Category Archives: ミュージカル・お芝居

彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd vol.2「マクベス」

■日時:2025年6月21日(土)17:30
1幕95分/休憩20分/2幕75分(計3時間10分)
■会場:福岡市民ホール 大ホール 13列センター
■出演:
藤原竜也:マクベス(スコットランドの将軍)
土屋太鳳:マクベス夫人
河内大和:バンクォー(スコットランドの将軍)
廣瀬友祐:マクダフ(スコットランドの貴族)
井上祐貴:マルカム(ダンカンの王子)
たかお鷹:ダンカン(スコットランド王)
吉田鋼太郎:魔女
稲荷卓央、海津義孝、天宮 良、坪内 守、塚本幸男、鈴木彰紀、内田健司
齋藤慎平、堀 源起、近藤陽子、蔵原 健、松本こうせい、谷畑 聡、伊藤大貴
松尾竜兵、河村岳司、坂田周子、佐藤雄大、小川向日葵、嶋瀬 晴、稲田 有梨

どうしようかなあと思ってたのですが、
当日チケットにご縁がありまして行ってきました。

藤原くんの熱い台詞、あんまり得意じゃないんです。
確かマクベス夫人が悪女だったイメージくらいで
原作読んでないのであらすじだけさっと予習。

冒頭の稲妻に魔女3人が現れるシーン。
魔女というか亡霊というか
ちょっとなまはげのような
怖いけどコミカルな3人。
なんだなんだ?

このシーンも含め、稲妻やら光やら会場下りやら客いじりやら
鋼太郎さんの「飽きさせない工夫」と言う通り
ストプレなのに一瞬たりとも睡魔は来なかった

特に、夫人の訃報のシーンで背景巻が一気に落ち、
それが岩場のように舞台を囲んで鎮座する姿はとても美しい。
かなり重たい幕があんな形状になるなんて、
どう計算してるんだろう?

マクベスがもともとその気はあったものの
夫人主導で野心や殺意をふくらませていくのはわかるんだけど
ではどうして夫人は最初からあんなに悪人なの?
(※シェイクスピア研究者の友人によると
マクベスからの手紙「手柄をたたて重用されたよ」
を読んでから悪意がふくらんでいったとのこと)

マクベスが祝宴中にバンクォーの亡霊に正気を失い、
最初はなだめていたものの最後は呆然となるマクベス夫人。
ここ結構時間をとってあって、
夫人の心が崩れ落ちた伏線があっての
次の場での狂人の流れがわかりやすい。

そして、狂気のまま手を洗い自分の罪を話してしまう。

土屋太鳳ちゃんは、残念ながらあんまり女性うけよくないよね。
でも日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』見てから、
上手だなあと思ってました。
そして、今回、シェイクスピアのあの面倒な長台詞も
滑舌もよくきれいに伝わる。
身体能力が高いから、お辞儀とかひざまづく姿もきれい。

そして、ミュージカルではお馴染みの廣瀬くん
マクベスと対峙する役で、
あらあ、声がこんなに重低音だった?
精悍なお顔立ちに貴族の衣装もお似合いで
立派でした。
もう歌ったり踊ったりしなくてよくない?

前半は長台詞が多かったものの
後半は展開も早く、鋼太郎さんの工夫もあり
ぐいぐい引き寄せられました。

友人によると原作にはないマイムマイムダンスとか
もともと短い作品を長く伸ばしてるものの
間延び感もなかった。

ラストにステージセンターにアレが残されるのが
不気味だった。
そこにオープニングと同じく稲妻の音と光が突き刺さる。

今回はたまたまシェイクスピア研究者の同級生と
同じ公演の観劇で、
終演後、短時間でしたが解説してもらいました。

ミュージカルオフ会

いつものメンバーで
いつものロイホで
ミュージカルオフ会。

レミゼの振り返りとか
キンキー遠征報告とか。

博多座『レ・ミゼラブル』2回目


■日時:2025年4月28日(月)12:00
■会場:博多座 3階B列サイドブロック
ジャン・バルジャン:佐藤隆紀
ジャベール:小野田龍之介
ファンテーヌ:生田絵梨花
エポニーヌ:ルミーナ
マリウス:三浦宏規
コゼット:水江萌々子
テナルディエ:六角精児
マダム・テナルディエ:樹里咲穂
アンジョルラス:小林 唯

2回目はシュガーバル。
ジャベは前回と同じく小野田さん。

ルミーナエポはものすごく強い。
エポのメイク、汚れ度が高すぎませんかね?
炭鉱夫さんですか?くらいスス汚れてます。

初見でよかったのがアンジョ小林さん。
四季辞めてどんどん活躍されてますよね。
次はジャージーもだし。
歌がとてもよい。
惜しいのはやっぱり背だよなあ。

マリウスは前回の山田くんがよかったのでねえ。
三浦くんはお顔が素敵だけど
歌がちょっとズレます。
せっかく踊れるのにマリウスが踊るといえば
結婚式のダンスだけだからもったいないね。

