Category Archives: 映画・dvd

DVD『ダークナイト』

子どもたちと映画鑑賞となると、
男の子ですからアクションとかヒーローものになります。
さあて、何にしようかとビデオ屋さんをぐるぐる巡って、
ササ自身が『バットマン』が好きなのと
ヒース・レジャーのジョーカーが観たかったので、
『ダークナイト』をセレクトしました。

さすがにアカデミー賞、ヒース怪演です。
ヒースの出演作は『ブロークバック・マウンテン』、『ブラザーズ・グリム』
『カサノバ』、遺作となった『Dr.パルナサスの鏡』と観ましたが、
あんまりぴんと来てなくて、この作品が一番良かったです。

ジョーカーの何が怖いって、考えや動きが「予想できない」こと。
他の人間はたいてい、なんらかの傾向があって、
その対処も考えておけるのに、ジョーカーにはそれが通じない。
口の裂け目について説明するところが何度かあるけど、毎回話が違う。
何がほんとで、何がデタラメかわからない…。
どう出てくるかわからない怖さがしみついたジョーカーでした。

ジャックニコルソンのジョーカーがピカイチだと思うけど、
ヒースもそれに次ぐくらい立派なジョーカーでした。

映画『クリスマス・キャロル』

carol

これも大学の時に原書読みました。
Charles Dickens作の英文学です。

お話は有名ですね。
金が全てのスクルージの前に、クリスマスの夜、
「過去」「現在」「未来」の亡霊が現れ、慈悲の心を取り戻すお話です。

ディケンズの作品は描写が細かすぎて、
読んでる途中で面倒になることもしばしば。
でも、それぞれに深い意味を持っているので、
ちゃんと読まないといけないんだけどね。
そんな細かいモチーフや単語など原作に忠実に作られていました。

でも、ディズニーだから仕方ないかな、
なんだかアメリカンなエンタメ作品風の仕上がり。
亡霊たちに連れられて空を飛び、街をかけめぐるシーンは
子どもが喜びそうな娯楽エンターテイメントの世界です。
ジェットコースターのように目がまわります。
体調の悪かったササにはちとツライ…。
元気な時に観るべきかもね。

コリン・ファースが出るのも楽しみだったのに、
加工されていて、顔が変だよ〜!
あれならコリンじゃなくても良かったような…。

主役のジム・キャリーは守銭奴スクルージから
亡霊3役もこなしてなかなかスゴいです。
ゲイリー・オールドマンもどこに出てくるのかと注目してましたが、
結局わからず、後でお友達に教えてもらった次第。

もともとそんなに派手な内容ではないし、
地味でぱっとしないかもしれないけど、
BBC系にしっとり楽しみたかったというのが正直なところかな。

映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT 』

THIS IS IT

2本目に観たのは『マイケル・ジャクソン THIS IS IT 』。
マイケルのファンだったわけでもないので、自分でも意外。
最初は全く観る気はなかったんだけど、
レビューを何度かみかけたり、
同じくファンではない知人が「観たらとても良かった」というのを聞いて
ステージがどうやって作られていくのかにも興味があったし
俄然、観たくなってきたの。

ロンドンで公演予定だったコンサート「THIS IS IT」の
何百時間にも及ぶリハーサルの映像をまとめた映画です。

ダンサー、シンガー、音響、照明…世界から超一流のスタッフが集まっています。
“KING OF POP”ですから「ケタ違いのステージ」を作り上げることが前提です。
スタッフに各所は任せながらも、最終的には
テンポ、シンガーの歩く導線、バックに流す映像、暗転のタイミング…
ステージの全体から細かい部分まで全てをマイケルが決定します。
こうありたいというイメージがしっかりあって揺らぎません。
特に、映画の中で何回か出てきますが、
キューは他の誰にも任せず、自分が出すことを主張します。
まさしくこの瞬間!というのは彼にしかわからないのでしょう。
生の舞台を見ているような臨場感と緊張感です。

そして全てのスタッフはマイケルの崇拝者であり、
ステージを一緒にできるなんて夢のようなこと。
いつなんどきも彼に対して大変な気を遣っているのがよくわかります。
意見を求める様子もおそるおそる聞いてる感じ。
相手はKINGですからね。
そうありながらも、スタッフの一人は「MJは謙虚だ」と言いました。
映像に出さなかっただけかもしれませんが、
スタッフたちが自分の思いどおりの動きやパフォーマンスができない時、
マイケルは多少イラッとした様子は見せますが
「怒ってるんじゃないよ。愛なんだ。」と言って自分の意図を伝え、
ぶち切れたり、相手を非難するような姿はありませんでした。

周りが気を遣っていることは彼自身が一番気づいていたんでしょうね。
でも、終始気を遣われるのって、きっととても疲れること。
無邪気に自分に接してきたのは、子どもたちだけだったのかも、
そこに癒しを求めたのかも、なんて感じてしまいました。

映画『ジェイン・オースティン 秘められた恋』

jane

ササに英文学好きの道を開いてくれたジェイン・オースティン。
大学入学してすぐに初めて原書で読んだ『Pride and Prejudice』は
これまで読んだ小説とは違う世界を見せてくれたの。
これは見ておかなくちゃ。

生涯独身だったジェイン・オースティンが20歳の時に
トム・ルフロイと激しい恋に落ちたという新説に基づいたお話。

どうみてもアメリカ娘のアン・ハサウェイのジェイン役には最後まで違和感がありましたが、
トム役のジェームズ・マカヴォイはスコットランド生まれだけあって、
イメージも英国っぽいし、正装もよく似合ってほんとに素敵♪
『ナルニア国物語』の時は普通の人間ではないタムナスさんだったし、
『つぐない』の時よりもセクシー度アップしたんじゃないかな。
こんな男性が目の前に現れたら、そりゃあ惚れますよ。

でも、悲しい恋です。
トムが評判通りの女好きとか放蕩息子とかだったらあきらめもつくけど、
真実は…。
トムが「義務がある」と言ったその意味が、後からズシーンとわかってきます。

ジェインとトムがエリザベスとダーシーにダブり、
なぜジェインの小説がハッピーエンドなのか、
貧しい娘たちが救われるのか、がわかるにつれ、
胸がつまってササまた大泣きでした。

この恋あってこその名作の誕生だったと信じたいし、
「作家としての成功」と「時間」が、
彼女の心を癒してくれたことを願うばかりです。

DVD『キサラギ』

舞台版『キサラギ』を観てからずっと観たいと思っていた映画版『キサラギ』。
週末にやっと観ることができました。

D級アイドル、如月(キサラギ)ミキの謎の自殺から1年。
ファンサイトで知り合った5人が一周忌のために集まります。
「彼女は自殺じゃない、殺されたんだ」の一言から、
誰が犯人なのか?真相は?の目のまわるような展開へ。

舞台と同様、登場人物は5人で最初から最後まで密室の中で話が進行します。
それでも全く飽きずに最後まで夢中でひきつけられるのは、
なんといっても脚本のチカラですね。
一人一人が何気なくしゃべった話が、後から全てもつれるように絡まってきます。
そしてそれがほどけていくにつれ、真相も解明されていくのです。

子どもたちにはちょっと難しいかなあと思ったのですが、
一人一人の話をちゃんと聞いて覚えていて、
それがあれよあれよとつながっていく様子に結構感動したみたい。

ササは舞台を観て結末は知っていましたが、
あらためて、ほんとによくできたお話だと思いました。
キャストも小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之
と魅力的な役者さん揃いで楽しめます。