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博多座『西遊記』

■日時:2024年11月21日(火)16:30
■会場:博多座
■脚本:マキノノゾミ
■演出:堤 幸彦
■出演:
孫悟空:片岡愛之助
小池徹平:三蔵法師
戸次重幸:猪八戒
加藤和樹:沙悟浄
村井良大:玉竜
藤岡真威人:紅孩児
山口馬木也:銀角
藤本隆宏:金角
中山美穂:鉄扇公主
松平 健:牛魔王
田村 心、曽田陵介、小宮璃央、柳 美稀、押田 岳
桜庭大翔

ちょっとしたご縁がありましてちょうどお休みの日だったこともあり
行ってきました。
愛之助さん初見。
ミュージカルでおなじみの面々も。

愛之助悟空、登場するなりパアッと舞台が華やぎます。
全身でお客さんに向かっていく感じ、さすがです。
そして身体能力が高いんですね。
ワイヤーアクション満載。
カテコではバック転もされましたよ。

アクロバティックな群舞が多く、
ミュージカルとは違うジャンルのダンサーさんたちなのでしょうね。
イメージとしては中国雑技団みたいな。
ビシッバシッと動かれてました。

ちょうどトークショーの公演でして
(片岡愛之助・小池徹平・戸次重幸・加藤和樹・村井良大)
愛之助さん:ワイヤーアクションは全力で走って飛び立つ。
着地が難しい。
ワイヤーはなんと人力で動かしているらしい。
はめこみ映像は録画だと思ってるだろうけど
ちゃんと生撮影しているんだって。

戸次・加藤・村井:
(劇中のフリートークコーナーについて)
しっかり事前打ち合わせしていて、
8パターン用意している。
玉竜の腰下を回転させるのは毎回必須とのこと。

決してお話自体が感動!とか泣ける!とかじゃないから
せっかくの小池くんや加藤くんもったいないなあ。
マツケンさんまで出てるのにね。

これがsasaの2023年観劇収めとなりました。
う~ん…これかあ。

舞台『無駄な抵抗』


■日時:2023年11月18日(土)13:00 約2時間
■会場:世田谷パブリックシアター
■作・演出:前川知大
■出演:
池谷のぶえ 渡邊圭祐 安井順平 浜田信也
穂志もえか 清水葉月 盛隆二 森下創 大窪人衛
松雪泰子

今回の遠征は全てストプレ。
なかなか集中力のいるものでした。
そのラストはイキウメ前川さん作品。
イキウメ一度見てみたかったのよ。

役者さんは昨日の阿佐谷スパイダースに続きケラ作品と被りますね。
渡邊さんは『アンナ・カレーニナ』で宮沢りえちゃんの相手役だったから
有望株なのでしょう。

電車が停まらなくなった駅の駅前広場が舞台。
電車が停まらないから
大道芸にもカフェにも人が来ない。
仕方ない。特に抗うことなく過ごしている。
そこにカウンセラーの桜が小学校の同級生でもある
依頼人山鳥芽衣(池谷のぶえ)と待ち合わせをしていた。
芽衣はただカウンセリングを受けたいのではなく、
昔桜に言われた「人を殺す」という予言がずっと気になり、
そうならないように気をつけながら、今まで生きてきた。
そのことを話したかったのだ。

桜も悪気があって言ったわけではないけど、
そんなこと言われたら、誰でもずっと心にひっかかりを持つことになる。
それも、芽衣には思い当たることがあったからなおのこと。

家族との関係が悪かったり、
ホストに入れ込んだりという話が語られていくが
結局全てはひとつのことにつながっていた。

小さいころ支援を受けていた叔父から
性的虐待を受けていたのだ。
最初はよくわからず、抵抗もできず、
桜から「人を殺す」運命を告げられてからは
気をつけて生きてきた。
その言葉がなければもしかしたら何らかの手を打てたのかもしれない。

桜は自分の言葉が、
それも自分では覚えていないような無責任な言葉が
他人の人生を大きく左右したことには
少なからずの責任を感じ、
芽衣が叔父を訴える助けになろうとする。
芽衣自身は桜と話すうちに、無駄であっても抵抗しないことには
前に進めないことを知る。