次は『レ・ミゼラブル ワールドツアースペクタキュラー』があるそうです。
珍しく福岡公演も。
チケット高すぎて無理っ

ミュージカル 『昭和元禄落語心中』


■日時:2025年4月22日(火)
■会場:福岡市民ホール 大ホール 22列サイド
■出演:山崎育三郎 明日海りお 古川雄大 黒羽麻璃央 中村梅雀
    阿部裕 村井成仁 ほか

人気漫画をもとにしたオリジナルミュージカル。
いくさぶろ君が企画から入ったようです。

落語の師匠(中村)のもとに弟子入りした信→助六→初太郎(山崎)と
坊→菊比古→役も(古川)が切磋琢磨しながら稽古に励み、
みよ吉(明日海)と菊比古との恋愛や別れ、
後の初太郎との結婚から悲劇へ。
のストーリーを初太郎(黒羽)が回顧する。

いくさぶろ君苦手だし、
あまり乗り気じゃなかったんだけど
思ったより面白かった。

最初が落語の『死神』から入るのが
それってトート閣下じゃん!
って苦笑したわ。

新しいホールは先日の加来さんの時も思ったけど
やっぱり響き過ぎ。
特に響かせがちのいくさぶろ君の声は
割れて二重に聞こえるんだよね。

古川くんはその塩梅を知ってか知らずかちょうどいい。

そして古川くんは洋も似合うけど和装も妖艶。
どっちもハマってます。

雰囲気はちょっと井上ひさしさんの音楽劇のイメージがあった。
日本発という意気込みは素晴らしいね。

サルメカンパニー&クリオネプロデュース 『12人のヒトラーの側近』


■日時:2025年4月12日(土)13:00、14日(月)14:00
1幕90分、7分休憩、2幕90分
■会場:吉祥寺シアター (東京都) 12日B列、14日D列
■作・演出:石川湖太朗
■出演:國島直希 / 正木郁 / 石川湖太朗 / 松村優 / 近藤隼 /
浅井浩介 / 大西遵 / 柴田元 / 小島久人 / 遠藤広太 /
小黒沙耶 / 遠藤真結子 / 神農直隆 /
藤川航(sax) / Tomo Idei(drum)

パラドックス定数に続き、またお気に入り劇団をみつけてしまった。
それも福岡公演があるとは思えない(失礼か?)
今のところ小さめ劇団。
知ってる人は少数でも、才能ある人っているんだなあと思う。

ヒトラーを支え、そのうち止められなくなり、服従し
一緒に破滅の道を進んだ側近たち。
史実を調べて緻密に作り上げるお話がゾクゾクするくらい好き。
自分がこういうのが好みだってことに気付いたわ。

もちろん、神農さん出演というのも大きくて
最初はジャーナリストのエッカート(神農)がヒトラーをコマのように使うかのように
シンボルとして担ぎ上げる。
演説は得意だけど原稿は下手だからとゲッペルスが原稿準備。
これを主宰の石川湖太朗さんが演じている。

脚が悪く卑屈で、一癖ありそうなゲッペルス。
終盤でもう勝ち目がない時に「国民を見捨てるのか?」と問われると
「国民が選んだんだ」と平然と言ってのける。

ヒトラー自体はトルソーの偶像で表現されていて、
全員で肩を組んで前進するシーンは見事だった。
地下室に籠って指令だけ出すようになった時も
あの階段の下にいるんだと想像力がふくらむ。

群像劇だけど主演のヘスを演じた國島直希さんと
後半登場シーンの多かった正木郁さんが
どうやら人気俳優さんみたいね。
ブロマイドとか売ってたし。

宣伝面、軍事面、外交面、さまざまな方向から側近たちがヒトラーを盛り立て、
といっても、本人たちにも十分に策略や目的があって
自分の得のために集まってきている。
ヒトラーの独裁力が上がっていくにつれ、
反抗すると切り落とされる。

結局破滅するわけですが、
最後に場転換があって
いきなり明るい会議室でみんなでワイワイ理想を語り合っている。
???
みんな最初は国のため国民のために良かれと思って
高い志をもってたんだよ。
いつの間に狂気の道にズレてしまったのかな
みたいなちょっとありがちな筋書き?

う~ん、これだけの作品を書く人が
そんな安易なエンディングのはずないよなあ。

史実の知識が乏しいので、最初から2公演チケット買っていて
予想通り難しくて、2回観ても、完全な理解には及ばなかった。
1回目で台本を買って、2回目の時は売り切れてたから
買っておいたよかったわあ。

サルメカンパニーが素晴らしいことがわかったし
とにかく面白かった。