大丈夫なのかと心配になる。

映画『レ・ミゼラブル』3回目 追記

しつこくてごめんなさい。
まだいきますよ〜!

〈気になる疑問など〉
*工場シーンでどうしてフォンテーヌはピンクのドレスなんでしょう?
背丈もあるからアンは目立つし、ピンク色のために変に浮く気がするのです。

*ジャベールが着任した時、マドレーヌがロザリオを渡すのだが、
これは後で登場するのか?またはどういう意味があるのか?

*これはミュージカルの時から気になってたんだけど
『Who Am I?』で胸の刻印を見せるよね。ということは、
身代わりに捕えられた男の潔白は刻印がないことで証明できたのでは?

*ジャベの制服が明るいブルーからダークに変わっていくのですが、
後半で帽子を縦に被っているのは、地位の違い?

*コゼットがバルジャンのシャツの袖をめくろうして慌てて隠す
これって手首辺りに刻印があるってこと?

子どもの頃読んだきりで、小説の記憶がほとんどない。
〈ネットでチラ聞きして納得したことなど〉
*マリウスが拾うコゼットのハンカチは小説では大事なモチーフ
*バルジャンたちを助けてくれたフォーシュルヴァンさんの名前を偽名にする
*バルジャンの告白の後、マリウスは敬遠してしばらく距離をおく。
 ミュージカルの時から感じていた、告白の後、いきなり結婚式→
 テナの話で大きく反省→バルジャンの元へ
 の流れが違和感ありだったので、理解できました。

〈作者の意図〉
*宗教観
バルジャンが生まれ変わるのも、ジャベが天空を見上げるのも
マリウスへ告白するのも、随所に十字架が登場します。
教会シーンも多数あり、「神の御心」や「赦し」などの言葉も。
なので、宗教が大きく関わっているのだろうと推測されますが、
その辺りの理解は手が出ず…。

*学生たちの革命
どうして学生たちが市民にあっさり裏切られるのか、
ここもミュージカルの時から不明だったのですが、
先日のややちゃんの話で理解に近づきました。
ユーゴーは、戦いでは何も解決しない、という考えで、
学生たちの動きには否定的。
確かにこの作品のテーマは「愛」や「赦し」。
なので、アンジョはかっこよく描かれていますが、
最終的には援軍は来ず「市民は来ない」のも納得。
ジャベの「学生の裁判、笑わせるぜ!」もユーゴーの代弁かと。

自分でもどんどん深みにはまっているなあという感じ。
不明点もどんどん湧いてくるので、みなさまにご指南いただけると嬉しいです。
みんなで集まってレミ会でも開けると楽しいのにね。

映画『レ・ミゼラブル』3回目

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3回目の『レ・ミゼ』新発見もあり、新たに疑問も湧く。
だんだんストーカー?小姑?化してるけど、メモ行きまっせ〜!

*ツーロン
あれだけの大きな船を人力で動かすところで
馬車馬のように使われてきた過酷労働の重みがきます。
バルジャンの頬もこけてゲッソリしてます

*仮釈放
山上を歩くシーンが服装といい、杖といい、巡礼の旅のイメージ。
十字架も2回登場します。
きっと宗教観がわかればもっと理解が深まるのだろうなと思う。

*『独白』
バルジャンが自分を恥じ、苛立ち、生まれ変わり宣言までの感情の昂りに
フーパー監督の、歌を別録りではなくライブにした手法が効いてます。

*工場
・ファンテを追い詰める女工さんの中に特に際立った、表情が怖い方が!
 ファンテを追い詰めているけど、自分も全く余裕がなくギリギリなのだろう。
・ファンテがもめた時、マドレーヌがどうして助けなかったかがわかりやすい。
 着任の挨拶に来たジャベールが視界に入ったから。

*波止場
・ファンテが歯を売る時、横から女がすかざす「奥歯におしよ!」と言う
 確かに前歯だと映画的にも困るもんね。
・ファンテがバルジャンに唾を吐いた後、両手でこぶしを握ってガードの姿勢。
 まるで本能のようだけどこれ演技?演出?すごい!

