Category Archives: ミュージカル・お芝居

歌上手さんたちの競演@20130816レミ

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■日時:2013年8月16日(金)13:00
    1幕13:00〜14:30 30分休憩 2幕15:00〜14:10
■会場:博多座 3階B列センター
■出演:
バルジャン/吉原光夫
ジャベール/川口竜也
エポニーヌ/平野綾
ファンテーヌ/知念里奈
コゼット/磯貝レイナ
マリウス/原田優一
テナルディエ/駒田一
Mテナルディエ/浦嶋りんこ
アンジョルラス/上原理生
ガブローシュ/鈴木知憲
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良くも悪くも新演出のレミ、今ごろやっとお席に座ってきました。
20年以上、旧演出に慣れ親しんでいたからには、寂しい部分もありますが、
その覚悟で臨んだのがよかったのか、とても良い舞台でした。
映画がちょうど良い緩衝剤になったのかも。

そもそも、祐様がいない、岡さんも、禅さんも…
と、お目当て役者さんがいないことが、
見に行く意欲減退となってしまうのですが、
確かにキャスト狙いで決めた日程とはいえ、
歌の上手い役者さん勢揃いで、今回は人気より実力重視なのかも、とか、
レミは作品自体のスケールが絶大だから、
新キャストの登竜門にいいのかも、とか思います。

中でも、楽しみにしていた吉原バル、イメージしていた通りの
堂々たるバルジャン!
歌の上手さはもちろん声量、背丈もがっしりした体つきもぴったりで、
バルジャンがこれなら安心して見ていられます。

対する川口ジャベ。
少し背丈が小さめ?のコンパクトな印象ですが、
歌はきっちりと強い。
『対決』はとても聞きごたえがありました。
ただ、ジャベには最後に崩れ落ちるまでは、揺るぎなく冷酷で
ナイフのような鋭い男であって欲しいという思いがあり、
上品で真面目そうな川口ジャベは、バルに「三日の猶予を」と言われ、
その理由を説明されたら、ちゃんと納得してくれるように見えて…。

知念ファンテ。
みなさんが言われているように、新演出のファンテは強め?
以前の不幸で可哀想なファンテより、強い女のイメージでしょうか、
修羅場のような世界で、強い自分を保持しないと
どこから攻めてこられるかわからないから?
なのに『夢破れて』の最後は、夢が破れて、ただ失望するだけで去ってしまった。
1曲の中に失望、喜びがあり、最後は母としての強さを持って終わる
アンのファンテの方が個人的には好きだなあ。

リトルコゼット
不遇なコゼットというのはいいんだけど、
あれってあまりにみすぼらしくないですか?
お顔も地味な上に、髪も普通の黒色のぺっとり髪型。
どうみてもアジア人。
もう少し西洋風に演出して欲しいものだわ。
オペラグラスをのぞいた次男も「あれはあんまりやったねえ」。

と共に磯貝コゼット。こちらも残念。
マリウスがひと目惚れするくらいなんだからやはり顔も大事だよなあと思う。
だって、ずっと傍にいる平野エポのほうが圧倒的に可愛いでしょ。
衣装も普通のドレス。
黒字に白襟、縦ロールの、浮世離れした「これぞお嬢様」が
好きだったんだよなあ。
コゼットについては、歌はともかく、ビジュアル的に沙也加ちゃんがベスト。

良かったといいながらなんだか不平不満を綴っているようですが、
そんなことはないのよ。

ガブは鈴木知憲くん。
確か以前エリザの子ルドルフで拝見したような。
子どもらしい可愛さと、裏の世界を生き抜くしたたかさがあり、
歌も演技も申し分なし。
清史郎くんを見たいのはヤマヤマですが、とても素敵なガブでした。

原田マリウス。
とても良かった。
歌は正確だし、歌もお顔も上品。
最後のバルジャンの独白の時の、最初何の話かとドキドキしている様子も
世間知らずな真っすぐな若者らしい。
原田くん、アンジョやクリスより、マリウスぴったり〜♪

駒田&浦嶋テナ夫妻
駒田さんはV組なので好きだし、初見の浦嶋さんも
とても可愛いテナ夫人。
巨体でブンッと動く姿が愛嬌がある。
宿屋のシーンが少しあっさりしてたように思うのは気のせいかなあ。
映画で、なんだかんだ言ってても、テナ夫人が「愛してる♪」って
テナに目配せするシーンが好きだったけど、
舞台ではどうなんでしょう。

アンジョは上原くん以外は見ないつもりでキャストを選びましたの。
その期待通りの、中心にすくっと立つアンジョだった。
どこにいても華があって、目で追ってしまうし、歌も際立ってるもんね。
カリスマ性のある存在感は出そうと思って出せるものではないだろうし、
天性のものってあるよなあと思う。
とにかく、アンジョは上原くんで決まり!と確信したよ。

平野エポはなんだか自信に満ちあふれてて、悲壮感がなく…。
「はいはい、あなたが可愛くて歌が上手なのはわかりました」
と意地悪に言いたくなり、感情移入できず。
でも、新演出でもマリウスとの
「その髪好き〜だわ〜♪」
「なんだよ、ふざけて」の
やり取りが残ってたのが嬉しいな。

こういう書き方するつもりじゃなかったんだけど、
今回はキャストの感想メインになったわ。
結構長くなったので、舞台についてのレポはまた今度♪

今日

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とりあえず今日は
「感動をありがとう」
とても良かったです♪

行ってまいります

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新演出やっと初見でございます。
いざパリへ♪

ミュージカル「ズボン船長」

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■日時:2013年8月3日(土)13:30、18:30、4日(日)13:00
■会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■出演:蔡暁強、浜畑賢吉、なだぎ武、コング桑田、木村花代
   桐さと実、西野誠、伊藤潤一郎、亀山貴也 他

