
■日時:2020年1月26日(日)14:00 1時間50分休憩なし
■会場:北九州芸術劇場 中劇場 E列23
■作・演出・出演:小林賢太郎
■演奏:徳澤青弦
とんでもないものを見ました。
早くも1月にして、今年のナンバーワン決定かも。
森の中で一人で暮らすヨイチ。
集団の中でいつも「一人多くて余っていた」自分。
4年に1度の2月29日生まれ。
4年に1度、1日を足すことで世界はバランスを取る日。
ヨイチの存在も決して余っているのではなく、
彼のおかげで人間のバランスが取れているのではないか。
「うるう」というお化けがいるから決して入ってはいけない
と言われていたのに、森に入ってきたマジル。
自分もいつも一人余るというけど、
彼の場合は、司会したりピアノ伴奏したり、
ヨイチの一人とは立場が違う。
毎日やってくるマジルに帰るように言うけどいつの間にか
来るのを楽しみにしている。
ひとりになりたがるけど寂しがりのヨイチ。
でも、ヨイチにはどうしても友達になれない理由があって。
今の森を離れてまた別の森へと去っていく。
ここで暗転するから終わりかと思ったのよ。
もう付け足しは必要ないんじゃないかなあ、
なんでまだ続いてるんだろうと思ってたら
怒涛の、まるでジェットコースターのような感動が押し寄せて
涙腺崩壊。
このためにヨイチは「まちぼうけ」としてきたんだね。
なになに?これ。
こんなの予想してなかったよ~!
コントだと思ってたのに~!
周りもほとんど号泣でした。
大人のための児童文学。
お話は淡々と進みます。
その中には言葉遊びとかアドリブとかも。
途中、観客がついていけてない時は、わかるまで繰り返してくれる。
小林さんはいい男だし、声がいいし、
セットも道具もアート。
全てが緻密な計算で作られている。
お芝居は徳澤青弦さんのチェロ演奏で進行します。
フクロウの鳴き声とか、木の声とか。
チェロの音が心地よい。
カテコはもちろんスタオベで、
明るくなった客席を見渡した小林さんが
「みんないい顔してるなあ」と嬉しそう。
それはねえ、小林さんにいいもの見せてもらったからですよ。
帰りのバスでも泣けて来たほどの名作です。
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