■日時:2014年4月6日(日)13:00 1幕64分 休憩15分 2幕108分
■会場:福岡市民会館 21列17
■作・演出:三谷幸喜
■出演:
小日向文世(ヨゼフ・ゲッベルズ)、段田安則(ヒムラー)、渡辺徹(ゲーリング)
吉田羊(妻マグダ・ゲッベルズ)、小林隆(従僕フリッツ)
風間杜夫(映画監督ヤニングス)、小林勝也(俳優グリュントゲンス)
今井朋彦(作家ケストナー)、平岳大(二枚目俳優グスタフ)
シルビア・グラブ(大女優ツァラ)、新妻聖子(女性監督レニ)
秋元才加(新進女優エルザ)
3時間の長丁場。
緻密に作られた作品ですねえ。
始めての三谷幸喜さん舞台。ふ~ん、こういう世界観なのですね。
細かな要素の積み重ねで成立するので、
その流れがもし切れたりすると一気に興ざめしちゃうもんね。
役者さんの緊張感も、観客がついていくのも真剣でした。
でも、丁寧に話をすすめてくれるので、sasaでも理解できたよ。
最初は他愛のない話で進んでいくのだけど、
2幕のツァラの不用意な発言で事態は一変する。
いきなり暗雲が立ち込めて会場内は
なんだなんだ?となり、息を詰めてシーン…。
小日向さんのゲッベルズ、
映画を愛しているけれど、
言ってることは他人の言葉の受け売りばかりだったり、
芸術のほんとのところをわかってないのは、
やはり人間として欠落してるということ?
それがあんなあってはならないナチスの決定に対して
全く問題意識をもたず受け入れるということ?
そんな人間が最終的に愛する映画から愛されることはないのも
当然だよね。
ゲッベルズの心の動きを見たくて
一生懸命オペラグラスをのぞいたけれど、
なにせお席が遠くてね。
もっと近くで表情を拝見したかったなあ。
フリッツの小林隆さんは古畑でおなじみだけど、
はまり役でしたね。
従順で忠実に見える分、最後の飼い犬に手を噛まれたような
一言は痛烈だった。
聖子ちゃんはあんな真っ赤な口紅も似合うのね。
立ち姿がキムの時とは全く違って
勇ましく、男らしく?てカッコよかった。
シルビアが歌い出して、聖子ちゃんは監督役だから
出てこないかと心配してたら
ちゃんと見せ場は作ってあって、場内拍手喝さい。
地元出身の吉田羊さん、とっても良かったです。
客席にはお知り合いがたくさん来ていたようで、
ほんとはいけないんだろうけど、カテコで吉田さんだけ
数人から花束が贈られていました。
お一人だけ涙されてたのを見ても、
きっとこの作品の、これだけのベテラン役者さんの中で、
あの役は相当なプレッシャーだったんだろうなあと思います。
世界観としては、sasaの大好きなナイロンに
通じるところがある気がします。
ただ、ケラは社会的メッセージは発信しないけどね。
あ~ナイロンが観たくなった。
早くこないかなあ。
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