Category Archives: ミュージカル・お芝居

舞台『見上げんな』


■日時:2025年4月4日
■会場:福岡市民ホール 中ホール
■劇作・脚本:川口大樹(万能グローブガラパゴスダイナモス)
■演出:松居大悟(ゴジゲン)
■音楽:小山田壮平
■出演:椎木樹人、古賀駿作、千代田佑李、青野大輔、富永真由(万能グローブガラパゴスダイナモス)
東迎昂史郎、善雄善雄(ゴジゲン)
神田朝香 / 田島芽瑠 / 多田香織(ひなた旅行舎) / 向野章太郎 /
酒井善史(ヨーロッパ企画)

連日の福岡市民ホール。
中ホールのこけら落とし公演を
福岡出身の演出家&地元劇団にしたのはナイスです。

売れないアイドルの女の子が映像作家になると宣言して
きた依頼が地元福岡からの「バンドのMVを撮ってほしい」。
久しぶりに帰郷したものの、バンドメンバーも見つからず
人探しから始める。

松居さんは今や全国区ですが、
以前観たゴジゲンは実はあんまり印象に残らず。

が、今回はガラパ川口さん作品を
松居さんがふんわりくるんだ感じで
とてもいい塩梅のまとまりだった。

ヨーロッパ企画酒井さんの出演も大きくて、
出てきた時から存在感が違うなあ。
いつものように酒井さんの発明品が登場するのも面白い。

音楽の小山田壮平さんのテーマソング。
ベタな歌詞で、最初はふざけてるように聴こえてたけど
聴いてるうちに覚えて、実は切ない。
なんかお名前見たことあると思ったら
TOMOVSKYとも共演してるよね。

合間合間に福岡の名所スポットが出てきて、
しつこくない福岡愛を感じる作品でした。

松井英理自主公演【Bios】

画像
■日時:2025年3月29日(土)12:00
■会場:パピヨン24ガスホール 自由席
■出演:松井英理、森淑乃、河合実夕、星野朱璃、ほか
(ゲストダンサー)西岡憲吾、Zaco
(ピアノ)仲本雄平、(うた)亜季緒

シャオチャン公演の生徒さんの中で
ずば抜けてた松井英理ちゃん。
ダンサーで『ロミジュリ』などに出演しつつ
福岡で生徒さんを指導。
これまでも公演やってたけど、今回はかなり大きめ。
しっかり時間をかけての準備の様子もSNSで追ってました。

もう!とにかくかっこよかった。
色っぽくもあり、可愛らしくもあり、コミカルも、しっとりも。
たくさんの色調のダンスがどんどん繰り広げられる。

英理ちゃんが全ての演目に出るわけではなくて、
生徒さんもハイレベルで全力疾走。
全員がこのレベルで踊れるってどういうこと?
結構な覚悟で臨んだ生徒さんたちだと思われる上に、
英理ちゃんの指導力のすさまじさ。

こういう公演って、生徒さんの発表会レベルが多くて
う~ん、これで入場料取るのか?
と思うこともある。

が、これはチケット代以上のレベル。

シャオチャンの公演で英理ちゃんを知り、
英理ちゃんの公演で知った星野朱璃ちゃんは
すっかり大人になってますます魅力的に。
表情がくるくる変わるのも観ていて楽しい。
GQメンバーの西岡憲吾さんはさすがバレエダンサーの美しさ。

あとでネットに関係者の方が書いてたのは
サポートの話があっても、作品に制約が加わるのは嫌で
英理ちゃんは断ったという。
なんと男前なことか。

ソワレも見たかったくらいです。
いいもの見せてもらいました。

福岡市民会館閉館記念式典&ギンギラ太陽’s 特別ステージ


■会場:福岡市民会館
■日時:2025年3月23日(日)14:00~15:30

福岡市民にはなじみ深い
といっても老朽化が否めなかった福岡市民会館。
閉館セレモニーの難関抽選に見事当選し、
見届けてきました。

子どもの頃はピアノの発表会もあったし
子どもたちの合唱コンクールも懐かしい。

市長が参加しての閉館式典
劇団ショーマンシップの仲谷一志が司会でしたが
高島市長のお名前を間違えたあと、
さらに市議会議長の名前を間違える。
おかげで会場は大爆笑。
あれは狙ってたのか!?

