Category Archives: ミュージカル・お芝居

NHK「ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2015」

王子がゲスト出演のコンサート番組。

sasa、クラシックは子供たちが弾いてくれたピアノ曲くらいしかわからず、
素養なし。
王子が「馴染みのある曲で」と言ってても、
ドナウくらいしかわからず。
実際、曲は流してただけで、王子のコメント部分のみちゃんと拝聴。

で、気になったのはさあ、
会場内でスマホの画面見たり撮影したりしてる人の多いこと。
曲の間なのか?いや、演奏中もあってたような。
いや、そもそも会場内でスマホはダメじゃないの?

先日の東京遠征で、あちらの方たちは観劇慣れてるなあと思ったのよ。
残念ながら福岡でも小倉でも観劇中は
スマホ開く、座席から身を乗り出す、スーパー袋をクシャクシャする
などヒヤヒヤ。
それが東京だと、帝劇でも、他劇場でもそんなマナー違反みかけず、
文化の違いだなあと思った。

で、ウィーンであれば、特にこのコンサートは宝のように愛されてるみたいだし、
コンサート慣れしてるんだろうと思ってたのに。
当たり前のようにステージを撮影してたよ。
慣れてるというより、慣れ合いっぽく…。
どういうことなんでしょうね。

と、あれあれ、なんか愚痴っぽくなっちゃった。

2014エンタメ回想☆

年末恒例の振り返り。
今年のsasaの観劇ラインナップは

<ミュージカル&演劇>
*お花のハナック:たいらじょうさんが1人で全て演る!
*Delicious 4公演:ファンにはたまらない作品でした
*ザ・ビューティフル・ゲーム:曲が残りますARW作品
*ダディ・ロング・レッグス:やっぱりこの作品大好き♪
*国民の映画:緻密な構成で緊張感
*CATS 6公演:楽しんだなあ。ダンス好きのためのミュージカル
*IN THE HEIGHTS:幸人くん大活躍
*レディ・ベス 3公演:平野綾ちゃんいいね
*朝日のような夕日をつれて:往年ファンぽい客層だった
*ミス・サイゴン 2公演:市村さん休演で残念
*シェルブールの雨傘:王子と野々さんの声の相性ばっちり
*Kバレエ「カルメン」:宮尾さんとの握手にときめく
*社長吸血記:大好きナイロン
*ジュリアス・シーザー:白いマントを翻す中年男たちのカッコよさ
*第8回博多・天神落語まつり:志の輔師匠のちゃんとした古典初めてかも
*『LOVE UPDATE』JAY’ED×S.A.D PERFORMERS ART SHOW:神戸まではるばる
*MURO式.8「2 3 5 7 11 13 17...」:予想外にちゃんと仕組まれたお芝居
*FASHION MASTERS2014:ステージの大きさを図りながら踊るシャオチャン
*モーツァルト! 2公演:ミュージカル界をしょって立つ王子に感動
*星ノ数ホド:浦井くんはデキル男だ
*夕空はれて:ナンセンス、いい!
*海をゆく者:カッコいいダメ男たち
*九州国際フェスティバル:アットホームな公演でシャオチャンリラックス

<映画>
*エヴァの告白
*LIFE!
*ウルフ・オブ・ウォールストリート
*オー!ファーザー
*幕末高校生
*サンシャイン/歌声が響く街
*グレート デイズ!
*LUCY
*グレース・オブ・モナコ
*ぶどうのなみだ
*記憶探偵と鍵のかかった少女
*柘榴坂の仇討
*美女と野獣
*ふしぎな岬の物語
*天才スピヴェット
*ドラキュラ
*紙の月
*TRASH!
*ホビット
*ビッグ・アイズ
*悼む人

今年はあんまり行けてない気がしてたけど、
ちゃんと観てましたね。

それではお待たせしました?
って、一体誰が待ってるんだ?
2014年度sasa的No.1発表!
ジャカジャカジャカジャカジャ〜ン!

ミュージカル&演劇部門No.1は…

『星ノ数ホド』
です!

これ、ほんとに浦井くんと杏ちゃんが良かったんだもん。
地味だけど冴えてた作品だと思う。
StarSでのあのトークからは想像できない浦井くん。
実はボケたふりしてるんじゃない?
だとすると、相当の悪だ。
売れっ子なのも納得。
sasaも次回からは見逃すまい!

そして、映画部門No.1は…
『サンシャイン/歌声が響く街』です。

こちらはミュージカル映画。
存じ上げなかったけどスコットランドの国民的バンド、
プロクレイマーズの名曲が全編を流れます。
派手な作品ではなかったけど、ジンワリ心が温かく、
優しくハッピーになれる☆
これってミュージカルの神髄だもんね。

こんな感じで、2014年も暮れようとしています。
来年もたくさんの素敵な出会いがありますように。

それでは、大好きな『サンシャイン』でハッピーに締めくくりましょう。
みなさま、良いお年をお迎えください。
http://youtu.be/2RthPrvMTn0

舞台『海をゆく者』

IMG_4408.JPG
■日時:2014年12月13日(日) 13:00 1幕75分 休憩15分 2幕85分
■会場:パルコ劇場 B20
■出演:小日向文世、吉田鋼太郎、浅野和之、大谷亮介、平田満