この作品と対象が違っても、
大きな力に抵抗することは、やっても無駄だとよく思う。
会社や上司に行ってもラチが開かず、
そうするうちに、言うことさえやめてしまう。
無力になる。

この作品をみたとて、
抵抗しないことには前に進まない、
結果はどうあれ抵抗することに意味がある
ということにはなりませんが、
芽衣にはきっと意味がある、あってくれ、と思うのでした。

池谷さん、これまではおばあさん役とかが多く、
過去がありながらも立派に生きてる、
背筋がピンとしててジャケットの良く似合う
大人の女性役を見たら、あら御綺麗な方なのね(←失礼)。
パリッとかっこよかった。

松雪さんは昔タモリさんが
「鳥栖にはこんな美人はいないよ」と言ってて
ほんとそうだよなあと当時から思ってましたが、
確実な美人さんというだけでなく、上手な舞台役者さんですね。

パンケーキ「Voivoi」@三軒茶屋


昨日の「Voron」と言い、
いつも美味しいお店を教えてくれるカエルちゃんとブランチ。
観劇前ということで、三軒茶屋でパンケーキ専門店をセレクトしてくれました。

甘いのも食べたいけど辛いのも、
となると

こういうことになります。

なにせ関東にお住まいなのと
遠征経験も豊富なのでエンタメ情報たくさん教えてもらって
いつも感謝です。

阿佐ヶ谷スパイダース「ジャイアンツ」


■日時:2023年11月17日(金)19:00
■会場:新宿シアタートップス
■出演:大久保祥太郎 坂本慶介 志甫まゆ子
伊達暁 智順 富岡晃一郎
内藤ゆき 長塚圭史 中村まこと
中山祐一朗 村岡希美 李千鶴

阿佐ヶ谷スパイダース、そこそこ有名な劇団だと思うのですが
新宿のこんな小さな劇場でやるのね。

老人が昔住んでいた街に行くと
偶然にも長らく会ってなかった
(というか縁切り状態になっていた?)息子と会う。
ぎこちなかった関係もなんとなく家を訪ねることになり
奥さんにもてなしてもらったので
翌日訪ねていくと、そんな家はない。

そこに「けいとう」という謎の現象や
花火、目玉探偵、とか出てきて
また理解できずモヤモヤ。

これからどんどん老いていくのに
恐らく孤独なあの初老の主人公の行末が心配になるし、
盆も正月も一瞬しか帰省せず
メールの返信は最低文字数の息子たちのことを思うと
他人事とも思えず
苦みが残る。

村岡さんは相変わらず面白かった。
ああいう台詞とか間の面白さは一体何なのでしょうね。

ゴッホと静物画―伝統から革新へ


この詰込みスケジュールの中、
向学のために無理やりこれも詰込んだ真面目なsasa。
仕事で関係がありましてね。

ゴッホにとっての静物画の意味と後進への影響がテーマでした。
静物画というのは、置くものが自由にできるから
構図と色彩の練習には最適な題材。
本来は人物を描きたいので
静物画にはあまり興味がなく、
ましてや花に関心が薄かったゴッホ。

でも習作にはよいし、
マネの絵を見て、同色の筆致だけで描けないか考えたり、
なによりお金のなかったゴッホにとって
売れやすい花の絵というのは生きていくにも必要。
花描き画家たちを羨ましいなあと思っていたのではないかな
と勝手に推測。

そんな必要に迫られて描くうちに構図と色彩はレベルアップし、
「ひまわり」につながっていく。

SOMPO美術館といえば「ひまわり」

解説を読んで初めて気づいたのは
このひまわりって全体ほぼ黄色で描かれてるのね。

「静物画の流れの中にゴッホを位置づけ、
ゴッホが先人達から何を学び、
それをいかに自らの作品に反映させ、
次世代の画家たちにどのような影響をあたえたか」
という展示の目的が明確に伝わる内容でした。
構成が大事だと実感。