シャオチャン出演の公演はシャオチャンが最初に登場することが多いのだけど、
今回は浜畑さん。
そして最初に歌い出すのはシェンシェラー西野さん。
初めてお目にかかりますが、華があってとても歌の上手な方ですね。
伸びやかな声でオープニングを飾ります。

タイトルロールのズボン船長を
浜畑さん、なだぎさん、シャオチャン3人で年代ごとに演じ分けます。

おじいさんズボン船長が「若い頃のぼく〜」
と呼んで出てきたのが大人ズボン船長・なだぎさん。
「いや、もっと若かったはず」と再コールして、
ヤングズボン船長・シャオチャン登場。
マリンルックがかわいい♪
でも、「え?こんな小さかったか?骨格も違うし」
となり、「君、若い頃のボク?」と確認すると、
シャオチャンが「そうよ」。

え?もしかして、今、シャオチャンしゃべった?
これだけでも衝撃的!

「君、なんか言葉訛ってないか?大丈夫?」
「大丈夫!」←シャオチャン

またしゃべった〜!
まさかこの役、台詞あり?

ここで結構しつこく、中国訛りについてのやり取りが繰り返されるのですが、
これが実は、今回シャオチャンに普通に台詞があることの伏線&
観客たちに対して訛りがあることの事前告知でした。

その上、さらなる驚きは、
シャオチャンが歌った〜!

台詞ほどは訛りが目立たず、歌上手〜♪
そして、しゃべったり、歌ったりすると、
あ〜やっぱりシャオチャンって四季の人なんだなあと思った。
ひとことひとことの滑舌が四季だもん。

台詞、歌、そして、もちろんダンス。
「みんな落ち着いて」と意味なく高ジャンプしたり、
カルニバルとサーカスシーンではシャオチャンのための
見せ場が用意されています。
これを見ないと帰れない!ファンにはお約束の
開脚ジャンプとピルエット。

それと再確認したのは、シャオチャンの表現力。
亡霊の声を聞いて、船医の白衣の端っこを引っぱり
ビクビク怖がる様子。
身体の動きも表情も丸ごとで表現されるの。
表現って体全体でするものなのね。

見ていて好きなのは水夫さん4人で踊ってる時。
手をあげる、まわす、そんな小さな動きでも
シャオチャンの動きがいかに美しいかが歴然。
やっぱ違うわあ〜とファンとしてはご満悦。

ストップモーションで止まるシーン。
他の3人がお尻をつけた安定した位置で止まるのに、
シャオチャンはわざと浮いた姿勢でストップ。
敢えてそんなきついところで止まるのがニクいよなあ。

そもそも、シャオチャンがどのくらい登場して、
ダンスがどのくらい楽しめるのかが心配でしたが、
sasa的には主役はシャオチャンだったし、
今回はダンスだけでなく、歌も台詞も楽しめて大満足。

秋にはソロダンス公演の再演があるという噂。
早くスケジュール発表してほしいものです。

舞台『盲導犬―澁澤龍彦「犬狼都市」より―』

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■日時:2013年8月4日(日)16:30 1時間35分
■会場:シアターBRAVA 最後列センターブロック
■作:唐十郎
■演出:蜷川幸雄
■出演:古田新太、宮沢りえ、小出恵介、小久保寿人、大林素子、妹尾正文、
大鶴佐助、松田慎也、堀源起、羽子田洋子、加藤弓美子、佐野あい、
青戸則幸、澤魁士、手打隆盛、續木淳平、五味良介、金守珍、木場勝巳

簡単だからこれから書くわ。
というか、全く書けないから。

玉砕、粉々に砕け散りました。

何が言いたいのか全くわからず、
どこにも共感できず、
飛行機に間に合わないので、終演直前に席を立ったのですが、
それも惜しくないほどにわからない。
あのまま最後までいても何かを理解できたとは思えなかったので。

舞台正面にコインロッカーがずらりと並んでいて、
その前を盲導犬と男たちがぐるぐる歩く。
「盲導犬は盲人に使われて初めて盲導犬になる」
というような言葉を発しながら。

そこに盲人の男・ハリオ(古田)、フーテン(小出)が表れ、
男が、いなくなった不服従の盲導犬・ファキイル探しをフーテンに頼む。

次に銀杏(宮沢)が表れる。
開かないコインロッカーには、彼女の思い出が入っており、
それを爪でこじ開けようとし、詰まった爪を燃やす。

言葉の洪水のような膨大な台詞で
きっと唐さんの台詞が宝物のようなもので、
蜜を吸うように味わうのが、このお芝居の醍醐味なんだろうけど、
詩的(直球ではない)なので、想像力不足だと何を言ってるのか掴めず、
集中力も続かず眠くなる。

『THE BEE』の時も、抵抗できず、意思を無くし、服従したりえちゃんでしたが、
あれは後味は悪くても、意味わからないってことではなかったのよねえ。

りえちゃんはアングラ道進むのかしら?
「最初はハテナマークばかりだったのが、
お稽古を進めると、自分たちの方が脚本を追い抜きそうになる」
みたいな記事を読んだことがあり、
確かに、理解がないとあんな台詞、絶対頭に入らないだろうし、
あれを理解し、完璧に覚えるだけで、感動ものだ。

後半、首輪ならぬ胴輪を身体につけられ四つん這いのりえちゃん。
真っ赤な衣装に黒の胴輪、そして美人、なんともエロい。

「服従」「不服従」がテーマなのかしらとボンヤリ思う。

「素晴らしかった」というレビューも見たし、
きっと美しい作品なんだろうなあ。
それが理解できないのが悔しいです。