キャスト見ただけで凄いよね。贅沢すぎるキャスティング!
それも誰も若いわけでも、ハンサムなわけでもないのに、
ゴージャス感が漂うという…。

酒の飲み過ぎで目が不自由な兄の世話をするために、
仕事も金もない弟が帰ってくる。
兄の友達もダメ男揃いで、
飲んだくれながらカードに興じる。

まあ、基本、鋼太郎さんの独壇場。
眼が悪いってことで加速して床でジタバタしたりやりたい放題。
鋼太郎さん、自由だよなあ。

そうこうしてるうちに、クリスマスの晩
友達に連れられて、というか、計算づくで小日向さんが現れ、
日常に悪魔が忍び寄る。

“21世紀のクリスマス・キャロル”と言われているそうで、
怖さを孕んだお話でした。
でも、楽しむべきは男たちの台詞ですな。
そして、最終的に落ち着くのは家族(兄弟)愛ってことで、
ここ、ちょっとホロリとしました。

今回の遠征、我ながら完璧なセレクト。
王子はもちろん、ストプレも美術館も
どれも素晴らしく、大満足なラインナップでした。

そして思ったのは、
特にストプレについては、テーマ云々ではなく、
台詞の言い回しや、役者さんとの掛け合い、新しい試み、
など、その場その場を楽しむのが醍醐味に思えてきた。
観劇中に楽しいと思えればよいわけだから。

舞台『夕空はれて-よくかきくうきゃく』

IMG_4390.JPG
■日時:2014年12月13日(金)19:00 
   1幕19:00-19:40 休憩15分 2幕19:55-20:30
■会場:青山円形劇場 C-16
■脚本:別役実
■演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
■出演:仲村トオル、マギー、山崎一、奥菜恵
   緒川たまき、池谷のぶえ、犬山イヌコ

発売日当日に張り切ってゲットしたチケットには
『雨の降る日は天気が悪い』とある。
発売後に、別役さんの体調不良により書き下ろしができなくなり、
過去の作品に白羽の矢が立ったという、いわくつきの公演。
作品が変更になったのに、出演者は変わらず、というのもこれまた凄い。
ケラ自身、正直降ろしてもらうことも考えたらしい。

お話はどこかの町に男1、名前さえない仲村トオルが現れる。
並んだイスに何気に鞄をおき、ブラブラしていると、
町人らしき人たちが現れて、
ときどき出没するという、ライオンまたは熊もしくはトラ
(ここも、それぞれが違う動物名を言うので結局どれだかわからない)
それが、一昨日はこのイス、昨日がその隣のイスに座った人を噛んだと言う。
…となると、今日は…
で、男1が慌てて鞄の位置をずらす。

町人たち
「え?あなたはまさか噛まれたくないと思ってるんですか?」
男1
「え~?あなたたちは噛まれたいんですか?」
町人たち
「私たちだって噛まれたくないですよ」
男1
「でも、さっき『噛まれたくないと思ってるんですか?』って言いましたよね?」
町人たち
「いえいえ、私たちだって噛まれたくないんです。
でも、あなたは本当に噛まれたくないと思ってるんですか?」

みたいな会話が続く。

んんん?
なんじゃそりゃ?訳わからん。

そして、この訳わからん感は男1が観客になりかわって
「ええ~?」とその理不尽さに驚き、反論してくれる。
でも、町人たち、暖簾に腕押し状態で、正論は通じない。

ナイロンもナンセンスコメディだけど、
今回はそこに別役さんの脚本でナンセンス度がアップ。

結局最後まで、何が言いたいのかわからず、
でも、台詞を追うこと自体がとても楽しい。
うっかりしてると、足元すくわれちゃうから、
笑いながらも集中!

相変わらず滑舌のよい緒川たまきさん、
ナンセンスを堂々と言い切る美人、素晴らしい。
奥菜恵さんも、あまりいい印象はなかったのに、
このナンセンスを上手に体現してて良かったです。

青山円形劇場、初めてにしてラストでした。
役者さんたちがものすごく近いのね。
仲村トオルさんなんて、ほんの2mくらいのところにいたよ。
ケラもお気に入りのようでしたが、とても素敵な劇場。
代りになるものが現れるのかしら?

舞台『星ノ数ホド』

IMG_4357.JPG
■日時:2014年12月11日(木)19:00 85分
■会場:新国立劇場 小ホール D3列1
■出演:浦井健二、鈴木杏

全く予習なしに観たこの作品、
最初は何が起こってるのかワカラナイ。
「自分の肘ってなめられないの知ってる?」という同じトーク、
いや若干違うトークが繰り返される。

その後も、似たような、でも違うシチュエーションが繰り返される。

観ているうちにだんだん気づいてくる。

あ~、そうかあ。人生ってこんな微妙な違いの連続で
できてるんだなあって。

あの時のひとこと、それに対する反応がほんのちょっと違うだけで、
人生は違う方向に向かうものなんだと。

微細な違いを、転換ごとに切り替えて演じる2人。
鈴木杏ちゃんは、大人計画や蜷川作品で上手ってことはわかってたけど、
浦井くんには驚いた。
この作品、頭の切り替えがものすごく必要で
途中、少しでも躓いたらシラーってなるのに、
2人ともパーフェクト☆

浦井くんの役は養蜂家で、髪形もファッションもパッとしない
モサーっとした青年。
このイメージにもぴったりハマってるのに、
芝居は確実。

観ているうちに、自分のことにも置き換えて、
こんな星ノ数ホドの選択肢を経てきていることを実感し始め
不思議な感覚になる。
とても面白い試みだった。

この2人だから成立したお芝居ではないだろうか。
とてもいいものを観た。