市長も気を悪くするのではなく「高島 宗一『郎』です」
とあえて強調する懐の深さは素晴らしい。

の後は、ギンギラ高橋さんが登場し、
いつものカブリモノステージで
福岡の歴史を振り返る。

天井とかよく見渡すと
これが60年前にできたって当時は画期的だったんじゃないかな。
次は福岡市民ホールにつながります。

映画『ウィキッド ふたりの魔女』


10年以上前、福岡ロングランの時通ったミュージカル。
最近はミュージカルの映画化多いですね。

楽しみであるとともにどんな表現になっているのかは
ドキドキします。
大好きな世界観がなくなっていたら相当悲しい。

エルファバの内面にグリンダが気付き自分から心を寄せていくシーン、
息をのみました。
映画ってミュージカル以上に繊細な心のうちが伝わります。

「ポピュラー」でグリンダがファッションをプロデュースしてからは
エルファバはお洋服も髪型も似合う。

アリアナグランデ、お名前くらいしか存じ上げなかったのですが、
演技も素晴らしいんですね。
愛らしくおまぬけなキャラがぴったりで
かつ高音がきれい。
ピンクがとびきり似合ってて、「ポピュラー」最高に可愛かった。

フィエロはどうかなあと思ったら、
登場シーンは「え?結構年齢高い?」
が、なんといっても身体能力が高くてダンスはもちろん
バック転もいけちゃう。

客席は、平日だったので大人ばかり、
それもみなさんかなり本気度高くて
映画に集中できて本当によかった。

で、知らずに見に行ってて、
最後が「つづく」
え?
2時間40分もあったのに、後篇あるの?

自作が楽しみ、
の前に、可能ならもう1回リピしたいな。

パラドックス定数第50項 「ズベズダ‐荒野より宙へ‐」


■日時:2025年2月26日(木)第一部14:00 第二部19:00、27日(金)第三部14:00
■会場:@ザ・ポケット
■作・演出:野木萌葱
■出演:植村宏司 神農直隆 酒巻誉洋 大柿友哉
渡辺芳博 松本寛子 前園あかり 鍛治本大樹
岡本篤 谷仲恵輔 今里真

はい、この遠征の目的はこれです。
「骨と十字架」「諜報員」からすっかりハマったパラドックス定数。
1年前から「来年2月にやります」と公表されてたので
1年間ウズウズしてました。

ソビエトの天才ロケット設計士コロリョフと
登場しないけどアメリカNASAに属するドイツ人工学者ブラウン
を中心とした宇宙開発戦争のお話。
各部2時間×3部作=計6時間の大長編。
宇宙への夢でもありつつ、国と国との闘いでもあり、
歴史的背景、技術用語、登場人物、人間関係
頭をフル回転しながら挑む気持ちで観劇しました。

内容書ききれないし、書くほどの知識もないので
感想だけになりますが、
とても面白かった。

事実なので相当研究しないと脚本できないだろうし、
諸説ある中からこれでいこう!と決める決断力も必要。
今回も入場時にお迎えしてくださり、
注意事項もご自身でアナウンスされる野木さん、
普通のおばさまなのに、どこにこんなエネルギーがあるのでしょう。
ずっと緊張感がある作品なのです。

そして役者さんたちも素晴らしい。
パラドックス所属は植村さんだけで、
客演は精鋭人を集めたのでしょう。
植村さんは声をつぶしてコロリョフに臨まれ、
神農さんはもちろん、みなさん声もとてもいい。

コロリョフは仲間に裏切られ、過酷な抑留生活を送り
身体はボロボロだったらしい。
その仲間との関係や、
ガガーリンは戻って来れないと思ってたとか
戻ってからは広告塔に利用されたとか
初めて知ることばかり。

宇宙関連の話題は苦手で
仕事でその分野の時は苦労してますが、
sasaはやはりドラマが好きなのだ。
そこで起きる人の心の動きとか関係性の変化とか
そういうものであれば気持ちがキューっと惹かれていく。

体力いるだろうと思ったので1部ずつ見ましたが、
縦断上映という1日に3部完走する日もありまして、
演者さんもですが、観る方も一緒にゴールを目指すような一日だったようで
その一体感はsasaも感じたかったなあ。

今年は次回作についてのコメントがなかったのですが
次が待ち遠しい。