*バルジャンとジャベールの対決
う〜ん!やっぱりバルとジャベの声の尖り方が逆だなあ。

*宿屋
・曲の出だしがフランスを意識して少しシャンソン風アレンジ?
・テナルディエ夫妻(ヘレナとサーシャ)は美男美女過ぎ。
・さらにテナの歌はゲス野郎のキョーレツな個性であって欲しいのに
 いささかフツーのマイルドモード。
・今までテナ夫人は旦那のことを「慰め上手が聞いてあきれる〜♪」で
 うまいこと言うばっかりで愛想尽きてるけど、腐れ縁で一緒にいるのかと思ってたの。
 でも、そんな愚痴を若者の膝で言いながらお金をくすねて旦那に渡し、
 今回は旦那に向かって「愛してる♪」と言うシーンも発見。
 あら、実は旦那のこと好きだったのね。

*Stars
先日のややちゃんの指摘「歌のわりに背景が壮大すぎる」。
確かに、広がる空&眼下に広がる町並みもだし、背景に大きなワシの像を配したりするのよ。
華やかで鋭く高らかに歌い上げてくれれば背景も活きるというもんだけど、
なにせ、あのくぐもった声でマルッと歌われるとなあ。
この歌、ジャベの最大の見せ場だし、ファン多いからハードル高いよねえ。

*エポが好きなのは
・ミュージカルで「その髪好きだわ〜♪」が「話し方が好き」に変わってましたね。
マリウスは憧れの存在であり、髪を触れるほど近しい間柄ではないみたい。
ここ、エポにからかわれてるんだと思って軽くイラッとしてはらいのける
マリウス禅さんが可愛かったのが思いだされる。

*アンジョとマリウスの演説シーン
・おじいちゃんは最初馬車からマリウスの様子を伺い、下りてきて叱る
・インテリ学生マリウスにうっとりするエポ

*マリウスとコゼットのひと目惚れ
声をかけられても、もめ事が起きてても、相手しか見えてない
2人のアンポンタンぶりがいいねえ。
マリウスなんて、口をぽか〜んと半開きのままで
「うわ〜なんて可愛いんだあ!!!」が表情だけで伝わるもんね。
その後「あの娘を探してくれ」と言われて、
大好きなマリウスが喜んでくれるならとソワソワするエポが切ない。

*ABCカフェ
REDとBLACKの認識からはき違えてるマリウスに険しい視線を送りながらも
責め立てたりはしないアンジョ。
アンジョはいろいろ思うところがあるだろうけど、
学生たちそれぞれのいい所を認めてる感じがするね。
さすがはリーダー。
コゼットが去って戻って来たマリウスも嬉しそうに迎える。
グランテールはアンジョ崇拝のためか赤系のジャケットでみつけやすい。
*追記:ここ、ウソ書いてました。グランテールは白シャツにグレーのベスト
とはいえ、先ほどの演説シーンではアンジョのジャケットは紫なのだ。

*ワンデイモア
このシーンについては、映画が上回っていると思う。
バルジャン、コゼットとマリウス、エポ、学生たち、テナ夫妻…
それぞれの大事な明日を迎える様子を立体的に華やかに見せてくれる。
それがこちらにも積み重なって、感情が高まる。

1幕だけでこんなに長くなったので、2幕はまた次回。

是非お願いしたいのは、やっぱりワンデイモアで幕間入れて欲しいよね。
条件反射的に、拍手喝采して、さあトイレ!っていう体になってるんだもん。
それに、中盤からトイレ組続出で、忙しないのです。
それも「オンマイオウン」とか「カフェソング」とかありえない所で席を立つ
のでガックリくるよ〜。
こちとら、1曲も聞き逃せないので、トイレは我慢するのみ!
さらに全身全霊で観ていますので、体力的にも休憩が欲しい。

『スウィーニー・トッド』情報

一昨日、ホリプロメルマガが届いたんですけどね、
『スウィーニー・トッド』でちょっとハテナ?
ソニンはアメリカ行っちゃうから、次のジョアンヌ、誰がやるのかなあというのが
気になっていたんですよ。

プリンシパル部分をざっと見ると
市村正親
大竹しのぶ

芳本美代子
柿澤勇人
安崎求
斉藤暁
武田真治

市村・大竹ラインは不動として、
え?
・・・
他に女性はみっちょんしかいませんけど…。
そもそも、今、「芳本美代子=みっちょん」と認識できる人は
どんだけいるんだ?
アイドルの時も歌は印象にないなあ。

柿澤くんはスター街道まっしぐらですね。
万里生くんのアントニーですから。
確かに身体はしなやかで、お顔もきれいだもんね。
ヨシヒコでDV夫なんてやってる場合じゃないよ。

ソンドハイムの難解なメロディーにのせて
オペラ歌手のように、小鳥のように歌うソニンに感嘆しただけに、
余計なお世話だけど不安を感じる。